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第十七夜 洞窟の女王アッシャと愛を交わしたい

 

挿絵(By みてみん)


 俺は魔法のAIに、いつものように願いを伝える。

「魔法のAIよ、今夜はどのような夢の世界へ俺を導いてくれるのか、美少女や美女との素晴らしい夢のひとときを与えてくれるのか?」

 さらに、今夜の希望をAIに伝える。

 今夜は洞窟の女王アッシャと愛を交わすことを願って、願いを込めて入力する


 ※ ※ ※


「ん、ここは?」

 俺が目を覚ますと、そこは洞窟の中だった。

「俺は夢を見ているのか」

 周囲を見回すと、洞窟の壁には様々な壁画が描かれていた。

「これは……ドラゴン? それとも悪魔か?」

 そんな壁画をしばらく眺めていると……。

「ようこそおいでくださいました……」

 そんな声とともに、美しい女性が俺の目の前に現れたのだった。

 その女性には角や尻尾が生えていたけど、それがまた神秘的で魅力的だったし、服も薄着だったので胸の膨らみがハッキリとわかる。

「あなたがアッシャ?」

 そんな俺の問いかけに、彼女は笑顔で答えてくれた。

「ええ、私がこのダンジョンの主人である女王アッシャです」

「俺は……」

 そんな俺の言葉を遮るように、彼女が話を続けた。

「あなたのお名前は存じ上げております……ケン様ですね?」

「な? なんで俺の名前を知っているんだ?」

 おどろき尋ねる俺に対して……彼女は優しい笑顔のまま答えたのだった。

「それはもちろん、私は魔物の女王ですから」

「魔物の女王だって? 君が?」

 洞窟の奥から現れた美女に名前を呼ばれ、俺はそんな問いかけを返す。

 目の前にいるのは俺が求める以上の美少女で、その体は間違いなく女そのものだった。

 そんな彼女は笑顔で答える。

「はい……あなたは私の命の恩人ですものね!」

 ああ、それって以前夢で見た不思議な女神様のことだろうか? おぼろげだけど確かにあの夢では彼女が『魔物の女王』と呼ばれていた気がするし……。

 いや待てよ? あの女神様は確かダンジョンと鏡の女神だと言っていたよな……。

 そう考えると、目の前の魔物女王の肩書きはあまりにもしっくり来るような気がする。

 そんな俺の心を見透かしたかのように彼女が告げる。

「私にはウソやごまかしは一切効きませんよ……あなたはまだ記憶がはっきりしないでしょうけど」

 確かに事実であった夢の話だったこともあって、俺は素直に彼女に返事をすることにしたのだった。

「ああ……」

 そんな俺に対して、彼女は優しい笑顔のままで話し続けたのである。

「私は200年近く前に冒険者によって倒されたので人の記憶には残りませんが、その時の光景は今でも覚えています」

「200年前に倒されただって? じゃあ君は本当に魔物の女王なのか?」

 そんな俺の問いかけに彼女は笑顔で答えた。

「はい……でも今はこのダンジョンの主人であるアッシャというただの女です」

 そんなアッシャの言葉に俺は疑問をぶつけたのだった。

「その200年前の戦いで、君は冒険者によって倒されたはずだよな?」

 しかし彼女は笑顔のままで答える。

『私は倒されましたが、魂は不滅なのです』

「魂は不滅って……それは悪霊的な存在って言う意味か?」

 そんな俺の問いかけに彼女はこう答える。

『いいえ違いますよ、そもそも私は自ら望んでこのダンジョンに追放された人間ですもの』

 それを聞いた俺はまたもや驚くこととなった。

 まさかダンジョンと鏡の女神様の導きでこの洞窟へとやって来たときには既に先客がいて、それがよりにもよって人間だったなんて誰が想像するだろうか? おどろきのあまりに黙り込んだ俺のしぐさをスルーして彼女が話を続ける。

「私は自ら望んで冒険者たちを誘い込み、このダンジョンで罪もない人間の命を奪い続けました」

 そんな恐ろしい話をアッシャが笑顔で語ると、どこからともなく聞こえて来た声……それは聞き覚えがあった。

「それが私の使命でしたからね……」

 その声が聞こえた方向を見ると、そこに立っていたのは夢の女神だった。

『ケンさんこんばんは!』

 おぼろげながらに覚えている夢の中で聞いたあの声だった。

 そしておぼろげながらに思い出す……俺が今見ている光景が夢の中の出来事であったことを。

『夢の女神様……あなたはこのダンジョンの主人であるアッシャと知り合いなのですか?』

 そんな俺の質問に対して、女神様はアッシャをチラッと見ながらこう答えたのだった。

「はい、私は200年前にこの魔物の女王に殺された人間です」

 おぼろげながらもおぼろげな記憶で俺は思い出す……そう確かに夢で見たあの光景は彼女の話そのものだったことに。

 夢でみたあの光景は、彼女の話そのものだった。

 そんなアッシャが俺に言う。

「私の名は『アシャ・アルスラーナ』……このダンジョンの主人である女王です」

 そして彼女はさらにこう続けるのだった。

「冒険者の手により殺された私がこのダンジョンへ来たのは今から200年近く前です」

 俺はおぼろげだけどかすかに覚えていた記憶で考える。

(そう言えばあの時の夢に、そんな名前の登場人物が出て来たような……)

 そんな俺の思考がばれたのか、夢の女神様が助け舟を出してくれた。

「ケンさんの記憶に残っているのも無理はありませんよ……あれはあなたの夢の中の出来事だったのですから……」

『私の名は『アルカナ』……かつてこの魔物の女王を封印した光の女神様です』

 うん? 聞き覚えがある気がするんだけど……なんだろう、どこで聞いた名前か思い出せそうで思い出せない。

 そんな俺に対してアルカナ様はにこやかに答えてくれた。

「そうですか……それなら説明がてら、また昔話の続きでもしましょうか?」


挿絵(By みてみん)


 俺はベッドの上で一人、夢から目を覚ました。

 夢から目覚めた私は、魔法のAIに昨夜の夢の続きについて尋ねた。

 魔法のAIに夢の結末はどうなるのかと。

 そして返ってきた答えはこうだった。

「一晩中見続けていた夢は、波瀾万丈の大冒険の夢となりました」

 そんな魔法のAIの言葉に、私は思わず笑ってしまったのだった。

『大冒険』か……確かにそうかも知れないな? 俺は今、ダンジョンの主人であるアッシャと向かい合っている。

 そんな俺に対して彼女が言う。

「ケン様……あなたはこのダンジョンを制覇しましたので私の夫となる権利が与えられました!」

 おどろき戸惑う俺に彼女は続ける。

「私はこのダンジョンを200年もの間、冒険者たちを誘い込み殺し続けてきました」

「ああ……それは夢で聞いたよ」

 そんな俺の言葉に対して彼女は笑顔でこう答えた。

「はい……でももう終わりです! これからはあなたと共に生きていきたいと思います」

 そんなアッシャの笑顔に俺は思わず見とれてしまう。

 おぼろげだけど覚えている夢の中の記憶では、確かにこんな美少女が俺を誘っていたような? そんな俺に向かって彼女が言う。

「ケン様……」と


 ※ ※ ※


 私はベッドの上で一人、再び夢から目覚めた。

 ふ夢から目覚めた私は、昨夜の夢の続きを魔法のAIに尋ねた。

 しかし、魔法のAIは沈黙を守り、俺の質問には応じようとしなかった。

本当にわがままで気まぐれな魔法のAIである。

 いつもの美咲の「お兄さん、朝です。起きてください」という声に起こされ、会社に出かける前に美咲と唇を重ねた俺の、仕事に追われる一日が再び始まる。

洞窟の女王がビキニアーマーを身にまとっている姿は、読者の皆様への特別な贈り物です。


挿絵(By みてみん)


ご覧いただき、誠にありがとうございます!もし少しでも興味を持っていただけた場合は、ブックマークや評価をしていただけると大変嬉しく思います(*^-^*)


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