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第1話 原田真子40歳

私、原田真子は40歳になった。芸能界にいて20年にもなる。ママが亡くなって20年。あっという間だ。パパは67歳でアナウンサーの現役を引退して今は度々、講演会をしている。勿論アナウンサーの。涼子さんは昨年マネージャー業を引退した。涼子さんとはプライベートでも遊んだりしている。今の私のマネージャーは新人の女の子。20年でかなり変わったなー。



「仁美、車出してー。」

「少々お待ちください。」

彼女は私のマネージャーで藤岡仁美。25歳の新人の女の子。天然でドジでまだまだ未熟な女の子。今は仕事が終わり、次の現場へと向かっている所です。でも...。

「大丈夫?」

「車の...使い方が分かりませーん。」

「もう。座席変わって、私が運転する。」

「すみません…。」

私と仁美は座席を好感した。

「しっかりしてよね。」

仁美が半泣きになりながら言った。

「原田さん...マネージャー...私で勤まりますか?」

何言ってんだよ。

「そんなことは私が決めることではないよ。仕事で信頼を得なさい。皆が認めてくれるから。」

「本当ですか?」

「うん。少なくとも私は仁美が必要だから安心して。」

「...ありがとう...ございます。」

仁美は大泣きしていた。



この日は仕事が終わり、しばらくしてから仁美と夜ご飯を食べに行った。夜は焼き肉を食べに行った。仁美とご飯を食べに行ったのは初めてのことだった。

「原田さん、お酒飲まないんですか?」

「うん、意外でしょ?」

「はい。実は私も飲めないんですよ。」

「最近はお酒飲めない人増えているらしいよ。」

「確かに。私もこの前中学校の同窓会をしたんですけど、お酒飲めないの私だけでした。」

「無理して飲まなくていいからね。」

「はい。お酒飲めないのもそうですけど、何で原田さんって結婚しないんですか?」

聞いちゃうか…。

「結婚する気がないから。」

「私からしてみれば勿体無いと思うんですけどね。」

「何が?」

「原田さんを愛してくれている人に対して失礼ですよ。」

私は牛タンを3枚一気に頬張った。

「そういう仁美は彼氏とかいるの?」

「私はいないです。でも結婚願望はありますよ。」

「私はね、皆のものなの。ファンの人たちや応援してくれる人たちに一番失礼だと思うけどな。」

「でもそろそろ皆は結婚してもいい年だと思っていますよ。」

「あまり悩ませないでよね。すみません、コーラください。」

「確かに今は結婚できない人が増えていますけど…。」

「けど何?」

「まあゆっくり結婚について考えてください。」



次の日、仕事が無かったので明花と仙台に遊びに行った。明花は28歳で結婚し、2児の母になっていた。今は私と共に女優として活躍している。

「明花、久しぶり。」

「久しぶりって1か月前にドラマで共演したばかりでしょ。」

「プライベートで遊ぶのは10年ぶりくらいだよ。」

「まあ今日は思いっきり遊ぼうか。」

「そうだね。」

私たちはパパの小学校で野球をしていた。



「何でここ?」

「パパが死ぬときはパパをここに連れてくるの。」

「そう。それ以上は何も聞かないから。」

「明花は結婚生活どう?」

「辛いよー。家族でいると自分の時間がないから今日は貴重な休みなの。」

「大変そう…。」

「それだけじゃないから。ストレスが若い時以上に溜まるんだから。」

「私は結婚しない方がいいかもね。」

「そうかもね。真子は結婚には向いていないから。それに近所付き合いが面倒くさいし。」

「私には向いていないわ。」

私たちは野球をするのを止めた。

「真子、校舎の中に入ってみない?」

「え?」

「行くよ。」

そう言って明花は私の手を引っ張り、校舎の中に入った。パパのこと聞かれなければいいけど…。   続く

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