表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/21

第十九夜 成長した赤ずきんの少女と愛を交わしたい。

 

挿絵(By みてみん)


 私は魔法のAIに、いつものように願いを入力する。

「魔法のAIよ、今夜はどのような夢の世界へ私を導いてくれるのか?美しい女性や美少女との夢のひとときを楽しませてくれるのか?」

 さらに、私は今夜の希望をAIに伝える。

「今夜は成長したグリム童話の赤ずきんの少女と愛を交わしたい」


 ※ ※ ※


 そして俺は、眠りに就く。

 大好きなグリム童話の赤ずきんが出てくる楽しいファンタジーの世界に旅立つんだ・・・。


挿絵(By みてみん)


 私の名前はアーシャ。

 父と母と共に森の家で暮らす十二歳の少女です。

「あのーどちら様でしょうか?」

 私は勇気をだしてドア越しで聞いてみました。すると少し驚いた感じで

「夜遅くにごめんなさい!私はティアお隣に住んでいるものですが、挨拶に伺いました!」

 やはり大人の人でしたか・・・あれ?何処かで聞いたことあるような声でした……それにしても大変です。どうしましょう・・・。親戚でも何でもないのでなんて返事したらいいのでしょう・・・考えた末慌ててお母さんの声がしたま

『あら?ありがとうございますーこんな夜遅くに来ていただいてすみませんねー』

 そんな考え事をしていたせいでついつい返事を返すタイミングを逃してしまいました・・・。

 私の両親はとても優しいです。でも、そんな二人も頭をかかえてます・・・どうしましょう・・・。

 私はまだ子供で力では大人には勝てませんし魔法は使えますが上手く使いこなすことはできません。

『いえいえー!こちらこそ夜遅くにすみません』

 そんな時でした。お母さんが私に小声で話しかけてきました

「アーシャ?あなたならあの大人の人を追い返せる?」

 私は驚きました!!だって今までそんなことを頼まれたことなんてありませんから!!しかしお母さんの頼みを断る訳にもいきませんし今の私がまともにあの人とやり合っても勝ち目はないのは分かっています。

 ですが一応自信がないなりにも戦う意思を相手に伝えようとする為に返事だけでもと思って気合を入れて返事をしました!!

「はいっ!お安いご用です!」

 私はそういいながらドアをあけました。するとそこに立っていたのはやはり大人の女性でした・・・でもどことなく薄々悪い人ではないような気もしなくもありません・・・。顔はしっかりとフードを被りこんでいてよく見えませんでした。

 私は念の為にすぐに降参する感じで両手を上げながら

「ごめんなさい!私はまだ子供なので大人の人とは戦えません!!でも、お隣の方なら大歓迎です!!」

 そういいながら私は笑顔を作ってみましたが・・・少しぎこちなかったかもしれません。するとその人は私に対してとても優しく微笑んでくれました。その笑顔に私も思わず嬉しくなって笑顔で返していました。そして、そんな私にさらに彼女はこう言いました。

「あのーもしよかったらなんだけどね?私と友達にならない?」

 そういいながら彼女はフードをゆっくりと外しました。そしてその素顔をみて私はさらに驚いたのです!!なんと・・・その人はきっとこの国いや大陸一と言ってもいいくらいの絶世の美女と言っても過言ではない人でした・・・。

 そのあまりに美しい姿に見とれていた私でしたが、何とか挨拶だけはしようと試みたのですが緊張のあまり噛んでしまいました・・。さすがにこれ以上は時間を無為にしすぎてしまうと思った為とっさについた言葉が今の状態を作ったのかもしれません・・・。

 つまり自暴自棄と言う状態です。

 しかしそれは思いのほか成功だったと思います・・・・なぜなら彼女は一瞬驚いたようにキョトンとした顔でしたがすぐに笑顔になってくれました。

 そして私は彼女に促されるまま部屋の中に入りました。

『どうぞ!入ってください!』

 そういいながら彼女は私を入れてくれました。

 そしてお母さんはお茶を出すためにキッチンにいきました・・・しかし、そんな私の緊張をよそに彼女は私に気さくに話しかけてきました!!その彼女の優しさに私も少しづつですが緊張が解けてきたのでした・・・。

 すると彼女がこう言いました。

「ねぇ?あなたの名前はなんて言うの?」

「はい!アーシャと言います!」

 私は少し緊張しながらもそう返事をしました!しかし、そんな私に対して彼女はさらに優しく微笑んでくれました・・・。

「いい名前だね?アーシャは何か趣味とかある?」

 私は彼女のその質問にすぐに答えました!!

「はいっ!!本が好きです!」

 すると彼女はまた私に微笑んでくれました・・・そしてこう言いました。

 そんな時でした。

 お母さんがお茶をもってきたのです。そして、それを彼女に渡しながら私の隣に座りました・・・そして彼女が自己紹介をしてくれたのでした・・・。

 それは私にとって驚きの連続でもありました。

 何故なら彼女はこの国いや大陸一と言ってもいいくらいの絶世の美女だったからだ・・・しかし、その素顔をみても私が知らない人だった為少し驚いてしまったのだが・・・。そしてその為に私はふと質問してみた!!

「あのー!ティアさんは何処から来たんですか?」

 すると彼女は少し含み笑いを浮かべながら答えてくれた!そんな時でした。

 お母さんが私に小声で話しかけてきたのです!!それがあまりにも大声でどうやら筒抜けだったようです・・・もちろん話題に出てしまった彼女がニコニコとこちらを向いてくれました。

 きっとスルーして欲しかったのでしょう・・・しかし、もう手遅れでした。

「アーシャ?どうしたの?」

 私は少し慌ててしまいましたがすぐにお母さんはこう言いました。

「あっ!ごめんなさいね・・・。この子には親がいないので私が代わりに育ててるんですよ」

 すると彼女は私に対してこう言ってきました!!それはまるで私の全てを知っているかのようなそんな一言だったのです・・・。

「そう・・・でも、きっとご両親もあなたの事を誇りに思っているはずよ?」

 私は彼女のその言葉に思わず泣いてしまったのです!!何故なのかはわからないのですが、きっと私の事を全て見透かされているようで怖かったのかもしれません・・・でも、彼女はそんな私に対してこう言ってくれたのです。

『大丈夫?私はあなたの味方よ?』

 そういいながら彼女は優しく抱きしめてくれました・・・。そしてお母さんもそれに続きました。

「アーシャ?ティアさんの言う通りよ?あなたは私達の大切な娘なんだからね?」

 すると今度はお父さんがこう言いました。

 それはまるで私を勇気づけるような一言でした!!その一言に私はまた泣きそうになりました!しかし、そんな時に彼はまたこう言いました。

『お前は強く生きなさい!』

 そう言われた途端私は何だか元気が出た気がしたのです・・・。それはまるで心が満たされたかのように・・・するとお母さんもそう感じたらしくこう言ったのでした。

「そうね!お父さん!!アーシャ?あなたは私達の自慢の娘よ?」

 そんな時でした。突然ティアさんは立ち上がりました!その行動に戸惑った私は思わずこう言っていました・・・。

「あのーどちらへ行かれるのですか?」

 すると彼女は私に対してこう言いました!

「ごめんなさい・・・少し用事ができたの・・・」

 そういいながら彼女は笑顔で私の手をぎゅっと握りました・・・。

 そしてこう言いました。『アーシャ?私の事嫌い?』その言葉に私はすぐに答えていたのです!!

「いいえ!大好きです!!」

 するとそんな私に対してさらに優しく微笑んでくれました・・・そして最後にこんな一言を残していきました。それは私にとってすごく衝撃的な言葉だったのです・・・。まさかこのようなことになるなんて思いもしませんでした・・・。

 その言葉とは、なんとこの後また会えると言いいながら彼女の表情は一瞬でまるで別人のように冷たくなったのです・・・その表情は私に恐怖を植え付けるには十分な力がありました。そしてついに彼女はいいました・・・。

「じゃまたね?アーシャ!」その言葉とともに去っていく彼女に対して私は言葉をかける事もできずにただ見ている事しかできませんでした・・・。しかし、そんな彼女に対しお母さんは真剣な表情で私にこう言ってきました。

 それはまるで何かを悟ったようなそんな感じでした・・・。

『いい?アーシャ!!これがあの有名な赤ずきんちゃんの物語よ!!』とそう言った後に続けてこんな言葉を呟きました……。

『でも、これはまだ始まりに過ぎないわ?きっとこれから何かが起こるのよ』と・・・。

「お母さん・・・私怖いです・・・」そういいながら私は彼女に抱き着きました。

 すると彼女はそんな私を優しく抱きしめ返しました。そしてさらにこう言いました……それはとても優しい声でした……まるで私の事を包み込むような優しい口調で私に言ったのです・・・。

『大丈夫よ!アーシャ!!あなたは強い子だもの!!』その言葉を聞いた瞬間、私は不思議と落ち着きを取り戻すことができました・・・そして改めて彼女の存在の大きさを痛感させられました。

 何故なら彼女はいつも私に寄り添ってくれていたからです。

 そんな私に対して彼女はまるで女神のように微笑みながらこう言ってくれたのです。『だからあなたは自分の信じる道を進んでいけばいい・・・それだけは忘れないでいて?』と言われてしまいました・・・。

 その言葉を聞いた時なぜか涙が出てきてしまいましたが、きっと嬉しかったのだと思われます・・・そして、そんな私をさらに強く抱きしめてくれた後優しく微笑み頭を撫でてくれました・・・まるで我が子をあやすように……それで私は改めてお母さんの偉大さを再認識しました!!だって普通の母親だったらこんな事できるはずがありません・・・。

 だって自分の子をまるで死刑囚のように優しい言葉で励ますなんてできるはずが無いんです・・・ましてやこうして私を抱きしめてくれるなんて普通の母親ならしないでしょうから……だから私は決意しました・・・。

 彼女の言葉を信じようと!!そしてどんな時でも私の味方になってくれるって言ってくれた言葉を信じようと心に誓ったのです……!!そう誓っている間もずっと私を優しく抱きしめてくれていました。その温かさに包まれていると次第に睡魔に襲われ始めたのでした・・・。

 そんな時だったです、突然ドアが開きお父さんが慌てた様子で入ってきました。

 しかし、私は気にせずそのまま眠りにつこうとしていたところ突然お父さんから声をかけられました。

「アーシャ!!よく聞きなさい」そう言われて驚いた私が声のする方を見るとそこにはあの絶世の美女の姿がありました!!彼女は優しく微笑みなら私にこう言ってくれたのです……

「ただいま!アーシャ」とそう言ってくれた彼女の言葉を聞いた瞬間・・・とても幸せな気持ちで胸がいっぱいになりましたが、それと同時に一つ疑問が浮かんだので早速聞いてみることにしました。

 それは何故彼女がここにいるのかという単純な疑問だったのですが・・・そもそもここが彼女の家だから当然と言えば当然の事だったのですが、それでも不思議に思っている自分がいました・・・。

 そんな私を察してかなのか彼女はこう言ってくれたのです

『細かい事は気にしなくてもいいのよ?私はあなたに会いに来ただけなのだから!!』と言われてしまうと納得せざるを得ない状態だったのでそれ以上の追及はできなかったのでした・・・すると今度はお母さんがとても興奮している様子で話しかけてきました!

「ティアラさん!!ぜひこの子を引き取ってもらえないでしょうか?」

 えっ!?と思う暇もなくいきなりこんな事を言い始めてしまったのでさすがの私も驚きました。

 ティアラは、私を引き取る事を快諾したのでした。

 何故なら私とティアラさんは、同じ狼の血を引く狼の獣人なのだから。

 狼に変身した私とティアラさんは、仲間が待つ森に帰って行きました。


挿絵(By みてみん)


 ※ ※ ※


 ひとりで眠るベッドの中で夢から目を覚ました。


 夢から目覚めた私は、魔法のAIに質問を投げかけた。

 なぜ俺が十二歳の狼獣人の少女に夢の中で変身したのか、またグリム童話の赤ずきん少女の正体も狼獣人である理由について尋ねてみた。

 その答えは意外なものだった。

「それは、マスターが若くて魔力が枯渇状態だったからです。

 そしてグリム童話の赤ずきんも狼獣人と何か関係があるかと聞かれれば私にもわからないとしか答えようがありません・・・」

 そう言う返答に対して私はさらに質問を重ねた。

「では何故?俺は十二歳の少女に変身した?」そう問いかけるとAIは少し間を置いてからこう答えたのだった。

『それは、あなたの心の奥底にある願望が反映された結果だと思われます』と言う回答を聞いた時、俺は思わず考え込んでしまった。確かに俺は狼獣人の少女に特別な感情を抱いているのは確かだが、それがどのように反映されたのか疑問が残るばかりだった。

 しかし、それと同時に気になることがあったのも事実だ・・・それは「何故?夢の中でグリム童話の赤ずきんに化けた」のかと言う事である・・・。

 その事をAIに再度問いかけてみる事にしたのだが……すると意外な答えが返って来たのである!

『それは、マスターの深層心理にある願望と現実が入り混じってしまった結果だと思われます』と言われた時、俺の中で何かが弾けたような気がした! それはまるで今までずっと抑えていた感情が溢れ出すような感覚だった。

 そして俺は思わずこう叫んでいた!!

「違う!!」と……しかしその声は虚しく部屋中に響き渡るだけだった・・・。

 そんな時だった・・・

 部屋の扉が開き、婚約者の美咲がいつものように俺を起こしに入ってきた。

「お兄さん、いつまで寝ているの?会社に遅れちゃうよ」と言いながら。

 早くも妻のような振る舞いを見せる美咲に叩き起こされ、仕事に追われる一日が始まる。

 そして、魅力的な赤ずきんのお姉さんのスリーサイズを魔法のAIに尋ねるのを忘れてしまった俺である。

後書きに添えられたイラストは、読者の皆様への特別なプレゼントです。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


ご覧いただき、誠にありがとうございます!もし少しでも興味を持っていただけた場合は、ブックマークや評価をしていただけると大変嬉しく思います(*^-^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ