4/10
洋館の記憶フラッシュバック(1)
暖炉のマキが音をたてる。
重いカーテンが下がった窓の外は
吹雪
うなるような風の音だけが
聞こえる闇
雪菜は目を開けると、
古い洋館の応接間のソファーに
横たわっていた。
あたたかいふかふかの毛布。
ドアが開き、老夫婦が入ってきた。
「ゆきちゃん目が覚めた?
雪遊びに夢中なってたから疲れたんだね。」
やさしい低い老人の声が部屋に響く。
雪菜は起き上がった。
そして、気づいた。
高校生だった雪菜は、
小さな幼児になっていた。
小さな手足、着ていた高校の制服じゃない。
雪菜は老夫婦にここはどこで、
自分はどうなったのか
問いかけようしたが、
声がでない。
雪菜はすべての記憶を失っていた。
「あたたかいスープができたから、
今、用意するね」
老婦人がゆっくりした口調で、
雪菜に話しかける。
雪菜はこっくりとうなづいた。