第二話
9月9日 14時
スクランブル発進したU-2Sはパナマ運河があったと思われる場所を飛んでいた。
「…隊長、自分は夢を見ている気がします。」
「本当にここなのか?もう一回調べろ。」
「……隊長、何度やっても同じです。」
「…わかった。ありのままを報告する。」
彼らの目にうつったのは水平線まで続く海だった。
同時刻 ペンタゴン
「司令、衛星の通信が回復しました。映像を送ってきています。」
「本当か、よし映像を画面に映してくれ」
「了解」
5つある大画面のうち1つに映像かうつった。
「な、……これは。」
衛星がうつしているのは元々ヨーロッパがあるはずだった。しかし、衛星の映像は似ても似つかない大陸があった。
後藤はあらかじめ予想していたとはいえやはりショックだった。が、すぐ思い直し指示をだす。
「衛星をフルに使い情報を集める。」
そう言うと手元の電話をとり首を長くして待つ人に報告をする。
白い館 15時
プルルル…プルル
ガチャ
「伊部だ。ああ、待ってたよ。……わかった。ああうん、頼んだ。では…。」
彼は電話を切るとさっそく送られた画像を転送した
すると対策本部が置かれている会議室のスクリーンに画像か写し出された。
「おお―」 「これは…。」
写し出されたのは北アメリカ大陸以外地球に似ても似つかない地図だった。
伊部は説明を始めた
「これは今の我々がいる星の地図だ。」
「で、では我々は本当に転移したのか。」
財務大臣の佐相が言ったのをきに
閣僚はそれぞれ考えたことを爆発させる。
「経済はうまくまわるのか?」
「海外に行った人の行方は?」
「環境はどうなんだ?」
「未知の病気があるのでは…」
人間、言いたいことを言ったあとは疲れる
結局
「先ずは国内の安定をはかりつつ、現れた陸地等を調査する。その後調査隊を派遣する。」
という。無難な案に落ち着いた。
同日 19時
マスコミが集まった記者会見場は様々な憶測がとんでいた。それもそのはずでスマートフォンが光ったと思ったら「外国の」がつくものは全て消えたのだから。
そんな中、伊部総理を筆頭に閣僚が入ってきた。
それを見計らうと記者は静かになる。
会見場は嵐の前の静けさである。
「一つ、会見を開く前に重大な発表をする。
今から、私のする話をよく聞いてもらいたい
本日、12時頃、日本は…異世界に転移した。」
伊部がそう言うと記者たちは一気に質問を開始する
会見場はあの静けさが嘘のように嵐のような質問の応酬である。中には野次をとばしたりマスコミらしからぬことをする人も見受けられた。
そんな中記者会見が始まる。
「総理、総理は転移したと言われますがその根拠は?」
「具体的には星の位置が異変前に比べ全く違うこと
と、衛星の画像を見るに北アメリカ大陸及びハワイ県以外の陸地は異変前に比べ全く違うことがあげられます。」
「総理、原因はわかっているのですか?」
「残念ながらわかっておりません。」
「総理は今後日本国外に調査隊を派遣するつもりはありますか?」
「あります。」
「調査隊の編成は?」
「第一段階としては衛星、または空軍による偵察。第二段階としては無人機、自立型無人機母艦のよる偵察。
第三段階として調査隊を派遣することを考えております。」
「調査隊に民間人を入れる考えはありますか?」
「現在検討中です。」
「総理、国外に国があった場合接触を考えてますか?」
「考えております。ですが無闇に接触はしません。
この世界には未知の病気がある可能性があります。
よってまだ何もわからない以上接触は避けます。」
「総理、…………
記者会見は二時間にも及んだ。
日本はいまだ手探り状態である。
この世界でいかにして生きていくか。
伊部の長い政治家人生の中で最も困難な仕事が迫っていた。
しばらくは日本のみです。




