4.デートに行こ~ぜっ ②
そうして迎えた土曜日。私は少しおしゃれをと思いお気に入りのノースリーブのワンピースにボーダーのカットソーに靴は厚底ローファー。
「よし。行くか」
私は気合を入れて玄関の扉を開けた。すると道路に春菜が立っていた。待たせてしまったかな。私は春菜のところへ駆け寄った。
「まった?」
「私もさっき出てきたとこだから大丈夫だよ。今日の服、可愛い」
「気合を入れてみたぞ」
「めっちゃ可愛いっ。流石私の彼女」
「春菜の服装のカワイイぞ」
春菜はチェックのバルーンスリーブシャツにタイトなデニムスカート姿で、白の靴下と可愛いスニーカーを履いていた。めっちゃくそ可愛いじゃねぇか…。
お互いを誉めあいながら私たちは駅前のショッピングモールへと向かった。家から離れた距離になると春菜が私の腕を組んでくる。私は春菜の行動のなすが儘受け入れている。他愛のない話に盛り上がっているとショッピングモールに到着。
「先に下着見に行く?」
「だな」
私がそう答えると春菜は頷いた。エレベーターで3階に到着し、下着売り場に向かった。お店に入るとすぐに店員を呼んだ。
「あの、すみません」
私に声を掛けれた店員さんが振り向いた。
「いらっしゃいませ~。今日はどのようなご用件でしょうか?」
笑顔が素敵なお姉さん。私は胸のサイズが変わったかもしれないので図ってほしいと伝えた。お姉さんと一緒に試着室に向かった。
「春菜、下着選んでて」
「うん。分かったよ~」
試着室にお姉さんと私だけになった。
「それでは、失礼しまぁす」
「お願いします」
私は来ていた服を脱いだ。するとお姉さんが今つけている下着を丁寧に取り、露になった自分の胸にメジャーを当て始めた。
「え~っと…。そうですね、少し大きくなったみたいですね。今がDカップですか。ではちょっとこのままお待ちくださ~い」
「分かりました」
お姉さんが試着室を出ていき、私は上半身裸のまま待たれることになった。ワンピだからパンツ一丁の私が鏡に映っている。ハズイかっこしてんな、私。そう思いながら暫く待っているとお姉さんが数着のブラジャーをもって入ってきた。
「取り合えず、ぴったりなサイズを探してみました。いくつか試着してみてください」
「了解っす」
私はお姉さんが持ってきたブラジャーを一通り試着してみた。
「どれがいいですか?」
「そうっすね…。これっすかね」
「えぇっと。Eカップのこちらのサイズですね。もう一度つけてみてください。つけ方をレクチャーしますね」
「うっす」
お姉さんの丁寧なレクチャーを教わりながらブラジャーを付けた。最初に少し屈んで形を整えるのが正しいつけ方らしい。私はいつも適当にやってるからなぁ。勉強になる。
「どうですか?きつくないです?」
「大丈夫っす。にしても前より大きくなりすぎたみたい」
「あぁ、正しく付けるとブラジャーの本来の効果が発揮されるんです。お客様の胸の形を美しく保持してくれて、痛くないと思います」
「確かに。前はちょっと痛かった気がする」
「ですよねぇ。観ててそう思っていました。ではこちらのサイズでお好きな下着をお選びくださいね」
「はい。ありがとうございました」
私は服をすべて着て春菜のところへ向かった。春菜の手にいくつか下着があった。
「あ、お帰り~。どうだった?」
春菜はにこやかにそう尋ねてきた。私は琴の顛末を説明した。
「そっか~。Eなんだぁ。いいな~」
「おっぱいが大きいと肩凝るんだぞ。いいことなんてない。それより下着選んでくれたのか?」
「あ、うん!これか、これ!どう?」
二種類のブラジャーとパンツのセットを私に見せてきた。どっちも可愛いじゃん。両方買おう。私は春菜の選んでくれた下着セットをレジに持って行った。
無事今日の目的を果たした私たちはそのまま洋服や小物などを見て回ることにした。ある程度時間がたってくると春菜がおなかがすいたと訴えてきた。
「休憩がてら飯にするか」
「うんっ。そうしよう」
私たちはフードコーナーでハンバーガーセットを買ってふちっこの席に座った。土曜日の昼時ともなれば家族でごった返すフードコーナー。本日も例外なくにぎやかだ。
「人が多すぎ…」
私はボソッと言葉を出した。それに反応した春菜は頷きながら話した。
「ほんとよね~。家族ばっかり。カップルもいるけど」
「だな。私たちはカップルに見えんだろうけど」
「そうかな?イチャイチャしたら見えるんじゃない?」
「外でイチャイチャはハズイだろ」
「えぇ~、私はしたいけどなぁ」
「流石にダメ」
「え~!冬菜のケチ~」
春菜の頬が膨らんだ。勘弁してくれ。私は話題をすり替えた。
「今日買った下着さ。春菜に選んでもらっただろ?」
春菜にそういうと頷いた。私は話を進める。
「これってさ。私が春菜色にそまったってことじゃね?」
「っ!!マジだね。そういわれると恥ずかしくなってきた」
「今度下着姿、見せてやろうか?」
「ええっ。…いいの?」
春菜がゴクリと唾を飲み込んで私に聞いてきた。私は少し悪い顔をしながら春菜の耳元に口を止めた・
「見せてやるよ。好きだろ?春菜」
春菜の耳が真っ赤に染まったのがわかる。恥ずかしそうにもじもじしながら小さくうなずく春菜がすごくかわいくて愛おしい。私はこれが見たかったのだよ、春菜。
そんな会話をしながら昼食を済ませ次どこに行くかの相談をした。
「この後どうするの?もう帰る?」
「ん?春菜は帰りたいのか?」
「ん~ん。まだ冬菜と一緒に居たいよ」
「だよな。ゲーセンでも行くか?」
「うんっ。いこ」
次の行き先が決まると私の手を繋ぎゲーセンコーナーがあるフロアに向かった。私たちのデートはまだまだ続くのだった。