表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/32

第一話『戦巫女と不幸な彼女』6

  ★相島★

 高級車を買ってもお釣りが十分出る?………どんだけ稼いでるんだろうこの子………明らかに中学生ぐらいなのに………私より遥かに収入があるなんて………かなりショック…………退魔士って儲かるのね………私もなりたいわ。

 ちらっと周りを取り囲んでる影狼を見る。

 鋭い牙と爪が空を切り、コンクリートの地面をあっさり削ってた。

 ………前言撤回。なりたくないです。

 魔法陣の中心に立った女の子は、制服の内ポケットから携帯電話を取り出し………溜め息を吐いた。

 何となく気になって画面を見ると、『エレア』って人からの着信が履歴を埋め尽くしている。

 ………外人よね?……どう言う関係なのかしら?

 女の子は携帯を操作し、画面に地図を映し出す。

 その地図には黒い点が無数にあって………中心に黒い点が密集している事からすると、黒い点は影狼を表しているのはいるのは間違いないけど…………町中にいる影狼がここに集まり始めてない?

 「………これってまずくないの?」

 徐々に徐々に影狼が魔法陣の中に入り始めている。

 それと共に、魔法陣の外の影狼がまるで壁の様になって、後もう少しでドーム状になりそうだった。

 それでも女の子は辛そうな顔をしながら、

 「大丈夫。後はこの魔法陣の中に、この黒き大樹を」

 そう言って掌から黒い樹を生やそうとして………女の子はふらっと倒れ掛けたので、私は慌てて支えた。

 「大丈夫!?」

 「……変だな………何かいつもより魔力消費が激しい様な………」

 そう言いながら、女の子は、私を見た。

 そして、目を見開いて、ばっと私から身体を放した。

 ……?

 「お姉さん。もしかして!魔力吸収能力者?」

 「何それ?」

 「しかも無自覚って……………もしかして、身体のどこかに宝石みたいな石が出来てない?」

 どうしてその事を!?

 私が驚きのあまり目を見開いていると、女の子はやっぱりと言う顔をして、

「前に聞いたことある。そう言う病気があるって」

 「病気!?」

 「こっちの遺伝子病気だから知らないのは無理はないけど………確か『無意識魔力吸収蓄積病』」

 ……なにそれ………

 「周囲の魔力を無意識の内に吸収してしまって、体内に蓄積してしまう病気で………身体に出来る石は、魔力が圧縮されて物質化した『魔石』なの………多分だけど、影狼に食べられた所にも魔石があったんじゃない?」

 「………そう言われてみれば………確か、最近小さいのが出来てた様な………いつもの事だからあまり気にして無かったんだけど」

 「いつもの事って………」


  ★ヒロイン★

 これで納得した。

 お姉さんの傷の治りが異常に早いのは体内に蓄積された膨大な魔力が原因で、影狼が結界の力を超える程の力を持つ様になったのもそれが原因。

 …………でも、確かのこの病気の発病者って………大体が幼い頃に『重要器官に魔石が出来て死んでしまう』か、『魔力探知に特化した魔物に喰われる事』が多いって聞いていたけど……………どんだけ運いいんだろうこのお姉さん。

 ………とにかく、物凄くまずい状況になって来た。

 この病気の発病者は、周囲の魔力を吸収してしまう病気。

 その対象は、周囲を漂っている魔力をだけでなく、発病者に接触している魔力保持者の魔力まで奪ってしまう。

 それを触れる側の魔力保持者が意識すれば防げる程度の力なんだけど………私はそれに気付いていなかったから、バイクに乗って逃げている最中、ずっと魔力を奪われ続けていたわけで…………魔法陣の力を発動する為に取って置いたはずの魔力がなくなっていた。

 ………正確には、黒き大樹をコントロールする為の魔力だけど……………どうしよう………。

 今、私達を守っている魔法陣を、本来の目的で発動させる為には、大量の魔力が必要で……………ん?大量の魔力?

 ………あるじゃない。目の前に。

 思わずにやっと笑ってしまうと、お姉さんはビクッとした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ