惰性の日々
〜アラーム〜
憂鬱な音だ。そんなことも考えてる暇などないので急いでコップにお茶をついで部屋に戻る。
前までは子供部屋で弟と寝ていたのだが前に児童館で喫煙事件を起こし家に帰るのが怖かった俺は帰らず夜を徘徊して深夜に帰った事があり、それからは同じ部屋で寝かされプライベートも全て剥奪されている。
「冷てぇ…」
ヤバい、来る。
そう思った瞬間にはリモコンが顔面に当たっていて激痛が走ったと思ったら顔を何発も殴られていた。
やらかした。こいつに出すお茶は冷蔵庫から出しておいて常温にしとかないとキレるんだった。
弟は見て見ぬふり。それでいい。お前が心の中でお兄ちゃん可哀想って思ってくれてるだけで俺はいいんだ。血が繋がってないのが俺で良かった。
姉貴は半年前ぐらいに男の家に逃げた。もちろん家の中ではユダ扱いだ。姉貴は嫌いではなかったが姉貴の悪口を言うのに抵抗は無かった。
「行ってらっしゃい!」「頑張ってね!」
機嫌をとるのも大変だ。わざわざ駐車場まで行き思ってもない言葉を偽の笑顔で言うのは慣れたが。それにしても伸司は本当にあいつの事を好きなのか。伸司にとっては実父だからどうなのだろう。
そんなことを考えている間に小学校の時間が迫って来ていることに気づいた。
中学校は嫌いだ。先生達は俺の家の事情を知っているくせに俺がなにかしたら家に連絡をするんだ。立場上しょうがないのかもしれないがあの義父を見て育った俺が問題を起こす訳もないのは先生達も分かってるのにというのが憎い。
登下校は好きだ。団地だから半分ぐらいが同じ保育園出身で上も下の学年もみんな友達のような感覚だ。
適当に会ったヤツと喋ってるうちに学校に着いた。