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革命の炎~Another world revolution~  作者: 暁月 悠
プロローグ
3/3

炎と古代林の邪竜

古代林に到着した俺は、さっそく目標の草食動物を探していた。

今回受けたクエストの目標は、古代林に生息する草食動物『ケルフ』だ。温厚な動物なので危険はないだろう。


「…お、見つけたぞ」


群れで行動しているケルフを発見した。さっそく近づいて角を手に入れようと走っていく。


「ごめんな、俺も生きていくのに必死なんだ…」


少し可哀そうだが、俺も生きていくためにやらなければならない。ただ殺しはしない。殺す必要がない。


数分がたち、目標数まであと1つになった。最後の一匹を探して古代林の奥深くに入り込んでいく。


「――いた!」


最後の一匹を発見し、クエストの終了が目の前になって足が速まる。駆け足でケルフに駆け寄る俺の前の地面に―――一瞬で大きな亀裂が出来た。

目の前にいたケルフも地面と共に肉片となり、砕けた地面を赤く染める。

俺が恐る恐る辺りを見渡すと―――


「―――!!」


大きな牙を生やした竜がそこにいた。


「……マジかよ………」


俺は腰を抜かした。魔法も使えない、剣技もまだ拙い、仲間もいない。そんな状態の俺が、この獰猛な竜にどう太刀打ちすればいいというのか。しかし恐らく逃げることも叶うまい。戦う以外の選択肢は残されていない。


「さぁ…どう戦う…?」


こちらを見つめる竜と正面から対峙し、戦い方を考える。

しばらくすると、竜は鋭い爪を生やした前足で俺を殺しにかかってきた。


「はぁッ!!!」


俺はそれを反射で回避した。避ける前に俺が立っていた場所の地面は抉れ、奥にある木も折れていた。

俺はその攻撃力に対し大きくひるみ、膝震え始める。


「くそ…どうすれば……」


竜は容赦なく大きな尻尾で俺を叩きつぶそうとする。

またしても俺はそれをギリギリで回避した。そして今度は、竜の尻尾が地面にめり込んで抜けなくなった。


「…!今だ!!」


俺は手に持った剣を大きく振りかぶって尻尾に斬りかかる。しかし――


俺の剣は二つに折れた。


竜の尻尾の硬さに俺の剣の硬さが負け、剣は使い物にならなくなった。

俺はここで真に絶望した。戦う手段もなくなり、逃げることもできない。終わりだ。

竜の前に膝をつく俺に、竜は無慈悲に前足を振るう。それをまともに食らった俺は容易く吹き飛び、大きな木に激突する。その衝撃に内蔵の位置が動く感覚を覚え、地面に倒れこむ。


「がはッ……」


竜は地面から尻尾を引き抜き、俺に歩み寄ってくる。俺はもう体に力が入らない。剣を握る事すらままならない。ここで死ぬとしたら、俺は何のためにこの世界に召喚されたんだろうか。

立つことすらできない俺に、竜は尻尾でさらに攻撃する。

重い腕をとっさに動かし、頭部への直撃を回避する。しかしその強力な攻撃に俺の体は浮き、またしても俺は地面に転がる。体中をすり剥き、小石に斬られた肌からは赤い血が流れている。さらに、俺はさっき地面を転がった時に剣を手放してしまった。そしてその剣は、獰猛な竜の足元に落ちている。


「…くそ」


俺は全てを諦めた。戦うことも考えることも辞め、目の前に迫る『死』を受け入れようとした。

そんな俺に竜は止めの一撃を放とうとする。


――その時だった。


どこからともなく飛んできた弓矢が、竜の眼球を見事に射止めたのである。

その激痛に竜が怯み、体制を崩した。そしてその竜に追い打ちをかける一撃を、弓矢を放った女の後ろから出てきた男が叩きこんだ。


竜はその一撃に倒れ、血を流して唸る。女と男は俺のもとに近寄り、何やら魔法のようなものを使い始めた。


「大丈夫。少しじっとしててね」


その魔法の光に当たった所の傷は癒え、痛みもすぐに消えて行った。俺は何事もなかったかのように回復し、すぐに立つことが出来たのだ。


「よし、お前は遠くで見てろ」


「さぁ、悪い竜は対峙しちゃうわよ」


二人の『戦士』が、獰猛な竜と向き合い、武器を構えた。

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