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新人類戦記第二章第3回 再びジウの超能力により殺戮の舞台となった難民船は、平和団体の船に発見され、ジウと東郷竜、2人はマレーシアの港へ到着する。


新人類戦記第二章 脱出 第3回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)


「特ダネだ!」

トロピカル・ニュース・レポートの特派記

者サム・リチャードはカメラバックから二コンとオリンパスカメラ

の2台を取り出した。スリングを首にまわし、海

に落さなにいようにする。


 リチャード達が乗り込んでいる「ピース号」

は難民救助のための救助艇だった。

乗りこんででいる十名。各国の人間が乗り込んでいるこ

の船をチャーターしてにいるのはアメリカ、カ

リフォルニア州にあるキリスト教団体である。


 小船が二雙ロープで結びつけられて漂よっ

ている。二つの船から火の手が上がってにいた。


 難民船に近づいたリチャードは、あなりの

凄惨さにはき気をもよおした。


 船の甲板は血でまっ赤に染まっていた。そ

れでも銃創を受けて死んでいる者はましだ。

蛮刀で切り刻まれた死体が折りかさなってこ

ろがっている。


切り離された手足が、船のローリンダにつれて

踊ってにいるように見えた。


「息のある者を助けるんだ」

 はき気をこらえ、リチャードは、漁船に飛

び移った。甲板は血のりでぬるぬるしている。

すべりそうになり痙がら、まだ生きている人

間を救助船へ運ぴ込んだ。


 サムは必死でカメラのシャッターを押して

いる。興奮の極地だ。


「どうやら、一つの船は海賊船らしい」

「しかし、なぜ、海賊が全員死んでいるんだ」

「わからん、我我の船に気づいて、海に飛び

込んで逃げたのかもしれん。サム。背中に気

をつけろよ」


「驚かすなよ、リチャード。それにして

もこいつはひどい話だな。せっかくぺトチム

から逃げてきたのにこんなところで海賊に会

うとはな」


「あんたもこんな場面にはいくらでもでくわ

しているだろう。ベトナムじゃこんな事はい

くらでもあっただろうに」

「ああ、そうだな」


 船の上で死体をあらためていた医師のイン

ド人パハラディが叫んだ。


 「船長、あとは全員だめです」

 「そうか、わかった。ピース号を動かせ。船

が沈むぞ」


 救命船は漁船から遠ざかり始める。漁船は

燃えながら、海賊船もろとも、ゆっくりと

南シナ海の闇の中へ沈んでいった。


「何名生きていた」

「重傷の者も含めて十三人です」

 中国人の看護婦麗香が悲しそうに言った。

「そうか、十三人か」

 救命船ピース号は、難民船の生き残り、十

三名を乗せ、マレーシアのクアラトレンガヌ

港にむかっていた。


 クアラトレンガヌ港はマレー半島の東側

シャム湾に近い所に位置する。

 ピース号の中には重傷の東郷竜と、気を失

なっているジウが体を横たえていた。


 この種の事件はよくあることなのだが、ち

ょうどトロピカル・ニュース・レポートの特

派記者サムことサム・リチャードが載

りこんでいたため、世界中の新聞が記事を転

載していた。生存者の写真と一緒に。


ジウは収容所のベッドの中で夢を見ていた。

その夢でもむごたらしい彼女の過去の歴史を

くりかえしているのだ。ジウは無意識の中

過去の歴史をくりかえしてイメージする。


■彼女達は、作戦行動中、急に命令を受け、

サイゴンの本部に呼び戻されていた。


 仲間が急激に戚っていた。彼女達は、アメ

リカ軍の秘密兵器、超心理戦士、超能力

部隊であった。


 超能力を持つとみられた彼女達は子供の頃

ベトナムから誘拐され、アメリカーカリフォ

ル一ア州のダラート砂漠にある超心理研究所

につれていかれた。


 そこにある超能力戦士養成所

で超能力に磨きがかけられた。



新人類戦記第二章 脱出 第2回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)



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