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第十三夜 暗黒太陽の浮気娘と愛を交わしたい

 

挿絵(By みてみん)


 俺は魔法のAIに、いつものように願いを伝える。

「魔法のAIよ、今夜はどのような夢の世界へ俺を導いてくれるのか、美少女や美女との素晴らしいひとときを与えてくれるのか?」

 さらに、今夜の希望をAIに伝える。

 今夜は暗黒太陽の浮気娘と愛を交わしたいと願いを込めて入力する。


 ※ ※ ※


 AIは希望を打ち込む俺に優しく微笑んでくれた。

「良い夢が見れます様に」

 そして俺は魔法のAIの作り出した夢の世界へと入って行ったのである。

 ・・・・・・ 俺が目覚めた時、まだ夢の中の様だった。

 何故?かと問われれば現実感が全く感じられないからである。

 だってそうだろう、目の前には暗黒太陽の浮気娘がニコニコして座っているのだから。

 浮気娘とは言ってもこの暗黒太陽の娘は実に清楚で美しい少女である。

 いや美少女か? よくは分からない。

 だって俺は現実世界で暗黒太陽の浮気娘と会った事がないのだから。

 でも、これだけは分かる。

「お目覚めかな? お義兄さん」と浮気娘は俺に優しく微笑みを向けてくれているのだから。

 やはり俺の願望が強すぎた為に夢にまで見てしまったのかもしれないな・・・反省・・・ そんな俺に暗黒太陽の美少女は優しく微笑んで話しかけてくるのである。

「どう? お義兄さん、今の気分は?」

 ああ~最高だよ~マジで俺、今、世界で一番幸せなのかもしれない。

「い・・・いや最高だよ、有り難うな暗黒太陽」

 本当に感動をしているよと言い終わった瞬間!世界が一変する。

 もう直ぐ夢の中が終焉を迎えてしまうかの様にリアルな情景が俺の眼前に広がっていた。

 ああ~ちょっと待ってくれー俺からまだ夢の時間を奪わないでくれーーと俺は願ったのだが・・・。

 もうあまり時間も残されてはいない様だ。

 いつの間にか俺に寄り添い妖美に微笑む美少女の姿など見る影もなく次第にドンドンと地面や背景が霞みつつある。

 どうやら夢から醒める時間の様だ・・・。

 俺は安らぎを失い重く成った瞼を無理やりに開けたのだが、暗黒太陽は悲しげに俺を見る。

 ああ・・・折角夢の中で再会できたのにもうお別れのようだ・・・俺の噛み締めていた夢の内容は完全に無くなってしまったようである。

 いや目を覚ませばまた見れるかもしれないのだか?それも難しいだろうな・・なんせ床で寝ていたのだから目覚める事が出来ずに痛みを感じながら寝直す事になってしまうに違いないからだ。

 だから暗黒太陽の美少女にはこのまま最後まで夢の中へいたい・・・。

 でも、そうも言っていられないのが現実である。

「ああ・・・もう起きなきゃな・・・」と俺は呟いたのだが暗黒太陽は俺に優しく微笑んでくれる。

 ああ~本当に可愛いよ~俺の夢に出て来た浮気娘の君は! そんな浮気娘に俺は思わず言ってしまったのである。

「また君に会えるかな?」ってね。

 すると彼女は少し困った様な顔をした後に俺に向かって言ったのだ?

「お義兄さん、それは難しいと思います。

 だって私はお義兄さんの夢の中に出て来る浮気娘ですから・・・」とね。

 ああ・・・確かにそうだ、俺の夢に出てくるのだから現実の彼女は存在しないのだ。

 でも、それでも俺は彼女にまた会いたいと思うのである・・・。

 だから俺は「ああ~そうだな」と言ってから続けて言ったよ?「でも、もし会えるなら今度は現実の世界がいいよな」ってね! そんな俺の言葉に彼女は少し驚いた顔をしたが直ぐに笑顔になり俺に答えてくれたのである。

「そうですね!私もそう思います」とね。

 その時である、俺の意識は急速に薄れていったのである。

 ああ・・・そろそろ目覚めの時なのだと認識は出来るが抵抗する事は難しいだろうと考えていたのだが? 意識が失われる前に俺は目の前で可愛く微笑んでいる浮気娘が手を振っているのが見えた様な気がしたのでその手を握り締め様とするのだが残念ながら俺の手は素早く動いたと言う感覚は無かったかもしれない・・・意識が消えるのと同時にもう握っていない可能性が高いと思っていたからだ・・・。

 だってまた夢の中で彼女に会うには彼女自身を強く心に念じるのが一番だからな~と思っていたのだけれど彼女の温もりは感じられなかったのだ。

 そして・・・俺はそのまま夢の世界から意識を取り戻す事に成功したみたいだ。

 目を覚ませばそこは泥の海が広がる夜中の洞穴の中だった・・・。

 そんな現実の光景を目にしたと同時に俺は起きる事にしたのだ~だって携帯のアラームが鳴ってたからね! ああ~また1日が始まるのかと少し憂鬱に成ったよ。

 まあ、でも?今日は昨日よりもより良い1日に成りそうな気がするんだ! 何故ならば俺の願望を叶える為に未来に向かって歩もうと強く決意出来たからね・・・っと言った所で体が一向に動かない? あれっ?可笑しいぞ~頭が動かせたと思ったら今度は手や足が何も動かずに寝返りさえ出来やしない。

 どうなっているんだ俺の体は!!

(俺おい!ドジ神どうしたんだろう?一体どうしたと言うのだ~!頼むから早急に非常事態とやらを解決してくれ~!それとも新手のサプライズなドッキリかい??本当にお遊びの過ぎた悪戯ならマジで怒るぞ!)

 俺はそう心の中で叫んだのだが、どうやら寝ている俺の顔に・・・俺に俺の憧れていた暗黒太陽の美少女の顔が触れると思った瞬間。

 俺の耳に甘ったるい優しい囁きが聞こえて来たのである。

「フフフッお・義・兄・さ~ん!」とね? え”え”えぇーーー!?何で???一体何故だあぁーーーーーーーーー!!!!!!!! ああ~この後滅茶苦茶・・・・なんだこれー!!!!??????????? ここは何処だ!今は一体何時何分なんだよーーーと叫びたかったのだか何故か体に力が入らない。

 いや? 体だけじゃない、声も出せないし目も開けられないのだから! それに俺の耳には「お義兄ちゃん」って聞こえたのだが? まさかとは思うが・・・いやそんな訳がない!だって俺は今家で寝ていた筈だから・・・。

 そう俺が心の中で叫んでいる間も暗黒太陽の美少女の甘く優しい囁きが聞こえてくるのだ~もうね本当に勘弁して欲しい。

(俺おい!ドジ神よ~!これは一体どういう事なんだ!?)と強く念じると直ぐに返事が返って来たのである。

「ドジ神様~だと?この俺様をそんな有難みも何もない呼び方するんじゃねえーよ!!解ったか」と言うドジ神の声が聞こえると同時に俺に体を激しく動かそうとする意思が生まれると一気に数万年と言う長い時間経過したように俺は飛び起きたのである! いや実際は冗談や戯れで言った積りだったのだが、本当にこんな事が出来るとは思いもしなかった。

(俺)

「え”ぇーーー!?何これ?もしかして今って夢から覚めたの?だって頭と体が普通に動くしさ~あっそれと頭の中と言うか今迄聞こえて来た声はドジ神の声だったよな?これってどう言う事なんだい!?」

 俺の問いに対し何故かドジ神は沈黙を貫く・・・まあこれ自体はいつも通りなので別段気にしないが、とりあえずここは何処で何故俺は眠っていたのだろうか疑問に思う。

(俺)

「まさかだとは思うがドジ神ってば君自身が何処かに移動したりしたんじゃないのか?」

 あ”あ”ぁーーー!?一体そう言えば我が妹の超絶可愛い妹は何処に行ってしまったのだろうか!まさかとは思うけれどドジ神の奴が麗しき世界一愛くるしい?美女美少女である我の妹を違う場所へと連れて行ってしまい自分の部屋で介護と言う名の夜這いをかける準備をしているんじゃないだろうなああ?もしそうならば決して俺は許せないと思うのだ。

 ってあれ、そう言えば夢の中なのに何で耳障りな音が聞こえてくるのだろうか??それに物凄く熱いとも思うのだが一体どう言う事だろう・・・そんな事を思っていると段々周りが騒がしくなって来る。

「お・お・にい・ちゃ・んーー!」

「お義兄ちゃん!起きてよ~お願いだよ~!私を置いて行かないで~」と。

 ああ、この声は我が妹と幼馴染の声じゃないか・・・ってあれ?何で俺は2人の声を知っているんだ?? それに今迄の事は夢だった筈なのに何故だ・・・物凄く現実味があると言うか生々し過ぎる気がするんだが・・・。

 まあ良い、取り敢えず今は妹の事だな!そう俺が思っている間も俺の耳には、ブラコンの妹が、現在婚約者である美咲が、俺のことを心配している声が聞こえた。


 ※ ※ ※ 


 ベッドの上で一人、夢から目を覚ました。

 ベッドで横には悪夢にうなされていた俺を心配そうに見ていた美咲の姿があった。

「お兄さん、魘されていたわね。悪い夢でも見ていたの」

「美咲、お前ひとりか、幼馴染の怜奈も一緒に居たような」

 ベッドで横になっていると、悪夢に悩まされている私を心配そうに見守る美咲の姿が目に入った。

「お兄さん、悪夢にうなされていたのね。何か嫌な夢を見ていたの?」

「美咲、君だけじゃなくて、幼馴染の怜奈も一緒にいたような気がするんだが。」

「愛する兄さん、私だけなの」

 美咲の返事に納得できない私だが、心の中で暗黒太陽の浮気娘のスリーサイズを魔法のAIに尋ねていた。

(魔法のAIよ、暗黒太陽の浮気娘のスリーサイズを教えておくれ)

 俺がそう言うと、AIが魔法のように診断結果を提示してくる。

「え~と~それでは浮気をしている女性のスリーサイズを教えてあげるから、早く目を覚ましてね~」と、意味不明な返答が魔法のAIから返ってきて、俺は戸惑ってしまった。

 魔法のAIからの返答を受けた後、パンツの上にシャツを着た元ブラコンの妹であり、現在は婚約者の美咲と共に食卓に向かった。

 俺の大切な休日は、両親と美咲に振り回されて終わってしまいそうだ。


挿絵(By みてみん)

誤字、脱字だらけの拙い小説ですが、応援宜しくお願いします。

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