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保健室

―――――「・・・好きです・・・付き合って下さい・・・」



ハッと夢から目が覚める。夢の中でまた同じ人から同じ言葉をかけられていた。その人の顔は見えなかったけど、カーテンが風によって揺れていて春の暖かい日差しが音楽室を暖かくしていた。


さっき起きた現実と今見た夢は全く同じ。漂う雰囲気さえも。





「心音ー大丈夫?」

いつの間にか6時間目は終わっていたらしく、桃香が尋ねてきた。


「うん。大丈夫だよ?」


「えーー嘘ついてるでしょ。」


「何が?」


「6時間目、長谷川くんの様子おかしかったし、心音がココにいることを長谷川くんは知っていたわけで・・・やっぱ何かあったでしょ?」


騙しとおせない。桃香は真面目な、いや、少し怒った顔をしていたからだ。


もし、騙しとおしても自分ひとりじゃ何も出来ないから、いつかきっと桃香に言うだろう。

そう思って私は口を開いた。


「・・・音楽室に教科書、取りに行ったじゃん?それで帰ろうとしたら長谷川くんがいて・・・」


「で??・・・もしかして」


「うん。好きですって言われた。」


「ええー。本当に!?でも、長谷川くんもそんなに風に心音のこと想ってたなんて・・・」


さっきまで少し怒った顔をしていた桃香はニヤニヤしている。


「で、返事したの?私も好きですって。」


「はあ!?何言ってるの?そんなこと言えるわけないでしょ!」

私は顔が真っ赤になって熱が上がっているのに気づいた。それに気づいたのは私だけではなかった。


「心音ー顔、真っ赤だよ!可愛いー。・・・じゃあ、なんて言ったの?」


「・・・ごめんって言って逃げちゃった。・・・こんなこと初めてでなんて返せばいいか分らなくてパ二くっちゃて・・・」


「そっか・・・」

桃香の顔はニヤニヤから少し怒った真面目の顔に戻っていた。

「長谷川くんにもう1度話してみる?ていうか、長谷川くんのことどう思ってるの?」



えっ?そういえば長谷川くんのことどう思っているかなんて考えていなかった。


「友だち?だよ。」


「男の子として好きっていうのは?」


「・・・・・・分んない。」


「でも、もう1度長谷川くんと話すん・・・だよ?」


「分かった。」私は小さく頷いた。






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