表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/35

ー零ー

とある時代のとある日本…。

誰かの夢。



無機質な広い部屋に一人の男がいた。男の傍らで花に埋め尽くされた棺で眠るのは、天使のように美しい女性。彼女の閉じた瞳から流れるものはどちらの雫なのか…。


男には、彼女が目を覚まさないことが信じられなかった。冗談だよ、と今にも目を開けて笑顔を見せてくれそうだった。しかしそう思ってもう何十年、何百年と経っているのだろう。男は自嘲的な笑みを浮かべる。

「俺もそっちへ行くよ…。」

銃を懐から取り出し、目を閉じる。鈍い音と同時に弾がこめかみを貫く。血をたくさん流し、男は倒れる。しかし数分後、男はゆっくりと起き上がった。死ななかったのだ。こめかみの大きな傷口が閉じていく。終いには何もなかったかのように痕もなくなっていた。


「やっぱり、無理か…。こんな身体じゃ永遠に君に会えないな…。」


俯き嗤ったその時、ツーンと甘い香りがするのを感じた。テーブルに飾られた一輪の花。それはこの世のものとは思えない美しい輝きを放っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ