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第5話:三対一

 階段を降りてすぐ右側


 石壁に刻まれた紋章へ、アルトは右手の指輪をかざした


 宝石が淡く光る


 次の瞬間――


 ドーム状の天井に埋め込まれた魔力灯が、順番に灯り始めた


 パチ、パチ、パチ、と音を立てながら光が広がる


 暗かった地下空間が一瞬で明るくなる


 そこは広い円形の空間だった


 地下とは思えないほど巨大な訓練場


 50人――いや、100人は余裕で入れる広さがある


 岩の床


 高いドーム天井


 周囲には魔力吸収石が埋め込まれている


 ミミが目を輝かせた


「わぁ……!」


 腕につけた魔法道具を揺らしながら走る


「すごい!地下にこんな場所あるんだ!」


 カイルも周囲を見渡していた


「ギルドの訓練場か……」


 ニナは少し後ろに立ち、静かに空間を観察している


 アルトが振り返る


「ようこそ」


 軽く笑う


「ハウスの訓練施設へ」


 足元を軽く叩く


「ここなら多少やりあっても安全だよ」


 三人を見る


「ステージは普通に土でいいかな?」


 カイルが頷いた


「構わない」


 腕を鳴らす


「お互い平等だろ」


「んー平等ね」


 アルトが肩をすくめる


「まぁ僕はどこでもいいけど」


 右手を地面へ向けた


「【土よ】」


 空気が震える


 魔力が床へ流れ込む


 ゴゴゴ……と重い音が響いた


 岩床が隆起する


 岩が砕け、盛り上がり、再構築される


 数秒後


 平坦だった床は、岩が乱立する岩石地帯へと変わっていた


 ミミが歓声をあげる


「すごーい!」


 岩を触る


「こんな早く作れるんだ!」


「アルくん土魔力なんだね!」


「そうだね」


 アルトが笑う


「あと雷も使えるよ」


 カイルが眉を上げる


「……戦う前に言うのか」


「まぁハンデってことで」


 アルトは地面から木剣を作り出した


「いつでもどうぞ」


 三人が距離を取る


 岩陰で小さな作戦会議が始まる


 ミミが囁く


「どうする?」


 カイルが言う


「俺が前に出る」


 ニナは戦場を見ながら言った


「……様子を見る」


 カイルが前へ出た


 背中の大剣を抜く


 宝石が赤く光る


「俺からいく!」


 剣を振り上げる


「【炎よ】!」


 ドン!!


 背後で爆発


 爆風を推進力にしてカイルの身体が弾丸のように飛ぶ


 一瞬で距離を詰めた


 大剣が横薙ぎに振られる


 しかし


 アルトは半歩動いた


 剣は空を切る


 岩が砕ける


 カイルは止まらない


 連続斬撃


 爆発


 踏み込み


 しかし


 当たらない


 アルトは最小限の動きで避け続けている


 その時


 ミミが腕輪を叩いた


 カチン


 魔法道具が光る


 地面に小さな装置を投げた


 バチッ!


 雷が地面を走る


 アルトの足元へ


 アルトが岩を蹴って跳ぶ


 雷が岩を砕く


 その隙にカイルが踏み込む


「逃がすか!」


「【炎よ】!」


 爆発推進


 大剣が振り下ろされる


 アルトが木剣で流す


 岩が砕ける


 ミミがさらに装置を起動する


 カチン


 カイルの炎が強くなる


 魔力増幅


「いけカイル!」


 カイルが踏み込む


 斬撃


 爆発


 連撃


 だが


 アルトはまだ当たらない


 半歩


 横移動


 岩を利用してすべて避けている


 その間


 ニナは動かない


 ただ見ていた


 アルトの動き


 足の向き


 回避方向


 呼吸


 全部見ていた


 そして


 小さく呟く


「……そういう動き」


 その瞬間


 ニナが前へ出た


「ミミ」


「うん!」


 魔法道具が光る


 雷罠


 逃げ道封鎖


 カイルが突っ込む


 アルトが避ける


 その先へ


「【水よ】」


 水が広がる


 濡れた地面


 雷が流れる


 逃げ場が消える


 カイルの剣


 ミミの罠


 ニナの水


 三方向


 完全包囲


 アルトが小さく呟く


「……うまいね」


 逃げ場がない


 その瞬間


 空気が揺れた


「【風よ】」


 ドン!!


 衝撃波


 岩が削れる


 水が吹き飛ぶ


 雷が消える


 三人が後退した


 ミミが呟く


「え……?」


 その瞬間


 階段から怒鳴り声


「アルトォォォ!!」


 ドタドタと足音


 ギルマスだ


「風使うなって言っただろうが!!」


 巨大な炎が飛ぶ


 アルトが叫ぶ


「三人とも固まって!」


「【土よ】!」


 土壁が立ち上がる


 炎が衝突する


 轟音


 壁が崩れそうになる


 アルトは必死に支える


 その時


 背後から声




「……アルト」


 振り向く


 ニナ


 短剣が胸元に


「……勝ち?」



 アルトが慌てる


「いやいやいや!」


「今それどころじゃない!」


 ニナは淡々と聞く


「……勝ち?」


 アルトが焦る


「違うって!」


 ニナがもう一度聞く


「……負け?」


 アルトはため息をついた


「……はい」


「負けました」


 ニナが右手を出す


「【水よ】」


 巨大な水塊


 炎を押し返す


 蒸気が爆発する


 炎が消えた


 静寂


 アルトが息を吐く


「助かった」


 ニナが小さく笑う


「手伝った」


 その笑顔


 アルトの思考が止まる


(……かわいい)


 ミミが笑う


「アルくんまた固まってる!」


 カイルが腕を組む


「完全にやられてるな」


 アルトは思った






 ――この笑顔は


 反則だ

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!

もしよかったら感想などいただけると、とっても嬉しいです…!

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