第六話
続けていきます。
第一水陸両用戦隊
揚陸指揮艦 大淀
「これよりミーティングをおこなう。着席。」
司令官がそういうと一系乱れない動きで着席していく。
「では、今回の作戦を言いたいところだが全体の作戦内容は機密にふれるところがある。よって諸君に説明できるところは説明する。
まず、第三海兵隊は明日の朝日が登りしだいLCACに乗船し揚陸する。その後各自割り当てられた役目をはたしてもらう。これからプリントを配るそこに割り当てられた仕事内容が書いてある。」
司令官がそういうと横に控えていた兵がプリントを配る。
配られたプリントは各自内容はまったく違うものだった。
「質問がなければ解散する。」
部屋の後ろの端にいる兵が一人手を上げる。
「では、特殊小隊長以外は解散。」
司令官がそういうと次々に退室していく。
部屋に誰も居なくなったを確認した後、司令官は口を開く。
「さて、君の質問はわかっている。なんでプリントが白紙なのかだろう。」
「……」
「沈黙は肯定とみるぞ。実を言うと私もなにも知らんのだ。詳しくはあそこにいる情報局から来た参謀に聞いてくれ。」
そういうと司令官は退室した。
今部屋にいるのは輝と情報局から来た事実上参謀とされる男性のみ。
「ペンタゴンから書類を預かっている。」
彼はそういうと懐から茶封筒を取り出し輝に渡す。
「では、私はこれで…。」
彼は握手した後去っていった。
(…さすが、情報局から来ただけあるな。)
輝は握手した手を開く。
そこにはメモ用の紙があった。
強襲揚陸艦 天龍型 二番艦 龍田 19時30分
龍田は天龍型の二番艦である。
全長274m 全幅42m 排水量4万5000tの艦である。
前の世界では小型空母以上の能力をもつ艦でもある。
そんな甲板にUN-1N汎用ヘリコプターが降り立った。「ふぅ戻ってきたな。」輝はヘリから降りた後すぐ艦橋にある扉のなかに入った。
自室に戻っていく廊下で突然電話がかかってきた。
(誰だろう?とりあえず出るか。)ガチァ
「は『輝か!!俺だ。後藤だ。』、どうしたの?」
『とぼけんな、お前だろ信濃にあんな情報吹き込んだの。』
「ん~なんのこと?まったく覚えがないな~(棒読み)。」
『白々しい、確かにこの前のことは悪かった。だがお前やり返しすぎだ。』
「やられたら、やり返す2.5倍返しだという名言を知らんのか。」
『知らんわ!!とりあえず、舞に頼んであの化け物止めてくれ!このままだと本当にヤバイ!』
「なんだ監禁されたか?」
『大当たりだボケ、隙ついて抜け出して予備の衛生電話使ってしてるんだよ。』
「とりあえず、わかった場所を言ってくれ車かヘリ手配するわ。」
『助かる。場所はペンタゴンの隠し屋上だ。出来ればヘリで頼む。』輝は別の電話を使いメールを送った。
「今、メール送ったからすぐ来ると思う。」
『すまん、恩にき バタン!! 長順さ~ん。ミーつけた。』「雪中佐がな。」
『は、謀ったな~~ヒカーールー!!』
「はは、君の行いがいけないのだよ。」
『ぐぅ わ、私とて誇りある日本兵だ!うぉーーーーーーードス…ドサ………カツカツ…情報提供感謝します。』
「いえいえ、では御休みなさいませ。」
ピッツーツー
「ふぅ………ボウヤだからさ。」
「なにが?」 (!!!!なっいつの間に!?)
輝は後ろをとられたことに少し動揺する。気配を感じなかったからだ。誰だろうと振り向くとそこには見慣れた馴染みがいた。
「な、なんでいるの?というかいつからいた?」
「えっと輝に会いに来たよ。『どうしたの?』から聞いてたよ。」
輝は驚愕した。彼は世界一の錬度、兵力、兵器を誇る日本軍の中でも最強と名高い特殊部隊 幻 の小隊長をやっている。少なからず自負があった。それを目の前の女性、信濃大佐は砕いた。
「どうやって来たの?」動揺はなくなった。
「え、普通に戦艦信濃で来たよ。」
(いろいろ突っ込みたいけど突っ込んだらそこは迷宮だ。下手に突っ込んだらだめだな。)
「で、何か用?」
「うん、とりあえず部屋に入ろう。」
妙にソワソワしながら俺の部屋のドアを開ける。
(どうやって開けた?)
輝の疑問を置いて信濃は輝の背中を押し部屋に押し込む。部屋の中は真っ暗である。と、突然後から衝撃がきて意識がブラックアウトする。最後に見たのは信濃の満面の笑顔だった。
意識が浮上する。
「は!?」輝はしばらく訳がわからずボーとしていたが段々思い出してきた。
「ここは…どこだ?」身体の自由が効かない。
「あ、起きちゃいましたか?さすがに特殊部隊小隊長ね。」声の主は信濃だった。
「信濃これはいったい……なんの冗談だ?」
輝は信濃の格好を見て愕然とした。そこには美しい裸体があった。
「ふふ、これはお仕置きよ。」
(お仕置き?)
「後藤くんから聞いたわよ。あなた有給とっていったんですってね。」
「……えっと…、それはね~あーとね。」
「言い訳無用」
「グワァーーーー。」
翌日、輝は少しやつれ、信濃は艶々していた。
とある飛行場 20時
ここは軍が最近まで存在を認めなかった飛行場である。しかし、そのあまりにも広大な基地だけに隠せていなかった。世間ではUFO関係の噂が流れていたが実際には日本軍の新鋭機開発を行っていた基地である。9000m級の滑走路がある飛行場のいっかくでとある機体の整備が進んでいた。
「こんな機体にこんなの詰め込んでどうするんだ?」
「さぁ、そんなもの知ったところでろくなことないぞ。」「たしかに…。」
二人の整備員の目の前に巨大な機体があった。
≪富嶽≫
世界最大の機体につけられた名前である。
全長96m 全高25m 翼幅113m
6発のエンジンはそれぞれ独立して翼の下にある。
今は機首を開けて積み荷を積んでいた。積み荷のほとんどは重機である。
こんな機体が15機揃って飛行準備をしているのだから凄まじい。強襲揚陸艇 富嶽 は来る時にそなえ着々と飛ぶ前準備をしていた。