駄文作家という道化師
ところで、あの駄文作家がどんな小説を書いていたか知りたいのかい?
ああ、標準レベルの小説だと思うよ。
でもな、殆どの人が「読みにくい」と言うようなシロモノだぜ。
当然、『例の人格否定』の前の感想の中にも所謂辛口感想がいくつもあったよ。
ああ、その時も絶望していたぜ。
でもな、僕はその時こう思うことでその場を凌いだんだ。
ここにいるのは敗北者
ここにいるのは狂人
向上心? そんな物、当時の僕にはないよ。証拠にそんな感想を送った人全員ブロックしてるしね。
もちろん表では『感想ありがとうございます!』と何の変哲も無い返しをしていたよ。当たり前じゃないか、せっかく読んでくれた人を否定したら読まれないんだもの。
そしてその時もツイッターでは元気なフリをしたよ。『やりますねぇ』とか『黒塗りの高級車』と言えば、そのことを気付かれずに済む。
どうだい、自分に被害がない完璧な対応だろう。おまけに、否定されたのは小説であって僕ではない。万が一、精神汚濁が起きてもすぐに何処吹く風さ。
そんな道化師の面を『例の人格否定』は悉く砕き去ってしまったのだ。
そりゃあ僕は筆を拒絶するよ。
もしかしたら次は君の番かもね、そこの道化師さん。僕は君の味方さ。
だけどそのひん曲がった筆が君を拒絶するかどうかはわからないよ。
だって……、『小説』を書くのが好きなんでしょ。ならしばらくは道化師になってもいいんじゃない?
羨ましいよ、そういうの。