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Second Real/Virtual  作者:
18/72

第17話-the EDGE of GILTY-

 償いとは、容易ならないモノの一つ。


 犯した過ちが大きいほど、償うことは難しい。


 ある男は『償い』を勘違いしていた。


 謝罪すれば済むのではない。


 後ろめたさを抱くのは誰だって共通。それが当たり前だ。


 償いとは、後悔の解消であって、見返りを求めてはいけない。

 そこに邪な心を挟んではいけない。


 ……だが、間違っていたのは私だった。


 あの男に後悔や後ろめたさなど無い。


 目に映る者が生者か死者かだけ。


 つまり、あいつは償いというモノを知らないだけなのだ。






 日本

 某県白州唯市


 午前11:00

 白州唯高校を中心に大規模な調査が始まった。


 原因不明の睡眠。

 多くの人間が突如として眠りに落ち、死傷者を出した。


 軽症が38人

 重傷が3人

 小火5件

 火事2件

 死者7名


 昏睡1名……


 それがテレビで報道された結果である。



「あれ〜?

 トキはドコ〜?」



 風呂上りのボルトが、何の前触れもなく芹真と藍に質問した。

 5時を少し過ぎた夕方。

 夕焼けを窓の外に、芹真事務所内に軽い動揺が走った。


 早めの風呂から上がったボルト。

 その質問を受け、トキの姿を探す芹真と藍。



「さっきまで居たよね〜?」


「居たっけ?」



 芹真はコーヒーカップを置き、上半身を捻って背後を見る。が、視界にトキの姿は映らなかった。

 藍もボルトに言われてから顔を上げ、新聞をたたむ。



(確かに居たハズだけど……)


「ねぇ、トキ〜?」


「トイレじゃないか?」



 藍も無言で台所を覗きに行き、芹真は各部屋を見てまわる。



「入ってますか〜?」



 ボルトはトイレと風呂場のドアをノック。

 しかし、返事が無い。

 風呂場も確認しようとしたが、先ほどまで使っていたのが自分であることを思い出し、きびすを返して、再びトイレのドアをノック。

 扉を開けて中を確認するが、



「トイレにはいないよ」


「部屋にもだ」


「探してくる」



 素早く藍は得物を体中に忍ばせ、出入り口をくぐった。



「頼む」


「私も行く〜!」


「なぁ、パル。

 今のうちパイロンに出前頼んでおかないか?」



 魔女、クルリと反転。



「賛成賛成っ!」



 無理やりついて行こうとするボルトを引き止めながら芹真は電話を取り、出前を取る。

 その隙に1匹の鬼が夕方の街へ飛び出し、疾駆した。










 Second Real/Virtual


  -第17話-


 -the EDGE of GILTY-










 白州唯高校襲撃から2日が経った。


 警察が駆けつけ、簡単な事情聴取のが始まった。

 それが終わると生徒全員早急に帰宅。


 多くの生徒は密かに喜び、一部の者は首を捻った。


 何が起こったのか理解が及ばない者。

 早い時間からの帰宅に心躍る者。

 帰路を行くうち、不安に駆られる者。

 その異変が起こったのが、自分たちの学校だけでないと悟る者。


 いま、学校周辺は多くの警官や調査団と名乗る者達であふれている。

 睡眠の原因が何なのか。

 世間一般に報道される原因も気になったが、未だに公言されていない事実が多数あった。


 公表されるモノはおそらく……真実でなく、また事実でない。


 夢の呪術師との戦闘。

 人の域を超えた者同士の戦い。

 世界に関わってゆく規模――協会と無所属連合――の戦い。

 本当の現実が公になることは無いだろう。

 公になる情報は偽り。

 真実は核心に触れた者、或いは、核心に近しき者か、資格を持った者のみに語られる。


 巻き込んではいけない世界。

 そこへ侵食を始めたもう1つの世界。



(協会……

 無所属――連合……)



 イマルとの戦闘後、トキはすぐに冷静さを取り戻した。が、冷静さを取り戻すのに反比例し、現実は崩壊していった。


 知らなければいけなかったであろう事実と、

 望んだ結果。

 知りたくなかった事実と、

 受け止めがたい現実。


 その2種類の感情がトキを困惑させた。



(……SR)



 手に握られた紙をポケットに突っ込み、目的地を目指す。

 右手には中程度の紙袋。

 まず、確かめなければならないことがある。


 学校が休校中につき、トキは昨日と今日を養生に充てた。

 心労を除けば、疲労はだいぶ回復している。


 普段あまり通らない道を通り、時折足を止めて道を確認しながらトキは進んだ。


 喧騒に包まれた街のノイズが届かず、車の排気ガスも歩きタバコの紫煙も、道行く人混みも気にならない。

 いま、トキの頭にあることは1つ。

 事実を確かめる事。


 目的地が目に入ったのは、芹真事務所を出てから25分。

 心の準備は道中で整っている。躊躇う必要は無い。

 トキは迷わず出入り口をくぐり、入店。


 その店内は衣類が所狭しと掛けられていた。

 申し訳程度に設置されたカウンター上の観葉植物、天井から吊られた『禁煙』のプレート。

 店内の隅には――ゲームセンターから盗んできたのかわからないが――明らかに個人販売していないであろうアーケードゲーム機が置かれ、その他には小さめの長椅子が1つ。


 店内にトキ以外の客は無く、店員も1人。ラジオの音楽をBGMに落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

 来客に答えた店員は、トキが最も望んだ結果……いま最も用件があり、どうしても質問を浴びせたい男。



「……いらっしゃい」



 あくまで事務的に答える、男。

 罪の呪術師:クワニー・トロス・ウィトナ。


 トキはカウンターまで歩み、カウンターの上に紙袋を置き、紙袋から汚れた制服を取り出し、クワニーはラジオをとめた。



「あのさ……」


「質問の前に、この制服はいつまでに仕上げればいい?」


「……」


「汚れを落とすため持ってきたのだろ?

 答えるのはそれからでも遅くはない」


「できるなら2日」


「承った」



 少しの沈黙。

 トキは静かにクワニーの行動を見守っていた。

 ……見守るというよりは監視だが。


 今、この店にディマやハンズは居ない。

 トキ以外の客は皆無だった。

 話をするには丁度よい、真実を打ち明けるに程よい環境。


 ハンガーラックにあずけられた多数の服の中に、トキは自分と同じ制服を3着。

 見つけ、同時にクワニーは切り出した。



「さて…………

 何か言いたいことがあるのだろ?」


「俺の母を知っているのか?」



 クワニーは目を閉じ、少しして開く。


 直球で聞いたトキを再び見回す。

 それから、頷く。



「知っている」


「そして、あんたは母さんが死ぬ瞬間も居た……」


「ああ」



 クワニーにトキの感情が手に取るように感じ取れたのはその辺りからだった。


 いや……

 おそらく、今のトキなら誰でも感じ取れ、読み取れるだろう。


 それほどの殺気が漏れていた。



「そして、お前が死ぬ瞬間にも居合――」



 一瞬。

 ほんの一瞬だけクワニーの痛覚が訴える。

 パルスの流れ。

 伝達信号。

 その内容は、痛み。


 殴られたり、蹴られた時のような鈍い痛みでも、撃たれた時のような冷たさを感じるような痛みではない。

 だが、大抵の人間なら致命傷に違いはない。

 それは死の感覚に近く、とても冷たい。

 そんな痛み。



「トキ……

 ……俺を刺したところでお前の母は戻らない」



 紙袋に隠された凶器。

 どんな家庭にでも在る包丁。

 しかし、クワニーはその刺突を避けず、遮ろうとも、目を逸らそうともせずにトキの凶器を受け止めた。


 現色の刃は骨と骨の隙間を抜け、


 クワニーの筋肉を切り裂き、


 心臓に突き刺さり、


 背なの筋肉まで達していた。



「1つずつ誤解を解いていこう」



 そう。

 確実に心臓に達していた。


 突き刺さった刃の深さと、出血の量からトキは悟り、クワニーは体感していた。


 “確実に、死に至る致命傷”


 そのハズなのに……

 そのハズだが……


 クワニーにダメージは一切無かった。

 トキの頭は冷静さを取り戻し、恐怖を抱かずには居られなくなり、本能的に走り出す。逃げる。


 しかし、逃がさない。

 クワニーはトキの腕を掴み、力一杯引き寄せる。

 力に大きな差があり、トキにはどうする事も出来なかった。



「まず、私はお前の母の『死』こそ目の当たりにしたものの、私は彼女に何もしていない」


「放……!」


「落ち着け!

 いま、自分が何をしたのかわかってるのか!?」



 言い聞かせるクワニーをトキは睨み返した。

 ぶつかり合う視線と視線。


 そこに映るモノはそれぞれ違った。



「刺したのが私だったから良かったものを!

 少しは考えてみろ。

 お前がもし、何の力も無い『ただの人間』に同じことをしてしまったら……

 その後のお前の人生はどうなる?」


「何だよ……

 人を殺した奴が言う台詞かよ!」


「直接手を下していないと言ったハズだ。

 だが、だからといって筋違いだと言うつもりは無い。

 その証――その償いがコレだ」



 トキの腕を放し、両手を広げ、クワニーは伝えようとした。


 この状況。

 この空間。

 協会に於いて絶大な信頼を寄せられていた自分が何故協会を抜けたのか。

 有力ゆえの厚待遇を拒み、協会を抜け出したのは何故か。

 なぜ、自分がここにいるのか。



「うるさい……

 意味がわからない!

 どうして平気な顔して人を殺せるんだ!」



 しかし、トキは聞く耳を貸さず、全力で出口を目指した。



(致し方ない……)



 クワニーは左手をかざし、正確にその掌にトキを捉えた。



(浮かべ、罪たち)



 異変はトキがドアを開けようとした時に起こった。


 引く。

 ――開かない。


 慌てず、もう一度。

 ――だが開かない。


 体勢を整え、なるべくスピーディーに扉を横に押す。

 ――しかし開かない。


 全力を注ぎ、両手で扉を引く。

 ――それでも、扉は1ミリとて動かない。



「血気に逸るのも若いから仕方ないとしよう。

 しかし、何事にも限度がある」


「何をした……?」



 開かずの扉を背後に、トキは聞いた。

 普段ならありえない。

 重量が自分より軽いドアが開かないなど、ロックでもされていない限り有り得ない。



「罪を感じているなら詫びろ。

 ただし、私にじゃない。

 お前自身に、だ」


「何でだ!?

 罪を感じるべきはお前だろ!」



 カウンター越しにクワニーは言葉を続けた。



「理解しろ。

 まず、何に対して謝罪すべきか。

 そうすれば、それを理解できたのなら、その扉は開く」


「な……っ!」


「クロノセプターとは、一体何だ?」


「何っ!?」


「私は自分のSRを理解している。

 しかし、お前は自分のSRを理解していない。1割どころか、微塵も。

 その違いが表れただけの話」



 トキにはどうすることも出来ないことが起こっていた。

 クロノセプターを使う余裕が無い。


 精神的余裕は皆無に近く、

 肉体的に目の前の呪術師に勝てる気がしない。


 逆に、クワニーには充分すぎる余裕があった。

 だが、今トキに対してみせるものは余裕ではなく、確信された勝利への裏づけでもない。



「すまないと今でも思っている」


「――ふざけるな」



 心からの謝罪。

 待ち続けた瞬間。


 トキは右手に意識を傾けた。



(集中しろ……

 クロノセプターさえ使えれば――)



 だが、いくら意識を傾けようと、

 どれだけ集中しようがクロノセプターどころか、タイムリーダーさえ発動しなかった。



「彼女は、いい人間だった」


「黙れ!」



 SRの発動をあきらめ、走り出す。

 扉から離れ、再びトキはクワニーに仕掛けた。


 顔面を拳が捉える。

 カウンターを挟んでトキはもう一撃。

 力の限りクワニーの顔面に叩き込んだ。


 クワニーは微動だにせず、トキの拳を受け止めた。

 流れ出る鼻血を拭い、クワニーは続ける。



「私が非力だったばかりに……」



 再び迫る、つたない拳打。


 トキの手首を掴み、クワニーは一呼吸置く。

 再び捕まったトキはその握力に恐怖を覚えた。



「その力を本当の仇敵に叩き込め」


「それは誰だ!?

 トウコツか!?」



 クワニーは頷いた。


 それが、“元凶/源凶”


 駐車場の戦いで知った本当の敵。


 そして、クワニーの元、



「信じて欲しい。

 私は、相方だったトウコツを止めようとした」


「そん……っ、嘘だ……」



 元協会のクワニー。

 いまも協会に属するトウコツ。

 相方、パートナー。

 信じる要素が無く、また、心から信用できない。



「私とクワニーは、当時チームを組んでいた。

 が、それは私とトウコツだけに限った話じゃない。

 四凶のSR全員に監視役のSRがついたのだ。必ず……」


「何でアンタなんだよ……」


「それが、私にもわからない」



 クワニーも未だに謎とし、頭を悩ませている当時の組み合わせ。


 何故、四凶の中で最も戦闘能力に長けているトウコツの監視役に抜擢されたのか?


 あからさまな人選ミス。

 だが、任務で共闘する際には、これ以上無いと言ってもいいベストな組み合わせだったことは確か…………しかし、監視に関してはこれ以上ないというほどの難題であった。



「お前の母を討ったのはトウコツだ。

 しかし、だからといって私に責任が無いと言うつもりはない」


「2度も言うな。

 どうして止めなかった?」


「止められなかったのだ。

 私に有る力は、罪を背負った人間を操り動かすだけ」


「誰にだって罪はあるって……

 あんたそう言ってなかったか!?」


「だが、中には特別な者がいる。

 トウコツを含め、四凶は皆善悪の価値が他とは違うのだ」


「だから、止められなかったって言うのかよ!?」


「トキ。

 小さい球と大きい球。

 受け止めやすいのはどちらだ?

 触れやすいのはどちらだ?」



 クワニーの手のひらが見えない球を持つ。

 だが、そんなジェスチャーを見せられたところで、クワニーが何を言わんとしているのか、トキには皆目検討がつかなかった。


 だが、クワニーはいままで何度と無くこの話をしてきた。

 この説明が一番分かりやすいのだと、自分で分かっている故の説明。



「何のことだ?」


「例え、だ。

 私の呪術はその感覚に似ている。

 罪悪感が小さければ小さいほど、その者は掴み難く、つまり操り難い。

 人の中には様々な罪が在り、様々な性質を持っている。

 触れただけで支配できる罪。

 絡み取るように手繰らなければ支配できない罪。

 何度も掴み直さなくてはいけない罪。

 深く潜らなければ一切操作することの出来ない罪。

 この世には私もまだ知らない性質の罪がある。

 それほど罪の形、性質は人によって異なるのだ」



 トキはカウンター越しにクワニーと向かい合う。

 初めて聞くクワニーの呪術の仕掛け。

 それは、自分の罪を認識しているものほど操り易いということ。



「そして、トウコツを止めるに私では役不足だった……」


「アイツは一体何なんだ?

 罪を持たないのか?」


「奴は四凶の一つ。

 乱世を生み出す運命を背負い、才能を持って生まれてきたSR」


「四凶って……

 前にも聞いたが、全然意味がわからない。

 何だよ、四凶って?」


「理解できないのは当然のこと。

 ただの学生に理解できる話ではなく、また理解する必要の無い話だ。

 ……しかし、お前は知っておくべきだ。

 要約するなら、奴ら“四凶”はこの世の悪を担っている者達だ」


「悪を担う?

 どうして?」



 トキの視線が包丁に向く。

 すでにクワニーの体から抜かれた包丁は、その刀身を朱に染めて尚輝きを放っていた。

 その包丁の刃をクワニーは強く握り締め、カウンターに血の雫が滴る。



「トウコツは平和な世界を望まない。

 戦い続けることで奴は初めて存在する。

 平和の世界で奴は生きていけない。

 だが、お前の母を殺したトウコツは少しだけ、他のトウコツとは違っていた」


「他……だって?」


「最近、最後の1人になったと聞く。

 その前までトウコツというポジションには4人の者がいて、それぞれトウコツを名乗っていた。

 もちろん、トウコツ以外の四凶にもそれぞれ何人か居るらしい」



 トウコツの顔を脳裏に思い出しながらトキは耳を傾け続け、クワニーは放し続けた。



「四凶とは、この世に在りて特別に禍々しき者達。

 だが、アイツだけは更に特別だった」



 罪悪感を微塵も感じない。

 それは、どのトウコツにも共通していて、奴も例外なく罪悪感に恵まれていなかった。


 だからクワニーに止めることが出来なかった。

 クワニーの力は罪悪感につけ込む。

 罪を感じない相手はどうすることも出来ない。


 しかし、奴が他のトウコツと圧倒的に違っていたのは、罪こそ感じていないものの――誰かの為――間接的だが積極的に協会に『貢献』しようとしていた事にある。


 無益な殺生ではない。

 純粋に誰かのため。

 間接的に協会へ貢献しようとしていたのだ。


 当時、最も危険視されていたSR。

 それがトキの母親、色世 サツキ。

 協会のためにと、目をつけたのが彼女だったのである。

 トウコツが彼女を追い込んだ理由はそれだった。



「それが最悪の事態を招いてしまった。

 協会、無所属、小規模集団……異なる種族・傾向のバランスが一気に協会優勢の状態へと偏ってしまった。

 もちろん、原因はトウコツがお前の母を討ってしまったことだ」



 誰もが協会に逆らえないと悟った事件。

 多くの無所属や小規模集団を配下に加えるきっかけとなった、決定的出来事。


 世界最強と思われていたSRの撃破。



「偶然に偶然が重なり、彼女は死に至ってしまった」


「……トウコツ」



 頭の中でトウコツが黒く染まってゆく。

 憎悪、嫌悪……殺意。

 絶対に許せない存在へと昇華していく。


 数秒の沈黙をクワニーは破る。



「トキ、復讐は考えるな」


「なら、俺はどうすればいい?

 俺はアイツを……」


「まず、今のお前では奴と対峙した瞬間に徒死すること間違いない」


「とし?」


「その命を無駄にするな。

 機会を待て。

 お前では奴に触れることすら出来ない」


「でも、この前戦った時――」


「貴様1人の力ではない。

 どういった状況だったのか聞かせてもらっているが、お前はまだ非力もいいところだ。

 どう考えても、戦力外。今のお前では無駄死になる」



 トウコツを撃退できたのはトキ独りの力ではない。

 藍との協力あってこその結果だ。


 だから、決してトキの力とは言えない。



「だが、イマルを撃退した。

 それは立派な功績として数えられる」


「功績?

 あれは夢の世界だったから倒せた。

 藍もそう言っている。

 それに、俺はそんなものが欲しいんじゃない」


「トウコツを打ち破る力、か?」


「ああ。

 でも……

 実は、本当は戦うことが怖い」



 それでも眼だけは強気を装ってクワニーに添えていた。


 いくら自分が力を持っていようと、相手を打ち破らなければ戦いは終わらない。

 相手が退いてくれるならそれに越したことは無い。

 相手が戦いから降りてくれるなら命を奪い合うことは無い。


 が、死を覚悟で向かってくる相手に出遭ったらどうすればいい?


 どちらかが死ぬまで戦いは続き、どちらかが死んで初めて戦いは終わる。

 いつかそんな時が来るだろう。

 そう考えると怖くて仕方が無い。

 否が応でも戦わなければいけない――


 しかし、トウコツは違う。

 どうしても倒さなければいけない敵として認識してしまった以上、許す気はない。


 どんなに戦うことが怖くても、許すことが出来ない。



「トキ。

 私だって戦いは怖い」


「え?」


「戦いに怯えなかったことなど、唯の一度も無い。

 全ての戦いに怯えていた」



 それはトキにとって意外な話だった。

 夢にも思わなかった事実。

 初めて出遭った夜も、クワニーはまるで見下すかのような毅然とした態度でトキと対峙した。


 むしろ、怖いからこそ、絶対に乗り越えなければならないと自分に言い聞かすことが出来た。

 怯えているだけでは何もかも失ってしまう。

 死ぬ覚悟で向かい、決死で考え、後悔しないよう全力でもって挑む。



「どんな人間でも最低一度は恐怖に出遭う。

 怯えなかったこと無き人など在り得ない」



 目的のためには乗り越えるしかない。

 どんな困難に遭遇しようと、必ず生き延びねばならない。

 だから、全力で臨む。

 だから、死と隣り合ってでも戦えるのだ。


 それが、決死の覚悟。



「芹真たちは、いずれ協会の本部に乗り込む。

 その時、おそらくトウコツがお前の行く手を阻むだろう」


「どうして?」


「お前はトウコツの手を消したそうだな。

 奴はお前に再戦を申し出る。

 奴の性格を考えれば、充分ありうる話だ」


「再戦って、それは――

 元パートナーとしての忠告か?」


「出来る限りの情報を提供しようと思っている。

 奴に関してはな」



 2人の脳裏にトウコツの戦闘時の姿が浮かんだ。

 時には槍を使い、時には剣を振るう。そして引き金を引き、自らの肉体を的に相手を引き込む。



「おそらく、全SRの中でも最悪20人の中に数えられるであろう強者の1人だ」


「聞きたいんだが……

 母さんより、トウコツは強いのか?」



 クワニーにとって意外の質問だったが、それでもすぐに答えることは出来た。

 怒りを抱くと同時、トキはトウコツを正確に分析しようとしている。


 クワニーにはそれが妙に嬉しかった。

 初めて言葉を交わした時から少しずつだが、確実に変化している。


 そして――

 クワニーはその瞬間、絶対の確証を持って確信した。

 トキは、母親のSRを受け継いでいる、と。



「トウコツと彼女を比べるなら……」



 僅かに考え、クワニーは2つのものを挙げる。



「石ころとクリスタルほどの違いがある」



 今度はトキがその差に戸惑った。

 どっちがどっちなのかと口にしようとし――クワニーの説明――トウコツが石だと間髪入れずに言い放った。


 トウコツ=石

 過小評価ではないだろうか……?



「お前にもその素質はある」



 石ころの?


 半ばトキの頭は話に付いていけなくなっていた。

 トウコツですら石。

 自分の母親は何なんだ?



「お前は彼女の子だ」


「ちょっと待ってくれ。

 母さん……母さんのSRは何だったんだ?」


「…………」



 途端に黙り込むクワニー。

 トキはもう一度繰り返し、聞いた。

 だが、答えは返ってこない。



「実はな、私はまだ彼女のSRを信じきれていない」


「は?」



 信じていない。

 その言葉の意味がわからなかった。

 何が信じれないというのか、どういう意味で言っているのか。



「どんなSRなのかは聞いたことがある。

 しかし、いくらSRとてそんな力が発現し、存在するとはとても思えない」


「つまり、実際に見たことはないと?」



 しかし、そんなことを言いながらもクワニーはトキに対し、彼女と同じ雰囲気を感じていた。

 本能に訴えかける人と思えない、匂いたつ何か。


 その矛盾を噛みしめながらクワニーは説明を続けた。






 街中を駆け回る藍の頭に、クリーニング店のことが浮かんだ。

 共闘体制をとる小規模集団。

 自分たちと同じ、目的を持ったSRの集まり。



(まさか、殴りこみ?)



 白州唯高校襲撃以来、なんとなくトキの異変を感じていた藍。

 憤りを感じているわけでもなく、恐怖に拉がれたわけでもない。


 ただただ、虚ろだった。

 目的を見失った人間が持つ雰囲気とは少し違うが、似ているものがあった。



「全く!」



 交差点を抜け、人通りの疎らな商店街の片隅にその店を見つける。


 ホート・クリーニング店。

 ヴィラ・ホート・ディマ社長を始めとする元協会のSRたちによって運営されているクリーニング屋。

 聞いた話では、予想以上に評判がいい。

 安くて、確実。スピーディーなパーフェクトワーク。日限を守る依頼成功率100%を誇る新参名店。



(居た!)



 その中に藍はトキの後姿を見つけ――

 そんな後姿を見られているとは知らず、トキはクワニーの言葉を鸚鵡返ししていた。



「絶対審判?」


「“絶対神判”のSRだ」


「それが、母さんの?」


「多くの者はそう呼んでいる。

 協会にも属さず、フリーランスで世界中の犯罪を狩り続けた。

 その圧倒的戦力の前には、核ミサイルを持ってしても太刀打ちできないという話だ」



 驚愕せずにはいられない。


 核<母!


 改めて、トキは自分の母親に恐怖を抱いた。

 おぼろげに蘇った記憶の中で輝く母。

 優しい笑顔に、温かい言葉。


 しかし、その実力は核を上回るSR。



「あくまで“話”だ。

 実際目の当たりにしたことのない私に、それが確定事実と断言できない。

 それに、彼女のSRは絶対神判だけではないという話もある……」


「どうして母さんのSRが在り得ないっていうんだ?」


「少し考えてみろ。

 絶対神判。

 それは彼女が“絶対の真実”であるということなのだ」


「……わからない」


「お前が正義。俺が悪。

 私は警察。あなたは犯罪者。

 何が違って、どうズレていればそんな立場が生まれる?

 人間は様々、それぞれ多様な環境で育ってくる。

 ある人間は画家として育ち――

 ある人間は医者として育ち――

 ある人間は兵士として育てられ――

 また、

 ある人間は犯罪者になることしか、そんな過酷な選択肢しか残されていない環境で育つ」


「生まれが違う……ってことか?」


「しかし、彼女のSRの前ではそういった概念は一切通用しない。

 なぜなら、神がかり的な判定を下すのは、絶対に彼女だからだ」


「つまり――」


「優先されるは絶対神判。

 覆せないから絶対神判。

 足掻こうにもすでに下された判定だから絶対神判。

 彼女が右と言えば、左だろうが後だろうが右になり――

 自分の負けを受け入れなければ、彼女は勝者になり――

 気分ひとつで対峙する者をも、最初から存在しないモノに出来る」


「うわっ……」



 卑怯という言葉しか頭に浮かばなかった。


 つまりどんな我が儘合戦も、色世皐に軍配が上がってしまう。

 なぜなら、絶対神判。

 それが、絶対神判。

 勝者は常に彼女。

 その力がある限り、どんな環境、どんな敵と対峙しても、優先順位は常に自分が上になる。

 全ての我が儘を貫き通す力。


 相手が銃を持っていようと、ミサイルを所持していようと、人質を取っていようと……

 絶対優位が約束された色世皐の前では何の意味も成さない。

 それが、絶対神判。

 常に判定を下す絶対上位者。

 勝敗を意のままに決する絶対者。


 いかに自分の母親であろうと、それは度が過ぎる。



「私が信じない理由は――この世界は今、混沌に包まれているからだ。


 正義を謳う者達。

 反逆する者達。


 辛うじて、人類を保っている生物文明。

 人類が頂点に立って、地球がどれだけ痛んできたのかわかるであろう。

 自分達が生きていくためには自然を蹂躙して当たり前。

 そのようにしか思っていないのが人間だ。


 そんな人間が戦争を起こせばどうなる?


 地球の寿命が縮むだけだ。

 その為には少しでも争いの元を取り除かなければいけない」


「でも、さっきはそれが間違いだったって……

 トウコツが母さんを殺したから――」


「世界中でSRによる犯罪が増えた。

 だが、認めねばならないことはもう1つある。

 それは、お前の母は常に万人にとって正しいであろう道を追求していたこと。

 彼女自身が、万民の為の絶対平成の真理を求めていたこと」


「本当に平和を願っていた……」


「そう。

 そう考えると、絶対神判も考えられなくは無いが……」



 やはり、クワニーにも少し意地がある。

 彼女の絶対神判を容易に認めることは出来ない。


 一個人が、人類の枠を超えて絶対に最優先される存在になっていいものだろうか。

 そう考えると否定的な気持ちになってくるのだが、やはり認めるしかない現実もある。



「うん?」



 その時、店の扉が開き、2人の女性が姿を現した。


 うち一人の姿を見て、トキは心のどこかで安心し――

 また、もう一人の姿を見て戦慄を覚えた。



「藍……」


「おかえり、ディマ」



 カウンターを挟んで、2人の男の目が現れた2人の女性に向く。


 いつも通り穏やかな表情の魔法使い、ディマ。

 いつもなら見ることのない哭き鬼、藍。


 物凄い剣幕の藍にトキは一歩引こうとしてカウンターに踵をぶつける。



「トキ……どうして黙って出かけたの?」


「いやっ――!

 本当は一声かけようとしたんだけど……!」



 藍が迫る。


 恐っ!

 怖っ!


 つい頭を下げて謝りたくなってしまう。



「帰るわよ」


「え?

 いや、待て!

 まだ聞きたいことが……っ!」



 藍の肩にディマの手が置かれる。

 それでも藍の眼はクワニーに添えられていた。



「ねぇ、2人は今とても大事な話をしているらしいじゃない」


「ディマは黙ってて」


「黙るのはあなたよ、藍。

 トキのことを心配するなら、彼に質問をさせること」



 そんな2人を差し置き、トキはクワニーに聞く。

 最も気にかかった疑問。

 クワニーの答えによっては、今までのすべてが崩壊しかねない。

 学校も、友達も、家も家族も……



「トウコツは俺を殺したと言ってた。

 でも、俺は生きている」



 その質問をクワニーは――ディマや藍も――受け止めた。


 一度死して生きている。

 それが今のトキだった。



「俺を蘇らせたのは母さんか?

 それともクワニー、あんたか?」



 沈黙と静寂。

 クワニーは考えるように目を瞑り、背後の2人は口をつぐんで結果に耳を傾けた。



「……」



 トキと眼を合わせ、クワニーは答えた。



「私だ。

 お前を助けたのは」


「クワニー、それは――」



 言いかけた藍を遮り、ディマは沈黙を続ける。


 トキは何のリアクションも見せなかった。

 心のどこかでわかっていた。それが、予感から確信に変わったのだ。



「本来、その時点で私は犯罪者。

 私は自然の法則を破った。

 死せる人間を蘇らせたのだからな。

 しかし、それにも係わらず私は10年も協会で有能な駒として使われた」



 死者の蘇生行為は通常、死罪。

 軽くて追放、監禁、監視対象に照らされる罪である。



「あの時、私はお前でなく、お前の母親を蘇らせようとした。

 彼女の力を持ってすれば、お前の蘇生も容易かったろう」


「……どうして俺だったんだ?」


「遺言だ。

 彼女は最期の力を使ってあらゆるモノを残した。

 まず、言葉。

 私はその言葉に従い、彼女でなく、お前を蘇らせた」



 ディマは納得する。

 なぜ、トキの母がそんなことを言ったのか。


 彼女のメインSRは“絶対神判”

 『戦闘』ではこれ以上無いほど脅威だが、『回復』という点においては、ほぼ無能と言ってもあながち間違いではない。


 事の善悪を裁くのが彼女のSR。

 善悪を踏まえたうえで、全てを覆し、時に蹂躙する壮絶な力。

 ある意味では、完全否定。


 しかし、自分の息子、トキが死んでしまったことに『善悪』などない。


 死者には善も悪もなく、ただ骸として静かに在るだけ。

 善人を救い、悪人を滅する。

 しかし、善と悪の区別がつかない子供に、その力が働くことは無い。

 自分の死を『悪』だと……親不孝だと考えることも出来るはずも無く、また、自分の人生が終わることに正義を見出すことも無い。ただ只管ひたすら毎日を、本能のままに生きる子供に対し、絶対神判の力が及ぶことはない。



(彼女は、トキを救う術を持ち合わせていなかった)



 外敵を排除するだけの力はあるが、傷ついた者を救う能は無い。

 なぜなら、神判こそ彼女の力。

 裁かれて治る傷などない。

 体にも。

 心にも。


 まして、死人。

 善悪、老若男女、時間、意思。


 全て――喜怒哀楽、痛み、感情と感覚――から解放された、ただの肉塊。



「だから、私は全力でお前を蘇らせた。

 すまないと思ったが、協会の規則に則り、事故当時の記憶も封印させてもらった」



 それが、10年前の真実。

 母親との死別。

 初めてSRの世界に触れていた日。



「どうやってトキを?」



 不意に藍は疑問を抱いた。

 クワニーのSRはあくまで呪術師。

 それも、罪悪感を取り扱ったもの。


 どんな使い方をすれば、死者を蘇らすことができるのか。



「罪を使った。

 私が感じてきた罪悪感に、私の寿命の約20年分を加え、トキに送った」


「なっ――!」


(……やはり)


「そんな使い方……」


「しかし、それだけでは足りない。

 だから、半径3000km以内のすべての人間から――

 1分ずつ、罪に乗せて寿命を貰った」



 その話は、3人を必要以上に驚かせた。

 クワニーの話の内容がどれだけ罪深いことなのか。


 他人から時間を貰って生き返った自分は、本当に生きているべきなのか……

 生きていていいのか……

 トキは罪を感じずにはいられなかった。

 クワニーの20年と他大勢の人間の1分ずつを貰って生きている自分。



「お前にはやるべきことがある。

 メイトスを倒す。

 それが出来るのはお前だけなんだ」


「何回か聞いているけど、今の俺じゃ……」


「そうだ。

 切磋琢磨しろ。

 微力ながら、助力の限りを尽くそうとは思っている」



 そこでトキは思い出し、もう1つ。

 最後の質問をぶつける。



「なぁ、夢の中でイマルを倒せって言ったのも、クワニーだよな?」


「そうだが」



 何度かうなずき、トキは頭を下げた。



「ありがとう。

 それと……ゴメン」


「感謝している場合ではなく、

 謝罪している暇などお前には無い。

 最初に言っただろ?

 私に謝るのではなく、自分自身に謝罪すべきだ。

 弱くてスミマセン、とでもなんとでも」



 クワニーの眼が藍に向く。

 2人の視線がぶつかり合うのを感じ取り、ディマはため息をついた。



(どうしてこの2人は解かり合おうとしないのかしら……)



 藍はトキを引っ張り、共に店を出ていった。

 2人が出て行くのを見計らい、クワニーは言う。



「トキの本当のSRはタイムリーダーではない」


「あの子たちだけで気付くかしら?」


「2人揃って自分の本当の力を知らないのだから面白い……」


「ホント――

 でも、気付くことができれば、私たちを超えるかもしれないわね」



 ディマは軽く笑い、クワニーも笑う。

 これからが楽しみだ。


 おそらく、今後トキや藍のようなSRが世界のドコかに現れることは無いだろう。


 そんな化け物じみたSRが手の届く場所にいて、日常的に会話できる関係にある。

 幸運だ。

 一生涯で、あれほど稀代のSRに出会えることはそうそう無い。



「私はすでに超えられている」



 2人が笑う中、入れ替わるように顔にアザ作ったハンズが帰ってきた。






 トキと藍が事務所に帰ってきたのは6時を少し過ぎた頃だった。


 ボルトが元気良く2人を出迎え、芹真の淹れたコーヒーをテーブルの片隅に、メイドinパイロンの料理を頂く。

 いつも通り――

 芹真さんはテレビを見ながら。

 ボルトはテレビなど眼中に無く、ひたすら料理を貪り、

 藍は行儀良く租借していった。

 そんないつも通りの風景に溶け込み、トキも夕食を腹に収めていく。






 大体の疑問は解決した。

 母の死。

 父の獄中生活の理由も、母の死で納得できる。

 トウコツの言葉。


 少し後悔している事といえば、母の墓がどこにあるのか聞いていなかったこと。

 また後で聞くことのしよう。


 夕食を終え、トキは芹真に帰宅することを告げた。

 薄暗い街を抜け、住宅街へ。 


 帰宅してすぐ、トキはベッドに身を預け、深い眠りについた。


 当分学校は無いんだ。

 予習と復習をちゃんとやらなきゃ、単位がやばいけど……


 頭の中で明日の予定を組み上げていく。

 いつも通り朝食を自分で作る。


 食べ終わったら食器を片付け、次に家全体を掃除。

 ベッドを直したら洗濯だ。


 それから不足している食材を買いに行こう。

 ついでにゲームの新作でも……って、それはダメだ。引きこもりがちになってしまう。



(――……あっ)



 そういや、智明チアキたちがDVD返しに来るとか言っていたな。

 完全に忘れてた――……

 けど、大丈夫か。


 下手に外出しなければいいんだ。


 心なしか、いつもより気持ちよく眠れそうだ。


 よし。

 もう、今日は寝よう。







 1st real:

 『Second Real/Virtual』


 NEXT...


 1.5th real:

 『Second Real/Virtual NexTrial』






 人がどう思おうと、過去と現在と未来を定義した瞬間――


 望もうが望まなかろうが、明日は来てしまう。

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