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弾幕お嬢様

「フィー何のつもりかしら? 人に銃口を向けてはいけませんわ」

 フィーの態度にソオンニが眉を寄せ、コテンと首を傾げた。

「フハハハハハハハッ!! 武器を手放すとは愚かなり聖銃使いソオンニ!!」

 フィーが突如高笑いを始め、頭から捻れた角が、背中には黒く大きな蝙蝠の翼が生え、白肌は艶のある褐色になり、茶色だった髪が見事なストレートの銀髪へと変化した。メイド服ももいつの間にか、少し胸の辺りが寂しいビキニアーマーのへと変わっていた。

 そして、構えていた白い銃は、禍々しい黒へと染まった。


「フィー!? どういう事ですの!?」

「我が名はフィルフィル、魔界の王なり。人間のメイドに化け、貴様が武器を手放す日をずっと待っていたぞ!! 貴様の持つ聖銃を奪い、我が魔銃とし、その力を以て……グハッ!」

 喋っているフィルフィルの顔面に鉄の扇子が直撃した。銃弾は当たらないが、その他の物なら問題はなく当たるようだ。

「フィー! 年頃の女性が野外でそのように肌を晒すなど、はしたなくてよ。その破廉恥な姿、他の誰かに見られてしまっては、お嫁に行けなくなってしまいますわ!」

「ぐぬぬぬぬ……不意打ちとは卑怯な! まぁよい、この魔銃で貴様に本当のAIMというものを見せてくれるわ!!」

 ガションッと音をさせて、フィルフィルが黒く染まった散弾銃を構えた。

「人に銃口を向ける子にはお仕置きが必要ですわね」

 ソオンニの手の中に白い長銃が現れる。

「クハハハハハッ! クソAIMの貴様が私に撃ち合いに勝てると思うのか!?」

 ソオンニの銃をフィルフィルが鼻で笑う。

「あら? 誰が銃が一つだと言いまして?」

 ブォンッ!

 空気が震える音がして、ソオンニの周囲に無数の長銃が現れる。


「は?」

「戦争は数ですわ。ロードアンドメイクレディ、覚悟はよろしくて?」

 ソオンニの周囲に浮かんだ銃が、一斉に魔王フィルフィルの方へと向く。

「ひぇ!? そんなの無理無理無理無理ーーーー!! すみませんすみませんすみませんすみません! お嬢様ああああああああ!! 私が悪うございましたああああああ!! 銃は人に向けて撃ってはいけませんんんんん!!!」

 ソオンニの周囲に浮かぶ銃の数に、魔王フィルフィルが光の速さで白旗をあげたが……。

「あら、魔王は人ではないから問題ありませんわね?」

「戻ります戻します人間に戻るので許してお嬢様ああああああああああああ!!!」


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!


 フィルフィルの命乞いの虚しく、ソオンニの周囲の銃から一斉に弾丸が発射され、弾幕となって彼女に降り注いだ。


「フルオートは急には止まれませんわ」

「撃ち始める前にすでに降参してたと思いますうううう」

「あら? そうだったかしら? 細かい事は気にしなくてよろしくてよ?」

 弾幕の嵐が収まった後には、ボロボロになったメイドのフィーが残っていた。

 聖銃の弾丸は人には効かない。当たってもちょっと痛いだけだ。

 魔王から人に戻った魔王フィルフィルは、ギリギリで蜂の巣エンドを回避する事ができたようだ。

 ただ、ちょっと痛いだけの弾丸を無数に体で受け止めただけだ。


「フィー、反省はできまして?」

「はいい……、これかも誠心誠意お嬢様に仕えさせていただきますぅ」

「あら、よい心がけですわ。こんなダンジョンの中まで一緒に来てくれるメイドなんてフィーしかいませんし、わたくしとフィーはこれからでもずっと一緒ですわ」

「お嬢様あああああああああ!! 主に逆らった私を許してくれてずっと傍に置いてくれるなんて、一生お嬢様について行きますううううう!!!」


お読みいただき、ありがとうございました。

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