籠
第0章だいぶ長くなりそうですすみません、、
母が出ていってからの生活は予想の遥か上をいく酷さだった。
小学校3年生にして既にもう万引きを繰り返していた。義父に飯を与えてもらう事は弟と姉貴しかないからだ。姉貴と俺は義父と血が繋がっていないが姉貴への待遇は俺よりはマシだった。大きくなって聞いた話だが姉貴は体を狙われていたそうだ。弟は何もかも対応は違く、折檻される時も平手打ちだけだった。小さいからか?と思っていたが俺らが実の子ではないということを知って全ての合点がいった。
僕ら3人の関係は最悪だった。みんなが気に入られようとお互いを貶めあい毎日の怒りの矛先が自分へ向かないようにするのに必死だった。
正気を保ってられる方法はひとつ、これが当たり前であると思い込むことだ。「裏切ったら殺す」「義父が正義」幼い頃から当たり前の事だった。傷だらけで学校へ言っても「俺が悪いから」。頭の中では異常なんではないかと思っている自分も幼いながらに居たが他の家の普通がわからないし、なにより裏切った時の義父が怖くて杞憂にしか出来なかった。
俺は何もおかしいと思ったことは無かった。
あの日が来るまでは…
次ページから時系列が主人公中学1年生まで飛びます。