若さは罪か
「弟がいるんだ。どうなるんだ。」
「あいつは複雑なんだ、血も繋がってるしヤキも平手打ちだ。それに、あんたの言葉を借りたらあいつは自分で話せる歳じゃないんだ。どこで何を言ったら親父から何をされるかって考えてるんだ。法律でも幼すぎたらよっぽどの証拠があっても親権者から取り上げるのは難しいだろ?」
「ごめんね。伸司くん、であってたよね?」
「ああ、」知っているのか。児相だからそれはそうか。それにしても ごめん ってなんだよ、、
「今から君にとってキツいことを言うよ。達也くんやお姉さんをどう思っているかな。達也くんやお姉さんと同じように徳隆さんを思っているかな?」
やめろ。言うな。分かってる。
「子供は残酷なんだよ。残酷な程、純粋なんだ。」
俺はこの時直感した。この人も残酷な子供の選択によって人生の歯車を狂わせた事がある人なんだと。
自分の子か、幼き頃の自分か、あるいは自分自身か。
分からないが言葉と目は俺と同じだった。
「俺は、愛されて死ねるのか??」
金井はとても優しい顔で言った、「もちろんだよ。」
「君は優しい目をしてる。私みたいにね、」
コイツは何者なんだ。なんとも言えない感情で涙を流しそうな俺を見て気の利いた冗談を言ったのだろう。
俺にはまだこんなに優しそうな人間にはなれそうにない。けど、人生変えられるかもしれないんだ。
「うっせーブス!じゃ、弟はいつか今の俺みたいに自分で話せるようになったら会いに行くことにする!そして俺は人生を変えて自分自身の信念を貫き生きていく。そしたら、きっと色んな人に愛されて死ねるだろ?」
「余計な言葉も無かったことにしていいぐらい私は感動しているよ。」
やべ、この人たぶんマジで切れたら怖いタイプだ。
(高橋!!)
俺は目で訴えながら心の中で必死にやつを呼んだ。
「えっとー、それでは達也くん。君は児童養護施設へ入所したいという意思があると言う事でいいかな。」
俺は無言で頷いた。
「じゃあ、これから君にしておいて欲しい事を3つ言うね。」