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エルフに土下座で告白したら振られたけど、なぜか一緒にダンジョン攻略することになった  作者: 紅茶伝


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第19話:通じない一撃

 

 揺らぎを越えた瞬間、空気が変わるのではなく“重さの質”が変わったと直感で理解させられるような圧が全身にまとわりつき、呼吸を一度深く吸い込んだだけで肺の奥に沈んでいく空気がこれまでの層とはまるで違う密度を持っていることを否応なく感じさせる


 足元の土は乾いているはずなのに踏み込むたびにわずかに粘りついて遅れて剥がれる感触を残すことで、この地面そのものが単なる足場ではなく“何かと繋がっている”という不快な確信をじわじわと押し付けてくる



 ドクン


 ドクン


 地面の奥から伝わる振動が、一定の間隔で骨の内側を叩く


 アルトのこめかみが疼く


 ズキッ


(……いる)


 視線が、勝手に一点へ引き寄せられる


 ニナが小さく呟く

「……来る」


 その直後、地面が裂けるのではなく“下から押し上げられる”ように盛り上がり、土と岩が連なりながら浮かび上がっていく様子はまるで地面そのものが裏返るような異様な動き


 一つ、二つと現れた丸い岩の塊が軋む音を立てながら無理やり引き延ばされるように繋がれていき、崩れかけた接合部を地面から吸い上げた土が埋めることで完全には壊れないまま形を保ち続ける



 それが――うねる


 巨大な岩の蛇


 長い胴体が地面と一体化するように繋がり、動くたびに周囲の地面ごと巻き込みながら波打つその姿は、単体の魔物ではなく“この空間そのものが意思を持って動いている”ように見えた


 ミミが思わず息を呑む

「……なにこれ」


 カイルは一歩前に出る


 ゆっくりと


 だが、迷いなく

「――俺が前だ」


 その瞬間、体が膨れ上がるように変化し、筋肉が軋みながら膨張し、肩幅が広がり、腕の筋繊維が浮き上がって皮膚の下でうねることで人の枠を一歩踏み越えたような体躯へと変わり、呼吸が低く獣のそれへと落ちていく


 蛇が動く


 速い


 巨体なのに、速い


 頭部が振り下ろされる


 空気が押し潰される


 ドゴンッ!!!


 カイルは避けない


 真正面から受ける


 腕を上げ、衝撃を叩き止める


 骨に響く


 筋肉が軋む


 それでも――止める

「……来い」


 押し返す


 力で


 純粋な力で


 蛇の頭がわずかに浮く


 その一瞬


 アルトが動く


「【風よ】」


 足元の流れを変え、滑るように加速しながら「【雷よ】」を重ねて一気に速度を引き上げ、そのまま蛇の胴体の横へと入り込んで接合部へ斬り込む


 ズドンッ!!


 確かな手応え


 だが次の瞬間、崩れたはずの繋ぎ目に地面から土が流れ込み、まるで最初から壊れていなかったかのように再構築される


 ミミが即座に装置を叩き込む


「振動杭!」


 地面が揺れる


 蛇のバランスが崩れる


 だが――


 崩れない


 ニナが静かに言う


「……逃がしてる」


 衝撃を受け止めているのではない


 分散している


 カイルが踏み込む


 拳を叩き込む


 ドンッ!!!


 岩が砕ける


 だが次の瞬間には埋まる


 ミミが叫ぶ


「なにこれ!?効いてない!」


 アルトは歯を食いしばる


(違う……違う)


 斬っている場所が違う


 壊している場所が違う


 蛇がうねる


 地面ごと回り込む


 アルトが踏み出す


 だがその背後に、三人の位置を感じる


 避ければ抜ける


 でも――通る


 だから

 止める


 一歩、前へ


 受ける構え


 だがその瞬間、ニナの指先がわずかに動き、空間の流れがほんのわずかに歪むことで蛇の軌道がズレ、アルトの肩をかすめるだけで通過する


「……下」


 ニナの一言


 アルトの中で、すべてが繋がる


 ズキッ


 痛みと同時に、“位置”がはっきりする


(……核は、下だ)


 今の戦い方では届かない


 このままでは、削れない


 ミミが叫ぶ


「どうするのこれ!?」


 カイルが歯を見せる

「決まってんだろ」


 アルトを見る


「やり方変えるぞ」


 戦いは、次の段階へ入る

イメージはポケ○ン…わかる人にはわかると思います…


ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!

もしよかったら感想などいただけると、とっても嬉しいです…!

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