第9話:歪む迷宮
土のダンジョンの通路は、奥へ進むほど静かになっていった
岩の壁が続き、足音がわずかに反響する
壁に埋め込まれた魔石が淡く光り、迷宮の奥へと道を照らしていた
ミミが周囲を見回す
「なんかさっきより暗くない?」
カイルが低く言う
「魔物の気配も濃い」
アルトは前を歩きながら言
った
「分岐が多い階層だからね」
「魔物が溜まりやすい」
ニナは歩きながら床を見ていた
魔力の流れ
足音の反響
空気の震え
(……来る)
ニナが言う
「止まって」
三人が足を止める
その瞬間
ゴゴゴッ
岩から飛び出した
ゴブリン
六体
ミミが腕の魔法道具を操作する
「先手!」
水晶が光る
「閃光石!」
パチンッ
小さな光が弾ける
ゴブリンの視界が白く染まる
ニナがすぐ言う
「前三」
「右二」
「後ろ一」
カイルが剣を抜く
「前は任せろ」
ゴブリン三体が突っ込む
カイルが踏み込む
「【炎よ】!」
大剣が炎を纏う
ドンッ!
一体が吹き飛ぶ
残り二体が左右から襲う
ニナが言う
「左下」
カイルが体を沈める
爪が頭上を掠める
炎の剣が振り上がる
二体目
三体目
右側のゴブリンがミミに突っ込む
ミミが装置を叩く
「磁力ブーツ!」
足元が光る
地面に固定される
ゴブリンの体当たりを受けても動かない
ミミが笑う
「残念!」
腕の装置が開く
「爆裂石!」
小さな石が転がる
ドン!
小さな爆発
ゴブリンが転ぶ
ニナが呟く
「カイル」
カイルが振り向く
「今」
カイルが一歩で距離を詰める
炎の剣が振り下ろされる
ドン!
その時
後ろから最後のゴブリンが飛び出す
アルトへ
ミミが叫ぶ
「アルくん後ろ!」
アルトは振り向く
手を軽く上げる
「【土よ】」
地面から岩柱が突き上がる
ゴブリンが弾き飛ばされる
カイルがすぐ駆ける
炎の剣が振り下ろされた
戦闘終了
ミミが息を吐く
「ふぅー!」
「結構いたね!」
カイルが剣を振って血を払う
「数は多かったが」
「問題ない」
アルトは少し笑う
「さっきより動きが自然になってる」
ミミが振り向く
「自然?」
アルトが説明する
「さっきは役割を作って戦ってた」
「今は無意識で動いてる」
カイルが頷く
「確かに」
ミミが胸を張る
「成長してる!」
アルトが笑う
「いいパーティーだと思うよ」
ニナは何も言わない
ただアルトを見ていた
その時
アルトが一瞬だけ額を押さえる
「……」
すぐに手を下ろす
誰も気付かなかった
ニナ以外は
(また)
ゴゴッ
通路が揺れる
ミミが驚く
「また揺れた!」
カイルが壁を見る
「崩れるか?」
アルトは岩壁を見た
少しだけ黙る
「……大丈夫」
「土のダンジョンではよくある」
ミミが言う
「びっくりする!」
四人は再び歩き出す
ニナはアルトを見ていた
(アルト、やっぱり何か隠してる)
その頃
ダンジョンの奥
岩がゆっくり崩れる
巨大な影
赤い目
迷宮の奥で
何かが目覚めていた
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