第七話
9月18日 2時
空母大鳳 艦橋
「ふぅ……」
片手にコーヒーカップをもちながらやけに高いイスに座っているのは艦長の堀である。
(異世界に転移ね……こう海の上にいるとそんなこと忘れちまいそうだ。)
「艦長、ここにいたのか。」
「あ、剛健司令。」
「堀艦長もここが好きみたいだな。」
「はい、暗いCLCより海が見えるここがいいです。」
「そうか…たしか堀艦長はF/A-18ホーネットだったか?」
「はい、ホーネットに7年やってました。」
((あまり知られていないが空母の艦長はパイロット、飛行司令をやり、操艦術、航海術を学び、空母副艦長をやった後に艦長をやることが多い。))
剛健と堀は他に誰も居ない艦橋で語り合った。
空母 大鳳 とある一室
「おお~~~、スッゲ~、なんで~~?」白衣を着ている女性は妙に興奮して機器の計器を見ている。
「なんで!!地球の植物しかないのよ。」
その隣にいる女性は怒っていた。
「本当、なんでなんだろうね。今のところ地球と同じ植物、菌、虫、小動物まである。」
「ありえない!!何で異世界来たのに地球と一緒なのよ。」
「どうどう、とりあえずレポート書いておこうよ。」
「……そうね。」
空母大鳳 艦橋
ピーピー ガチャ
「こちら艦橋、堀だ。」
『CLC、松永です。』
「どうした?」
『サンプルの鑑定結果が出ました。』
「ほう、速いな…で何てでた。」
『すべて地球と同じだそうです。菌から小動物まで。』
「わかった。報告はしたか?」
『はい、しました。』
「ごくろうさん。早めに寝ないと肌に悪いぞ。」
『余計なお世話です。失礼します。』
「……まったく。」
堀は少しコーヒーを口に含み味わって飲む。
(もう少しで陽が出るな。)
白い館 5時30分
館の主は朝食をとっていた。
「総理…、失礼朝食中でしたか。」
「いや、かまわん。何か報告か。」
「はい、UAVを使い外界のサンプルを入手し鑑定しました結果、地球とまったく同じだそうです。」
「そ、そうか。ひとまずよかった。」
伊部は一つの懸念が片付いたことに少し肩の力が抜けた。
「よし、ペンタゴンに連絡Goだ!!」
ペンタゴン 5時40分
「白い館から
陽はかくして昇る。
だそうです。」
「…誰が考えてるんだそれ。まぁいいや、エリア51にいる彼に伝えといて。」
エリア51 5時50分
「ペンタゴンから陽はかくして昇る、だそうです。」
「…ん…。」
「はい、では…。」
「司令、出発は7時間後になります。」
「了……集……。」
「は、ミィーティングを行う搭乗員は集合。」
5分後……
「司令、全員集まりました。」
「ん…発憤興起。」
「は、総員気を引きしめ奮い立たせて任務にあたるように。」
β大陸沿岸 6時30分
朝日が射し込み2種の島々を照らし始める。
一方は淡路島サイズの島々。
もう一方は灰色の島々である。
揚陸指揮艦 大淀
「各艦、揚陸を開始せよ。」司令がそう言うと、強襲揚陸艦天龍型3隻からLCACが次々と出てくる。天龍型は全長273m 全幅42.7m 排水量4万5000t でLCAC-1級エアクッション型揚陸艇を4隻、あるいは機動揚陸艇15隻を収容、運用できると同時に三千人の海兵隊を収容できる。今回の任務では全艦LCACを搭載している。
上空にはAH-1Zヴァイパー、F-35Bが護衛としてついている。LCACが12隻揃って上陸することはほぼなかったが何とも壮観な光景が広がっていた。今回の揚陸は即席の基地を作るためほとんどは重機だ。
「急げ、今日の夕方にはある程度は完成させるぞ。」
ついでにいうと日本の海兵隊は万能であった。そこらへんは日本陸軍と同じである。のべ九千人の海兵隊は順序よく作業をこなしていった。
空母大鳳 8時
CLC
「このままいけば14時には終わるだろう。静司令が来るのが15時…何とかなるだろう。」
「第二次UAV部隊発艦を開始します。」
「さて、ここまでは順調だな。」
「艦長!!巡洋艦阿蘇から連絡、本艦隊に接近している飛行物体を捕捉、数は7です。」
「どれぐらいで接触する?」
「このままですと後5時間後に接触します。」
「司令、恐らくβ大陸から飛んで来たと思われます。」
「うむ、まだ様子を見よう。それとペンタゴンに連絡。」
ペンタゴン
「イテテテ…。」後藤准将は腰をおさえながら歩く。その姿はどこかなさけない。
「くそ、雪のやつ手加減も何もあったものじゃないな。」そんな彼が執務室に入ると副官がニマニマしていた。
(顔に昨晩はお楽しみでしたねと書いてあるぞ。)
副官はにらむ彼を置いとき報告書を渡す。
後藤は表紙を見て真顔になる。
『異世界文明の接触可能性について。』
表紙にはそう書かれていた。
「………来たか、いずれこうなると思ったが、速いな。」
報告書を一通り呼んだ彼はまず初めにそう言った。
「ヘリを用意してくれ、白い館に行く。」
副官にそう言い残すと彼は執務室を腰を抑えながら出ていった。




