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第一話『戦巫女と不幸な彼女』8(終わり)

  ★ヒロイン★

 普通の人間なら、魔力がなくなっても意識を失う事はない。

 けど、私達には維持する為に常時魔力を消費する黒き大樹が宿っている。だから、今ある魔力が無くなれば、新たな魔力を生じさせないといけなくて………実はそれは物凄く意志力を消費する行為で………だから、黒き大樹を操る度に魔力を補充していると、最終的には意識を失ってしまう。

 普段は、そこを踏まえて、ペース配分を考えて退魔をするけど………今回は色々あって………出来なった。

 ………こうなると………もう一人仲間が欲しいかな………。

 そんな事を思いながら、目を覚ますと、目の前に心配そうに私を見ている。

 「大丈夫?」

 「はい。大丈夫です」

 そう言って私は上半身を起こして周りを見回すと、スーパーに置かれていたベンチに寝かされていたのが分かった。

 まだ夜が明けてない所からすると、気絶してからまだそんなに時間は経ってないんだろうけど………お姉さんも、私も無事だった事からすると、影狼は思惑通り全体倒せた見たいね………一匹でも来て無かったらどうしよう?っとちょっと思ってたけど………考えて見れば、お姉さんって言う極上の『餌』があるんだものね。知能が低い魔物ならなおさら………。

 「何か飲みたい物はある?」

 そう言って、お姉さんは近くの自販機の前に立った。

 「えっと……じゃあ、コーラで」

 「うん。分かった」

 自販機でコーラを二本買ったお姉さんは、

 「はい。どうぞ」

 っと魅力的な笑顔を浮かべてコーラを渡してくれる。

 そこで初めてお姉さんの顔をまじまじと見る事が出来た。

 今の今までお姉さんの容姿に注意が行くほど余裕がなかったから気付かなかったけど………お姉さんって、カッコいいと言うより可愛らしい容姿をしてるのね。さらさらな黒髪のロングヘアーがその容姿に似合ってるけど………バイクとか自在に操ってたから、つい、カッコいいイメージを抱いてたけど………ついでに言えば、もっとセクシーな身体付きをしているイメージもあったりしたけど………結構貧相な身体付きをしている。私よりはましで、バランスが取れてるからそんなに違和感はないけど………。

 私がじーっとお姉さんの身体を見てると、お姉さんは戸惑った顔をしたので、私は目をそらした。

 ………何となくだけど………お姉さんとは気が合いそうな気がする………それに、こんな人材を表の世界に置いとくなんて勿体無い。

 そう思った私はお姉さんの顔をじーっと見て、

 「お姉さん。私の所で働く気はない?」

 っと言うと、お姉さんは固まった。

 ?


  ★相島★

 コーラを女の子に渡す時、初めて女の子の容姿をはっきりと見る事が出来た。

 それまで、容姿の事を気にしている余裕はなかったからだけど………ちょっと目付きが鋭いけど、間違いなく美少女だった。

 でも、残念なのか年相応なのか、女子高生の格好をしてなければ、ショートカットな事も相まって男の子を間違えそうなほど貧相な身体付きをしている。

 ………まあ、私も人の事を言えた義理じゃないと言えばないけど………。

 そんな事を思っていると、女の子がじーっと私の身体を見ていなので、ちょっと戸惑った。

 ………もしかして、同じ事を考えていたとか…………まあ、そんな事はありえないか………。

 ふいっと目をそらした女の子は、ちょっと考えて、私の顔をじーっと見て、

 「お姉さん。私の所で働く気はない?」

 っと言った。

 ………中学生にそんな事を言われる大人って………私だけだろうな……………でも、この子なら、そう言う事も出来るんだろうな………もしかしたら、さっきのエレアって人も、この子に雇われているとか?

 「住む所も、私の家で良ければ一部屋貸しますし」

 思わぬ提案に、私はちょっと驚いてしまった。

 「さっきの公園の様子だと、お姉さん公園で野宿でもしてたんでしょ?住み込みの仕事を首になったとか?」

 ………そこまで読まれていると………何だか情けなくなってきた………でも、事実だし……。

 「退魔士は言わば危険職ですけど、その分、報酬はいいですし、依頼者は大体国とかからですから、報酬を踏み倒される事もないですから不況にも強いですよ?」

 国?………大きな話になって来たな………。

 「それに、実際の退魔は私がしますし、今日はいませんけど、他にも二人雇ってますから、滅多なことではお姉さんに命の危険が及ぶ事はないと思いますよ?勿論、それなりリスクはありますけど、お姉さんのスキルと魔力なら、ちゃんとした装備を用意すれば、影狼だって倒せますよ」

 ………なんか、随分私の事を評価してくれている様な………そんな事って今までなかったな………中学生に雇われるって言うのは大人としてどうかと思うけど…………背に腹は代えられない状況でもあるし……………それに、私の身体の事も……遺伝子病だっけ?……を治す方法も

 「言い忘れましたけど、働いてくれるなら、お姉さんの身体の事もこっちで何とかしますよ?ただで」

 ただ?…………魅力的な言葉ね……………何だかここまで駄目押しされて断るのも……なんだよね。

 「分かったわ」

 私がそう言って頷くと、女の子は満面の笑みを浮かべ、

 「じゃあ、契約成立ね。これからよろしく」

 っと言って手を差し出し、小首を傾げた。

 「………そう言えば、ごたごたしてたから聞いてなかったけど、お姉さんの名前は?」

 ………言われてみれば、お互い名乗ってなかったけ?

 「あたしの名前は、相島(あいしま) 命子(みょうこ)………あなたの名前は?」

 握手をしながら名乗り、女の子に名前を聞く。

 「私の名前は『夜衣花(よいか)』。日本五大退魔士が一つ、『黒樹(くろき)』家の次期当主『黒き大樹の戦巫女』………ってお姉さんに言っても分からないか」

 そう名乗った女の子は、年相応の笑みを浮かべた。


                                            第一話『戦巫女と不幸な彼女』終わり

これで第一話『戦巫女と不幸な彼女』は終了です。

次話は、第二話『不幸な彼女と過保護な武装メイド』の予定ですので、引き続き読んで頂けると幸いです。

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