第一話『戦巫女と不幸な彼女』3
★???★
体中に満たされる膨大な魔力。
それにより今まで感じた事がないほどの力がみなぎるのを感じ、影狼は高まり、一気に増えた『分裂体』と共に一斉に遠吠えをした。
★相島★
遠くから物凄い数の遠吠えが聞こえる。
急いでたからヘルメットはしていないけど、走ってる最中なのに聞えるって事は………とんでもない音量のはずなんだけど………町の方に何の変化も起きていなかった。
深夜だから寝ている人がほとんど何だと思うけど………それにしては反応が無さ過ぎるし………何なこれ………夢?……そんなわけないか……だって、もう痛みは引いたけど、あの痛みは本物だったし………。
「次の十字路を右に曲がって!」
大声で私に行先を指示する女の子。
私はその指示に素直に従いながら、
「どこに向かってるの!?」
「あの影狼を倒せる場所よ!」
質問すると女の子は律儀に答えてくれた。
「影狼?」
「あの黒い狼の事!!」
「……ねえ、あれっていったい何なの!?」
「知らないの!?そんなに膨大な魔力を持ってるのに?」
「魔力?魔力って魔法とかそう言うの?」
「そう言うのだけど………お姉さん。本当に何も知らないの?」
「えっと……知らないっと思う」
★ヒロイン★
どう言う事?本当にこのお姉さん何も知らないみたいだし………これだけ膨大な魔力を持っていながら、今の今まで『こっち側に関わってこれずに済んでるなんて……ありえるの?今回みたいに、その魔力のせいで結界内に入っちゃったり……とか………運が良いのか悪いのか………
私は周囲を警戒しながらお姉さんの言葉の真偽を考えていた。
……でも……考えて見れば、共鳴率を上げるまでお姉さんの魔力を一切感じなかった………これってとんでもない『隠匿性』を持ってるって事だよね………なら一般人のままでいられたのは………納得出来る事かな?
そう結論に至っ時、後ろから無数の気配……殺気を感じた。
★相島★
「お姉さん!もっとスピードを上げて!!」
不意に黙った女の子が、また不意に大声を上げた。
「ここま町中だよ。そんなにスピードは………」
って言った時、バイクの横を何か並走し始めた。
釣られて視線を向けると………そこには物凄い数のもの影狼が!
何で!狼だからってバイクの速度に追いつけるはずが!?
「お姉さん!」
耳元で再び大声で呼ばれ、私ははっとして、バイクのスピードを上げた。
★ヒロイン★
………仕方ない……
「お姉さんバイクの運転上手いよね」
「え?あ!うん……国際A級ライセンス持ってるからね」
うわぉ!何この人!そんな物を持ってながら、何であんな公園に一人でいるわけ?………って、今はそんな事とに驚いている場合じゃないや……とりあえず、それだけの技量があるなら、
「じゃあ、私が多少暴れても平気よね?」
「ちょ!何をする気!」
「決まってるでしょ?」
私が視線を影狼に向けると、影狼の大群が徐々にバイク近付き始めてる。
「あれを倒しながら進むの!」