第4話 予兆?
この日私は、バラエティー番組で明花と一緒に共演した。仁美に言われたあの時から警戒心が強くなっていた。収録が終わった後に明花に声を掛けられた。
「お疲れ。」
「うん。」
私はそのまま行こうとした。でも…。
「待ってよ。一緒にご飯でも食べに行こう?」
「え?ごめん次の仕事があるから。」
「そう。なら1つだけ聞いて良い?」
「何?」
「原田さんはどうなっているの?」
「…聞いてどうするの?」
怪しい。
「ううん。何でもない。てか今日笑わないね。何で?」
「そういうときもあるのよ。」
私はそう言って局を出た。
その後、私は仁美に仕事の報告をした。
「仁美の言うとおりだったわ。明花は裏がありそうね。」
「はい、念のため加守田さんの関係者には気を付けてください。原田さんが心配ですから。」
仁美は私のスケジュールを厳重にさせた。
「私のスケジュール、頼んだよ。」
ブーーーー、ブーーーー。メールだ。ドラマの監督さんからだった。
“明日の撮影は中止となりました。”
“何でですか?”
「誰ですか?」
「ドラマの監督さんから。何だろうね。」
“入院したんだ。誰かに頭を殴られて…。”
「監督さんが誰かに頭を殴られたって。」
「え…。」
“誰にやられたか本当に覚えていないんですか?”
“原田さん、ごめんよ。覚えていないんです。”
“ありがとう。”
私は仁美に向かって首を横に振った。
次の日、監督さんの入院先にお見舞いに行った。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないよー。死ぬかと思ったよ。」
監督さんはリンゴを食べながら言った。
「私、調べてもいいですか?殴った人を突き止めたいんです。」
「別に俺は良いが、気を付けろよ。」
「はい。」
「それと撮影と両立しろよな。」
「分かっています。」
監督さんは何かを思い出したような顔をした。
「頭を殴られたときに強く打たれたな。あれは女性に力では考えられない。」
「分かりました。調べてみます。」
私は周囲に変な空気を感じた。
私は監督さんが殴られたという現場に行ってみた。特にニュース沙汰にはならず、ドラマ関係者しか知らない。だからこそ監督さんを傷つけた人間が許せなかった。
「何もないか…。」
真夜中に1人で出歩くなんて危ない。散策していたら、ある男が接触してきた。
「誰?」
「いや何でもないですよ。いつも明花がお世話になっています。明花の夫の田島玲雄と言います。」
「こんな所で何しているんですか?」
「たまたま通っただけですが。」
「偶然にしては真夜中なのに私服丸出しではないですか?」
私は笑いながら言った。
「これからも明花をよろしくお願いしますね。」
私は警戒心を強めた。
家に帰ってから電話で仁美に報告をした。一応…。
「どうでした?」
「明花の旦那さんが来た。てか仕事は大丈夫?」
「はい、今の所は落ち着いているので今の件も手を回せますよ。」
「そう。なら手伝ってもらいたいことがあるの。明日私は撮影だから代わりに明花のマネージャーに聞いてきて。」
「分かりました。深入りしていることが気づかれないように注意します。」
上手くやってくれればいいけど…。
「それより何で明花のマネージャーが怨んでいることを知っているの?」
「電話で盗み聞きをしたそうです。でも何ででしょうね?」
「何が?」
「何で盗み聞きなんかしたんですかね?」
「明花に恨みでもあるんでしょ?それもふまえて聞いてきて。」
「了解しました。」
翌日の撮影に備えてゆっくり休んだ。 続く




