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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

おっさんがTSして百合ハーレムを作るお話(嘘)2

作者: りちうむいおん

 聖一郎が女の子になってから3日が経過していた。

 女性社員の欲望の果て……という部分もあったのだが差し入れされた服に袖を通して聖一郎は仕事をしていた。


「何で40歳になって、ブラジャーをしないといけないんだ……」

「……部長、今ので今日は五回目ですわ。女性の苦労がおわかり頂けましたか?」

「陽子さん……少なくとも私は一生、こんなもの経験するはずがなかったんですよ?」


 そうサクサクパソコンに打ち込んでいく人妻である陽子に聖一郎うめいた。

 今日は三日目という事もあって、もとに戻れるはずなので一応自分が普段使っているスーツを着てきた。

 本当に戻れるのか、そんな不安が聖一郎の脳裏に浮かぶも、それをすぐに打ち消した。


「私は男に戻るんだ。私は元に戻るんだ。私は元に戻るんだ」

「そんな事言って部長、いいじゃないですか、女の子」

「同じ管轄部署の女性社員である深春みはる、23歳。もう少し大人になろう」

「私は十分大人です! 心はいつだって部長のものなのに。しかも部長が念願の女の子に!」

「短い期間の夢で終わるから、さあこれを片付けておいてくれ」

「……部長のいけず。そんな事を言うと、三人でまた襲いますよ?」

「……給湯室に行かなければ問題ない」

「ふふ、わかってませんね、まあいいや」


 意味深なことを言って深春が去っていった。

 これでようやく仕事が出来る、そう聖一郎はほっと一息ついて背のびを一度する。

 胸についた脂肪の塊がぷるんと揺れた。

 ああ、邪魔だ。

 ふと思ってしまったその言葉に、聖一郎は愕然とした。

 今私は、これに対して何と思った?

 確かにおっさんと言っても男である聖一郎。

 それが嫌いではない、むしろ好きだった。

 だが……今自分は。

 恐ろしいことを考えてしまいそうになり、聖一郎は必死になって考えるのを辞めた。

 そこで今度は里奈がやってきて、


「部長、お茶を持ってきました。だからマッサージさせて下さい!」

「……茶はいらないからマッサージもなしだ」

「酷い! きっと肩がこっていると思ったのに」

「……言われてみれば、どうして分かったんだ?」

「ふふ、とてもいい方法が……」

「これが追加の仕事だ」

「……部長のいけず」

「仕事の采配も私の仕事だ。ゆくが良い。早めに終わればまた皆で飲もう」

「はい!」


 里奈が嬉しそうな声を上げて頬を赤らめながら去っていく。


「良い傾向だ。残業時間無しでこの姿になってからみんな頑張ってくれるからな」


 聖一郎はうむと頷く。

 その時間内に仕事を皆頑張って終わらせてくれるので残業なしで、飲みに行く時間があるのである。

 最近近所に出来た料理が美味しくて中身の割に安い飲み屋。

 そこに行くのがここ二日ほどの日課だった。

 何でもそれがご褒美らしい。


「飴を下さい」

「そうです、飴を!」


 男の部下である、体育会系な京や他の部下にせがまれ、そうなってしまったのだ。

 確かにこの部下二人が夢中になるのも無理は無い。

 鏡を見た聖一郎は、ものすごい美少女である。

 歩いているだけで男も女も振り返るくらいの。

 このまま美女として人生を全うしていてもいいのだが、やはり男として積み上げてきた今までの実績を鑑みれば、男に戻りたい。


「今日で見納めだから、まあいいか」


 聖一郎は一人呟いたのだった。






 居酒屋に来たが聖一郎はまだ女の子。

 そしてそこそこ酒に強い方であったのだが、


「このおちゃけ美味しい……」

「酔っちゃった部長、可愛すぎるわ。……ちょっと襲おうかしら」

「こんな無防備で眠っているんですものね」

「私達を惑わす部長がいけないんです。……このまま一生部長を、囲ってしまえればいいのに」


 そう呟く深春に、クルッと里奈と陽子が顔を向けて、


「いいわね、こんなに部長は素敵なんですもの。ほら、肌だってすべすべ」

「酷いわ。私は毎日お化粧したり色々しているのに……」


 そうイイながら二人は、酒によった勢いで怖いことを口走っていたのだが、と、


「皆にはいつも、助けられている。ありがとう……むにゃ」


 そこで酔いが回った聖一郎は倒れた。

 けれどそんなことを言われてしまえば彼女達も襲うことができず……。


「せめて、寝ている間にキスでも奪ってしまおう!」

「「「おー!」」」


 そんな酒に酔った部下達が、元気よく声を上げたのだった。






 聖一郎ははっと目を覚ました。そして自分の体にふれて……。


「良かった、男に戻っている。……全部夢か?」


 そう思って周りを見ると、幾つもの女物の服が置かれており、ついでに置き手紙が。


『部長が酔いつぶれた後、私達でじゃんけん大会をして、一人づつ皆キスしました。でも部長元に戻っちゃったんですね。また女の子になってくださいね  by 深春』


 二日酔いの頭痛のせいでこんな幻覚を見るのだと聖一郎は諦めた。

 そしてすぐにその書き置きを丸めて、ゴミ箱に捨てる。

 時計を見てそろそろ支度をしないとと、聖一郎は一歩、二歩、三歩と歩いて行くが……突然胸に重みを感じて、自分の手が小柄なものに変わる。


「おい、どういうことだ」


 聖一郎はぎょっとして、もう二歩ほど歩くと男に戻る。

 冗談ではないとすぐに聖一郎は出社して、この原因となったものと取扱説明書を見ると、


「極稀に、副作用が残って女に時々なります、だと?」

「え、いいじゃないですか部長。深春は嬉しいです」

「……もう、責任とって結婚しろ。私と」

「いいですけれど? 部長好みですし」

「……冗談だったんだが」

「私は本気です」


 深春がニコニコ笑うがその瞳には不穏な気配が見て取れる。

 それに聖一郎がため息を付いて、


「まずはデートから」

「はい!」


 こうして、新しいカップルが出来上がったのだった。





「おしまい」

これでおしまいです。リクしていただきありがとうございました (*´∀`)ノ。

そしてここまで読んで頂いた皆様に感謝を (*´∀`)ノ

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