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第一話『戦巫女と不幸な彼女』4

  ★相島★

 「あれを倒しながら進むの!」

 そう言った女の子は私の腰から片手を放し、一本の黒い木刀を『出現させた』。

 公園から逃げる時に、まるで女の子の手から吸い込まれる様に木刀が消えたから……もしかしてって思ったけど……あの木刀、女の子の中にあって、女の子の意思一つで出たり引っ込めたり出来る見たい。

 この子……何者なんだろう?

 そう疑問に思ったけど、そんな事を考えている暇はなくなった。

 並走する影狼の一匹が私達に向かって飛びかかって来たからだ。

 女の子はその影狼に木刀を突き刺した。

 その瞬間、影狼が霧散したので、私は驚くしかなく、

 「倒せるじゃない!」

 って思わず言ってた。

 「倒せるけど、あんなにいっぺんに一人で倒せって言うの?っと言うか、ちゃんと前向いて運転してよ!」

 「え!?あ!ご、ごめん」


  ★ヒロイン★

 別にいっぺんに倒せないわけじゃない………でも、『それ』をやると凄く疲れるんだよね………それに倒せたとしても、今、全部倒すのは難しいし………

 「うわ!何あれ!?」

 お姉さんの声に前を向くと、かなり遠くで、影狼が街灯とかの光で出来た影から続々と『這い出して来る』のが見えた。

 ……このお姉さん。退魔士として鍛えられた私並みに目がいいみたいね……本当に一般人?

 影狼は、その名の通り、影に関する能力をいくつか持っている。

 影の出来る場所なら、魔力さえあればいくらでも数を増やせたり、今みたいに影から影へと移動する事だって出来るんだけど………おかしいな……そう言う移動系の力も封じる設定を結界にしてたはずなんだけど………考えられる事は、結界の抑制を押し退けるほどパワーアップしてるって事だよね………このお姉さん、どんだけ魔力を持ってるんだろう?

 「ねえ!どうするの!」

 後にも、横にも影狼がいるのに、前からも影狼が迫る。

 このままじゃ。って事なんだろうけど……そんなの、答えは決まってるじゃない?

 「このまま直進!」

 「分かった!直進ね?って直進!?」

 「いいから任せて!」


  ★相島★

 任せてって………あぁもう!どうなっても知らない!

 横から後ろから飛び掛かってくる影狼を、黒い木刀で倒す気配を感じる。

 一撃で倒せるのはいいんだけど、一本だけじゃ、しかも、前から一斉に襲ってくる場合はどうするの?

 その答えは、直に出た。

 前に現れた影狼達が一気に迫り、一斉に飛び掛かってくる。

 まるで黒い壁の様に!

 ぶつかる!

 思わずそう思った瞬間、

 「はぁああああああ!」

 女の子の気合いの掛け声と共に、メキメキメキと、まるで『植物が急激成長するかのような音』が聞え、頭上で大きな風切り音がした。

 同時に影狼が全て掻き消える。

 その光景に思わず後ろを振り向くと、女の子は器用にバイクの上に立ち上がり、まるで居合抜きでもしたかの様な格好をしていた。

 そして、その振り抜けた手に、五本の『黒い枝』が生えていて、その黒い枝の先端には黒い木刀が絡み付いている。

 その枝には重さがないのか、結構な長さを横に伸びているのに、重心の変化は感じなかった。

 驚きのあまり、思わず

 「何なのそれ!?あなたこそ人間なの!?」

 って言ってしまい。すぐに、しまった!って思った。

 人間なの?って聞かれて、喜ぶ人間はいないでしょ?


  ★ヒロイン★

 お姉さんのもっともな質問に、私はちょっと苦笑した。

 まあ、同じ質問をしちゃったし、これでおあいこかな?

 ………とりあえず、

 「人間だよ!……只単、こう言うのを倒す事を生業としている退魔士だって、だけ」

 そう言いながら、私は黒い枝が生えた手を振りまわして、後や横にいる影狼をかき消す。

 「っで、その退魔士は一族ごとにそれぞれ独自の能力・退魔士能力を持っててね。私の一族は、この『黒き大樹』な」

 不意にくらっと来てしまい、お姉さんの肩に手を置いてしまった。

 「どうしたの!大丈夫!?」

 心配そうなお姉さんの言葉に、私は見えないだろうけど笑みを浮かべた。

 「大丈夫。ちょっと疲れただけ………」

 「疲れた?」

 「うん。この樹、体力を結構消費するんだよね………お姉さんに会う前にも結構使ったから、そろそろ限界かも………」


  ★相島★

 「限界って………」

 不安な言葉を口にする女の子。

 でも、女の子は私の肩に置いている手にギュッと力を入れ、

 「大丈夫……後もう少しで、終わるから」

 って言った。

 それと同時に、前方に大型スーパーが現れる。

 「お姉さん。あそこの駐車場に入って」

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