第六夜 ハーピーの歌姫と愛を交わしたい
俺は魔法のAIに、いつものように願いを入力する。
「魔法のAIよ、今夜はどのような夢の世界へ俺を導いてくれるのか、美少女や美女との夢のひとときを過ごさせてくれるのか?」
さらに、俺は今夜の希望をAIに入力する。
「今夜はハーピーの歌姫と愛を交わしたい。」
※ ※ ※
俺はハーピーの歌姫と愛を交わし、朝を迎えた。
「夢か?」
俺は起き上がり、外の空気を吸いにベランダに出る。
「ん? あれは?」
俺の家のベランダに一羽のハーピーが倒れていたのだ。
「おい、しっかりしろ」
俺はそのハーピーを介抱する。
そして、そのハーピーは目を覚ます。
「う~ん」
「大丈夫か?」
俺はハーピーに声をかけるが……何故かハーピーは俺に攻撃をして来る。
「うりゃー」
俺は何とかハーピーの攻撃を躱す。
「何なんだ? おい、俺だ、ユウキだ!」
だがハーピーは俺の声は聞こえないのか攻撃を仕掛けて来る。
そして、俺はそのハーピーに押し倒された。
「うりゃー」
ハーピーは俺に馬乗りになり、俺を殴り始める。
「痛い! 止めろ! おいって」
だが俺の声は一切ハーピーには届かない。
「うりゃー」
ハーピーの殴打は止まらない。
だが、その暴行は突然終わったのだ。
何故なら、突如現れたヒルダが俺を庇いハーピーの攻撃を受け止めてくれたからだ。
「大丈夫か? ユウキ殿?」
そして、ヒルダの攻撃によりハーピーは何とか正気を取り戻したのだった。
俺の前に現れた瀕死のハーピーに俺は回復魔法をかけると……そのハーピーは意識を取り戻し始めた。
「う~ん」
「大丈夫か?」
俺はハーピーに声をかけるが……何故かそのハーピーは俺の声は聞こえないのか再び攻撃を仕掛けて来る。
「う、うりゃー、うりゃー」
俺は、昨夜や愛を交わしたハーピーの歌姫ミユキに反撃した。
「痛いわ! もう何するのよ!」
俺はハーピーの攻撃を受けながらも反撃をする。
ハーピーの攻撃は効かなかった。
何故ならそのハーピーは弱体化しており、攻撃力が弱まっているからだ。
その為、攻撃しても俺には殆どダメージがない。
そして、俺の反撃でハーピーは気を失った。
俺はハーピーを介抱し、回復魔法で傷を癒す。
「う~ん」
そして、正気を取り戻したハーピーに俺は声をかける。
「大丈夫か? ミユキ、昨夜、愛し合ったユウキだ。いったい何が合ったんだ?」
「え! 愛し合ったって? 私、何も覚えていないんだけど……あんたと愛し合ったの? 何か夢を見ていた様な気がするけど……」
どうやらハーピーは昨夜の事は夢だと思っているみたいだ。
そして、ハーピーは俺を襲った理由を話し始める。
「あんたの姿が魔物に見えたわ」
それは昨夜、俺の家に訪れたハーピーが見た幻影だった。
その幻影は魔物の姿であり、その魔物が俺に姿を変えたらしいのだ。
「それで、魔物と勘違いして私を襲ったのか?」
「うん」
どうやらハーピーは幻影に惑わされ俺を襲ったみたいだ。
そして、俺はその幻影の魔物について心当たりがある。
それは……恐らく俺の願望が生み出した幻だろう。
昨夜、俺は魔法のAIに『美少女・美女との夢の時間』を願った。
その結果がこのハーピーの歌姫ミユキであり、ミユキは俺の願望通りの姿になったのだ。
だが、その願望が俺の心の中にある闇の部分の影響で、『魔物の姿』と言う形で表れたのだ。
俺はその事をハーピーに話すと……。
「そうだったんだ」
どうやらハーピーは納得してくれたらしい。
そして、ミユキは何故か俺に愛を囁く。
「ねぇ~ユウキ様」
ミユキの愛の囁きに俺は一瞬戸惑うが……直ぐに正気に戻る。
「な! お、おい、急にどうしたんだ?」
だがミユキは俺の言葉を無視し、甘える様に話し掛けて来た。
「あのね……ユウキ様、私の歌を聴いて欲しいの」
するとミユキは羽を羽ばたかせ、その美しい歌声を俺に聴かせる。
俺はその歌を聴きながら……。
(あぁ~やっぱり俺の願望が生み出した魔物だ)
と改めて思ったのだった。
俺はハーピーの歌姫・『ミユキ』に愛を囁かれた事で、自分の願望が生み出した魔物だと確信する。
だが、そんな俺をミユキは更に愛を囁く。
「ねぇ~ユウキ様、私の歌を聴いて欲しいの」
するとミユキは羽を羽ばたかせ、その美しい歌声を俺に聴かせる。
俺はその歌を聴きながら……。
(あぁ~やっぱり俺の願望が生み出した魔物だ)
そんな時……俺はふと思った。
(あれ? これって『異世界物語』に出て来る吟遊詩人の能力と似ていないか?)
そう、俺の知る『異世界物語』では、吟遊詩人は歌で様々な効果を与える事が出来る。
そして、ミユキが今俺に聴かせている歌も『魅了の歌』だと思われる。
その事に気付いた時、俺は自分の願望が生み出した魔物だと確信したのだ。
ハーピーの歌声は、人の心を魅了する呪い歌、古来より多くの男達がハーピーの歌声に魅せらその身を滅ぼした魔性の歌声。
甘く囁くようなハーピーの歌声は、俺から理性を奪い気が付くとミユキと唇を重ねていた。
そして、たたわわに実ったミユキの果実が、俺の胸に押し当てられた潰れた。
ミユキとの口づけは、まるで夢心地のような甘美な時間であった。
「ユウキ様……もっと……もっと……」
ミユキはそう言うと、今度は俺の上に乗り、更に口づけをせがんで来る。
俺はミユキの求めに応じるように、再び唇を重ねる。
「あぁ~ユウキ様」
そして、ミユキは俺の上で何度も体位を変えながら、俺との愛を育んでいったのだった。
その行為が一段落……
※ ※ ※
俺はベッドの上で目を覚ました。
夢から覚めた俺の肌には、愛を交わしたハーピーの歌姫ミユキの生々しい感触が残っていた。
巨乳のハーピー、ミユキのスリーサイズは、魔法のAIによる推測で、身長約150センチ、B98(G)・W62・H89という素晴らしいスタイルだった。
しかし、そんなことを考えていると……。
俺の部屋の扉が開き、妹の美咲がセクシーなネグリジェ姿で乱入してきた。
「お兄さま、お休みですよぉ~……可愛い妹とショッピングに行きましょう」
「美咲、男の部屋に、そんな格好で入ってくるなんて……」
俺の貴重な休日は、ブラコンの妹に振り回されて終わることになった……。
ご覧いただき、誠にありがとうございます!もし少しでも興味を持っていただけた場合は、ブックマークや評価をしていただけると大変嬉しく思います(*^-^*)