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目覚め
カーテンの隙間から、朝日がまぶしく差し込んだ。
「雪菜、早く起きないと、
学校に遅れるよ。」
雪菜は、階下からのおばあさんの声で
目を覚ました。
ここは、自分の部屋だ。
夢だったのだろうか?
雪菜は制服に着替えて、階段を降りた。
いつもの朝だ。
おばあさんのお味噌のよい香りがしてくる。
昨夜の吹雪で、積もった雪が
キラキラと輝いている。
おじいさんか、食卓で新聞を読みながら、
「初雪は激しく吹雪いたな。
明日には、山小屋も終わりだから、
お母さんが帰ってくるよ。」と…
駅に着くと、親友の夏希が
かけてきた。
「雪菜聞いた?
昨日すごい吹雪だったでしょう。
なのに、あの幽霊がでるって噂の
空き家の洋館が
全焼しちゃったんだって‼」
赤い手ぶくろとマフラーが木に
引っかかてたらしいよ。」
なにごとなかったように、
雪菜はいった。
「そう…雪の妖精の仕業かもね。」
そういって、微笑んだ。
二人は、学校へむかう電車に乗り込んだ。
電車の窓からは、雪で山々が、輝いていた。