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言葉遊び

「術に関しては多少の素養はあるようだから、やっぱり俺らのこと気になっちゃうわけ?」

シャツを着たサメに、騎士はちょっかいかけられた。

シャツには「う」と書かれている。

「気にならないと言えば…まあ、嘘にはなりますね」

「何かしらの法則と自分達を結びつけて、何かを起こしているのはわかるだろう?」

「しかし、なんでそのお姿なのか…ええっと」

ポツポツ

雨が降ってきた。

「小雨だ」

「はい?」

「こういう雨のことを日本語では小雨というんだ、兄ちゃんはここでの生活慣れたか?」

「はい、快適でございます」

騎士と主人の息女である姫巫女は、八千代の庭にある、客人をもてなすための屋敷に案内され、そのまま滞在している。

「あのままでは冬を越えるのは…難しかったと思います、小雨様たちのおかげで助かりました…」

名前の呼び方には自信はなかったので、反応を見ると。

「うん、そうしてくれる?でもさ、その名前もさ、このシャツもそうだけども、サメ子と二匹並ぶときは見分けつきにくいからってことから始まったんだぜ」

船乗り辺りだと、ヒレの違いや大きさ(小雨の方が十センチばかり大きい)ので見抜くのだが。

「海に落ちた者を救助したという功績の表彰をしたいのだが、遠くから見分けつくようにしてくれ!」

それで船乗りがシャツを着せて。

「こっちがサメ子だから」

と役人にいったのにも関わらず。

「サメ子…と」

シャツの背に字を書いた後に、困った。

こっちのサメの名前を知らない。

(小さいから小サメでいいか)

この時、サメ子と書かれた方が小雨の方であった。


「この姿の時の名前決めてなかったから、小雨でいいかってな」

「今日、小雨様が身に付けられているシャツもそうですが、先日サメ子様が身に付けられていたシャツの文字も、お二方様のご本名を指したものではないのですか?」

「そうだよ」

逆鱗に触れたかもしれないと思ったが、あっさりと認めた。



登場人物の紹介


・小雨

八千代の庭に訪れているなど、お忍び際にはサメの姿をしている。

サメ子よりも十センチぐらいでかい。


・騎士

サメに慣れたつもりでも、夜の暗がりでゆらりと動いているところを見ると、間違えそうになる。



「先日サメ子様が身に付けられていたシャツの字は『サから始まってメで終わるもの』あれは何なのか?と気になったものですから」

「言葉遊びって奴だ」

「ということは?」

「考え聞かせなよ」

「小雨様のご本名はサから始まってメで終わる、真ん中の文字が『う』の奇数ってことですか」

「当たり」

「でもよろしいんですか?このようなことを私に話しても」

「構わないよ、これぐらいは当てれるようじゃないと、俺らがつまらん」

「あれ、声が聞こえると思ったら、もう来てた?」

そこにサメ子がやってくる。

サメ子のシャツの文字は『サとメの間』であった。

これを先に見ていれば、連想するというものだ。

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