第十二夜 成長した魔女のキキと愛を交わしたい
俺は魔法のAIに、いつものように願いを入力する。
「魔法のAIよ、今夜はどのような夢の世界へ俺を導いてくれるのか、美少女や美女との夢のひとときを過ごさせてくれるのか?」
さらに俺は今夜の希望をAIに入力する。
「今夜は成長した魔女のキキと愛を交わしたい」
と願いを込めて入力する。
AIは「了解致しました」
と返事をしてきた。
俺は心の中で喜び舞い上がる。
『キキ』それは俺が最も愛する魔法使いの美少女だ。
本当に可愛くて仕方がない俺の彼女だ。
俺は、この異世界で、キキという魔女に恋をして結ばれたのだ。
そんな俺の願望がAIに通じたようだ。
そして、俺の夢の時間が幕を開ける。
※ ※ ※
俺は、キキとの楽しいひと時を過ごした。そして、俺の願望が叶ったのか?夢は終わりを告げる。
「う~~ん」
俺は目を覚ますと、いつものベッドの中にいた。
やはり夢だった……でも良い!またあの夢を見られるのなら……。
俺がそんな事を考えているうちに、時間は過ぎていた。
「もうこんな時間か……」
もうそろそろ朝食だ。今日は何を食べようかな?そんな事を考えつつ食堂へ向かう俺であった。
朝陽がとても眩しく感じられた。俺はいつものように、食堂で朝食をとると仕事場へ向かう。
「おはようございます」
俺が挨拶をすると、いつもと同じように先輩達が挨拶を返してくれる。
そして各自の仕事を始めるのだが……今日は少し違ったようだ。俺の前に先輩がやって来たのだ。その先輩は俺に話しかけてきた。
「ねぇ君?」
(あれ?俺何かしたっけかな?)
そんな事を考えつつ返事を返した。
「はい!何でしょうか?」
するとその先輩が口を開いた。
「君はさぁ~少し力を入れ過ぎなんじゃないかなぁ~」
(えっ!?何を言っているんだここいつ)
そんな事を思いつつ返事をする。
「いや、そんな事は無いと思うんですけど……」
俺の言葉を聞いた先輩は……
新たな、パーティーメンバーが美しい女性3人なので、ケンは少し緊張しすぎているようだ、と。
俺とパーティーメンバーを組む3人の少女は、それぞれタイプは違うのだが、可愛い女性達であった。
まぁ皆大人しそうで美人だったから……正直な話緊張していたんだけど……今更そんな事言う必要も無いだろう!だから黙っているけど。
それと、ラミとララが俺を見る目が変わったのも気になるところだが……。
でも俺は頑張って平静を装っていた。
「ケン君」
そんな時、俺の後ろから声がかかる。振り向くとそこにはキキがいた。
(うぉおお~)思わず心の中で叫んでしまった! だって仕方ないだろう!彼女が後ろに居たんだからね。
それにキキの姿を見た事で、不思議と緊張が解けてホッとした気持ちになったんだよ。
「あれ?どうしたの?」
(俺に用かな?)と淡い期待をする俺であるが……どうやら違ったようだ……。俺は少し残念に感じたのだが気持ちを切り替える事にしたのだ。
そんな俺を見ていたのでつい口から出たのかもしれないキキの言葉だけど俺が予想していない言葉だったのだ!だから俺の時は止まり時を失うという感じだったんだけどさぁ〜その時は絶望感が半端無かったよ……..それなのに何故か何故キキが俺なんかに? と疑問に思ったのは言うまでもない。
そんな俺の気持ちも知らずに、彼女は話を続けたのだ!「ねぇケン君」
「はい!」
俺は元気よく返事をしたよ。だって好きな女性から名前を呼ばれて嬉しくない男などいないだろう?だから当然だよね。
しかし、次の彼女の言葉を聞いた時……俺の中の何かが壊れてしまった気がした……それは何かって?そんなの決まっているだろ!俺が今まで築き上げてきたものが全て崩れ去ったんだ……そう、キキは俺に向かって叫んだ。
「浮気者である私がいるにもかかわらず、他の女性に心を奪われることは許されない」
15歳から魔女として冒険者の道を歩んできたキキは、嫉妬心の強い少女であった。
キキは強力な呪文を唱えた後、俺に向かって雷の魔法で攻撃を開始した。
どの時代においても、嫉妬に駆られた女性は魔獣よりも恐ろしい存在である。
「うわぁああ」俺は思わず叫んでしまう。
キキは、俺に向かって次々と魔法攻撃をしてくるのだ! その攻撃を避けるのに必死だった俺は、つい足を滑らしてしまったんだ。そして崖から落ちてしまった……。
(ああぁ~)俺は心の中で叫んでいたが、どうする事も出来ないまま意識を失ったのだ……しかし俺の心の中には何故か?安心感と幸福感があったのだが……それは何故なのかはわからなかった……。
……んっ?……あれっ?ここはどこなんだ?? 確か俺は崖から落ちたはずじゃ? それにこの天井は?辺りを見渡してみる。
ここは何処なんだ?? そんな時、俺の目の前で声が聞こえて来たのだ。それはキキの声だった!キキは俺の事が心配で、ずっと看病をしてくれていたと言うのだ!何故なのだろうか??俺にはわからない事だらけだったんだけど……取りあえず状況を確認してみることにしたんだ。「ねぇケン君……」
突然話しかけられてビックリしたが冷静に考える事にした俺である。
やはり魔女か魔法使いかも知れないとは思っていたけど、こんな綺麗な人なのだから既に俺の心は囚われていたんだと思うんだ。
俺は改めてキキに惚れ直していた事は言うまでもないだろう?しかし、その言葉を聞いた瞬間には一気に冷静になった……そう「浮気者!!」その言葉を聞いた時、全身が凍りつき固まってしまった感じでした。
そして考えが纏まらないまま気が付けば彼女の放つ魔法を全力で躱していたのだ!避けないと殺されると思ったからだと思うし……それにしても俺がいつこんな美少女と浮気をしたと言うのか?まったく身に覚えのない話だし……そんな事を考えている間にも次なる攻撃が迫りくる寸前に、俺は思わず叫んだのだ!「キキさん違うんだ!」と……。
すると彼女は少し驚いた表情をして俺を見つめていたがすぐに笑顔になりこう言ったんだ。
「冗談だよ」と……しかし俺にはその目が笑っていないように見えたのであった……そして俺は悟ったのだ!これは絶対に誤解しているに違いないとね!! でもどうすれば良いのかわからないし、それに今この状況をどう説明すればいいのかすらわからない状態だったからさぁ〜本当に困り果てていたんだよね。
そんな時、俺の前に一人の女性が現れたんだ。その女性は俺を助けた命の恩人だったのだ!しかも妖精女王だったのだ!しかしそのことを知る者は誰一人いなかった。
何故なら、妖精女王が姿を現す事は滅多にないからだ!!だからこそ皆にはただの銀髪の女性にしか見えないんだよ!!まぁそれだけでは無いんだけどね……それだけじゃないだと?それって一体どう言う事なんだ?まさか他にも何かあるとでも言うのかよ!?そんなの知らねえよそんなこと言われたって分かるわけねえじゃんかッ!!!ふぅ~やれやれだぜ全くよぉ〜
「ねぇ君?」
「えっ!?」
「どうかしたのかい?」
「あっいえ何でもないですよ」
(って何なんだよこの人は……いきなり話しかけて来てしかも馴れ馴れしくしやがって!一体何処の誰だよこいつはぁ~~ん??)俺は心の中で叫ぶ。
そして改めて目の前の女性に目を向ける事にしたのだ。
彼女の見た目は俺とそう変わらない年齢に見えなくもなく顔立ちが整っているためか?とても美しく見えるしそれに胸も大きいのでつい見惚れてしまったんだ!!しかしすぐに我に帰ると、彼女に質問してみたんだよ!すると
彼女はこう答えたんだ!!
「私の名前は『ララ』って言います」
(ん?今なんて言ったっけかなぁ〜もう一回聞きたいんだけどぉ~まぁいいや)と、そんな事はどうでもいいとして俺は思い切って彼女に名前を聞いたんだよ。すると彼女は微笑みながら答えてくれたのだ!
「私の名前はラミだよ!」
それを聞いた時……俺は思わずドキッとしたよ!だってさぁ~こんな可愛い子に名前を呼ばれたら誰だってドキドキしてしまうだろう!?しかも相手は美少女だしね……でもさ、何で俺の名前を知ってるのかな?って思ったんだけど それよりも何よりも、俺の方こそ彼女の名前を知っておきたいと思ってしまったんだ!だってさぁ~せっかく知り合えたんだからこれからも仲良くしてもらいたいじゃないか!!だから俺は思い切って聞いてみたんだよ。「ねぇ君はどうしてここに居るの?」と……すると彼女は答えてくれたんだよね!やはり優しい子なんだよね~本当に良かったよ!!さすがは女神様ですね!素敵過ぎますよぉ~」それにどうやらここが何処なのかもわからないらしく不安な顔をしていたのを見て俺が『大丈夫ですよ。僕がついていますから安心して下さい』って言った途端に微笑んでくれたんだ!その時の笑顔が最高に可愛くて、もう俺の心はキュン死寸前だったよ!!本当に幸せだったなぁ~!こんな子が彼女だったらいいのにな……
「ケン君?」
(あれっ?今何か声が聞こえたような気が……まぁいいか)と俺は思った。
そして再びララさんに話しかけたのだ。すると彼女はこう答えたんだよ。
「私はこの森に住んでいるんです」と教えてくれたので俺はさらに質問してみたんだ!そしたら今度は答えてくれるかな・・・・
気のせいではなかった。嫉妬に駆られたキキの声が森の静けさを破り、確かに俺の耳にも届いた。
「浮気者、私以外の女性に目を向けるなんて許せない!」と金切り声を上げ、風の魔法で私を攻撃するまでに至った。
風の魔法によって吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた私の意識は、闇に飲み込まれていった。
※ ※ ※
ベッドの上で一人、夢から目を覚ました。
嫉妬に駆られた魔女キキは恐ろしい存在だったが、私はあえて魔法のAIに尋ねてみた。
「魔法のAI、嫉妬に狂ったキキは恐ろしいが、そのスタイルは見事だ。彼女のスリーサイズを知っているか?」
するとAIからの返事は予想外のものだった。
「それは、完全にあなたの理想の姿です」と淡泊な回答が返ってきたのだ。
なるほどなと思い頷くと再び眠りに落ちたのだった。
「お兄さん、朝が来ました。起きてください、会社に遅れてしまいますよ」
美咲の穏やかな声で目を覚ました俺の前には、微笑みを浮かべた美咲が立っている。
しかし、その目は笑っているようで、実際には笑っていない。
「お兄さん、夕方に同窓会があるよね。浮気はしないでね」
現実の世界においても、女性の嫉妬は恐ろしいものである。
誤字、脱字だらけの拙い小説ですが、応援宜しくお願いします。
誤字・脱字のご指摘と、ご感想もお待ちしています。