物語が始まる前に…
いきなり説明話です。主に主人公どもが活動するギルドのことを話します。
佐十 広は日本政府所属 非公式 ギルド NEETの団員である。
どんなとこかというと働きたくて仕方ないのに仕事ができない。そして生活保護を受けることが出来ない人が国の一定の審査の元、資質があるもののみ入団が認められるギルドである。なにが求められるって?それはその人次第だ。
あらゆる手当(保険、交通費、食事、経費無料)はあるが日当は基本無し。しかもそれすら目標を達成できなければ全額没収される。そのかわり達成できればその働きに応じた報酬が約束される…
ただし、このギルドの損耗率は5割を上回っている。大きな原因は2つある。
1つは単純に困難なミッションが要求される。中には『おまえら、死んで来い』という副音声が聞こえるようなミッションもある。もちろん断ることもできるが優秀な団員が多数殉職すれば自然と次回の生存率が下がる。それにやりたくなくてもやらざるを得ない場面も存在する…NEET隊員は必然的に死地にいかざるを得ないのだ。
もう一つ、このNEETには最も残酷なルールがある。例をあげてみよう。
例、5人の隊員が同じミッションを受け、最終的に7日後にすべてのミッションを完遂。しかし生存者は1名のみ。
さてここで問題。残った1名は死んだ4人の分の報酬を貰うことができるのか?
答えはYes。しかも死んだ4人の功績分の報酬も貰える。これのどごが残酷なのか?うん。一見すると生き残った1人の心労と精神的損耗から死んだ4人の分まで支払があっても問題ないだろって思いました?
実はこれ、仲間を殺して報酬を受け取っても問題ないんだよね…いや流石に露見すると処罰受けるが…
考えていただきたい。ミッション1回あたりの報酬は1人辺り100万前後。おおスゲー大金じゃんて思った貴方。それを200回位やる自信ありますか?難易度の大小あれ命懸けですよ?私(作者)は1回すら果たせず死ぬ自信がある!
だからこそ裏切りが発生する。だってそうだろ?こんな仕事、長く続けられるわけがない。 遅かれ早かれ死んでしまう。こんな仕事、正気な人は今すぐ抜け出したいに決まっている。
だから仲間を殺し、報酬の増大を狙う。
…とまあこんな感じの職場です。これが佐十 広の非日常である。この物語は彼らの希望と絶望の狭間でどうなるかという話である。
さて説明は終わった。物語を始めよう。