第八話:最強の求婚、夫コレクションNo.3
廃帝はコスト。
武将は投資対象。
天下は流動資産。
だが計算外が一つあった。
金ではなく、
暴力で口説いてくる男が現れたことだ。
私の心は晴れやかだ。なぜなら、新しい「太客」をゲットしたからだ。西涼の董卓仲穎。彼が都に入ってから数日が経過した。彼の影響力は日増しに強まっている。暴力と金、そして恐怖によって、彼は朝廷を掌握しようとしている。素晴らしい手腕だ。道徳とか倫理とか、そういう利益にならないものをすべて排除する姿勢、実業家として尊敬に値する。
玉座の前。そこに立つのは董卓だ。彼は肥満体を揺らし、ふんぞり返っている。着ている服は、皇帝から無理やり献上させた(奪った)最高級の錦だ。似合っていない。豚にドレスを着せたようだ。だが、誰もそれを口にしない。言えば首が飛ぶからだ。
「これより、帝の廃立を行う!今の皇帝は幼すぎる。暗愚であるならば、聡明な陳留王を立てるべきだ!これが天意である!文句ある奴は前に出ろ!その首をへし折ってやる!」
声量が凄い。天井の埃が落ちてきそうだ。彼は太い腕を振り回す。前代未聞の暴挙。だが、私には関係ない。誰が皇帝になろうと、私がやることは変わらない。その権力を利用して、利益を最大化することだけだ。
「バカな!貴様は臣下でありながら、天を恐れぬか!簒奪の意図ありと見たぞ、董卓!貴様のような逆賊に、天下を任せられるか!」
一人の男が声を上げる。丁原。執金吾という、都の警備責任者だ。だが、この場において正論は無力だ。力が全ての世界なのだから。
「なんだと丁原……おい、誰か賛成する者はおらんのか!儂の意見に賛同する賢い奴は!」
殺気が膨れ上がる。一触即発の空気。周囲の官僚たちは震え上がり、柱の陰に隠れようとしている。本初も孟徳も、私の後ろで息を潜めている。誰も手を挙げない。賛成すれば逆賊の仲間入り、反対すれば殺される。沈黙が最良の防御策だ。
だが、私は違う。私は沈黙しない。なぜなら、沈黙は一銭の得にもならないからだ。
「同意します」
全員の視線が私に集まる。丁原が驚愕の目で私を見る。「正気か?」という目だ。正気ですとも。計算機のように冷徹な正気です。
「現皇帝の支持率は低下傾向。市場調査の結果、民衆の間でも『今の皇帝じゃ不安だ』という声が多数を占めています。対して、陳留王は幼いながらも聡明で、将来性があります。今後の国益(と私の利益)に合致すると演算しました。よって、董卓様の言うことは、極めて合理的です。古いOS(皇帝)を使い続けるより、新しいOSにアップデートすべきです。サポート切れになる前にね」
「おお……!李司殿!戦女神たるそなたが賛成してくれるとは心強い!やはりそなたは分かっておる!儂の良き理解者じゃ!曹操殿、貴殿は本当に良い妻を持たれたな。羨ましいぞ!こんな賢くて美しい妻、儂も欲しいわ!」
脂ぎった顔が光る。眩しい。彼は私に熱い視線を送る。やめてくれ。私はビジネスパートナーであって、愛人ではない。まだ契約書にはサインしていない。孟徳は顔を引きつらせている。
「は、はっ……!過分なお言葉で……」
(コイツ、長いものに巻かれる速度が光速だな……。節操という概念がないのか……)
ないよ。そんなもの。あるのは損得勘定だけだ。
「おのれ、媚びへつらうか!女狐め!朝廷を蔑ろにする不届き者めが!貴様のような輩がいるから、国が乱れるのだ!呂布!やれ!この豚と女狐を叩き斬れ!」
身長九尺(約二メートル超)。筋肉の塊が鎧を着て動いているようだ。頭には長い羽根飾り。手には、禍々しい形状の武器。方天画戟。呂布奉先。丁原の養子にして、天下無双の武人と呼ばれる男だ。
「ぬんッ!!」
彼は空中から、董卓と私を目掛けて、その巨大な戟を振り下ろす。殺意の塊が、音速を超えて迫る。
「ひっ!!」
「覚悟ォ!!」
誰もが思った。董卓と、あの生意気な女は死んだと。肉塊になると。
ガギィィィィン!!!!
耳をつんざくような金属音が、宮中に響き渡る。火花が散る。衝撃波が広がり、近くにいた兵士たちが吹き飛ばされる。床の石畳が、粉々に砕け散る。呂布の渾身の一撃。董卓の首を跳ねる寸前で、それは止っていた。受け止めたのは、一本の剣。そして、それを握る細い腕。
私だ。
片手で剣を構え、呂布の重撃を受け止めていた。私の足元の石畳は、蜘蛛の巣状にひび割れ、陥没している。ものすごい圧力だ。私の計算では、推定荷重三トン。象が踏んでも壊れないレベルだ。私の骨がきしむ音が聞こえる。ミシミシ。関節が悲鳴を上げている。だが、私は立っている。涼しい顔で。
「……衝撃値、計測不能。これは……流石にお強いですね。私の骨格(と毎日のカルシウム摂取)をもってしても、腕の骨がきしむ音が聞こえました。修理費、高いですよ?」
「ほう……?その細腕で、俺の全力を受け止めたか。人間業ではないな。何者だ、女?」
彼の目は、獣の目だ。獲物を見つけた時の、歓喜の色が混じっている。彼は戟を押し込みながら問う。力が強い。だが、私は押し返す。テコの原理と、重心移動を駆使して。
「人妻です」
それ以外の肩書きは不要だ。「最強の人妻」という称号だけで十分だ。
「人妻……だと?面白い」
彼は一度、戟を引く。そして、バックステップで距離を取る。見事な体捌きだ。筋肉ダルマに見えて、動きはしなやかだ。猫科の猛獣のようだ。
「さ、流石は李司殿……!助かった、助かったぞ……!」
「ま、待ちたまえ!ここは神聖な場!殺し合いなど以ての外です!じっくり話し合おうではありませんか!暴力はいけません、暴力は!」
王允という老臣が、慌てて割って入る。彼は司徒という高官だ。争いを仲裁しようとしているが、腰が引けている。
「ええ、この場で結論を出すのは尚早というものです。董卓様、一旦引きましょう。あの呂布という男、只者ではありません。まともにやり合えば、こちらの被害も甚大です。李司殿の手を煩わせるまでもありません」
「む、むううう……分かった。今日のところは引く!だが覚えおけ丁原!このままでは済まさんぞ!儂に逆らったことを後悔させてやる!」
彼は呂布を見て、そして私を見る。私の腕が微かに震えているのを見て、彼は撤退を決意する。董卓は捨て台詞を吐いて、逃げるように広間を出ていく。西涼兵たちもそれに続く。私も剣を納め、優雅に一礼してから退場する。
◆
洛陽郊外 戦場
「逆賊・丁原を討てーッ!丁原を討ち取った者には、褒美は望むがままだぞ!!金か?領地か?女か?なんでもくれてやる!儂の財産を半分やってもいい!」
その言葉を聞いた瞬間。私の瞳孔が全開になる。カッ!!目が「¥マーク」に輝く。幻覚ではない。本当に金色に発光している。
「本当に?『望むがまま』ですね?言質、取りましたよ?録音こそありませんが、ここにいる全員が証人です。契約不履行は許しませんよ?」
董卓に詰め寄る。食い気味に。顔の距離、五センチ。
「え?あ、ああ、そうだ……」
(なぜだろう、呂布よりこの女の方が怖い……。昨日は女神に見えたが、今日は悪魔に見える……)
「分かりました。商談成立です。では丁原と呂布を討ち取った暁には、報酬として……我が夫・曹操と袁紹を、それぞれ『大将軍』と『太尉』にしてください」
「ブフォッ!!」
「え?お、夫が……二人……?曹操殿だけではないのか……?袁紹殿も……?どういうことだ?一妻多夫?それとも日替わり?なあ、曹操殿?貴殿の家庭環境はどうなっているのだ?」
「……はあ。はい。事実です。現在、我が家は袁家との合併事業(妻の共有)を行っておりまして……。週三日は私が夫、週三日は本初が夫、日曜日は定休日となっております」
「なんと……。進んでおるな、都の文化は……」
「問答無用!呂布よ!出番だ!あのふざけた女を叩き潰せ!戦場を商談の場にするな!」
敵陣から丁原の声が響く。彼は勝利を確信している。呂布という最強のカードを持っているからだ。
「御意」
呂布が馬を進める。彼の馬は赤い。赤兎馬。一日千里を駆けるという名馬だ。あの馬、いくらで売れるだろうか。後で査定しよう。
「さあ来い!!戦女神!!昨日の続きを楽しませろ!!お前のような強い女を待っていた!俺の渇きを癒やしてくれ!」
呂布は私を指差す。金よりも、名誉よりも、「滾る戦い」を求めている。こういうタイプは扱いが難しいが、一度手懐ければ最強の番犬になる。優良物件(ポテンシャルSランク)だ。
「いいでしょう。剣ではリーチが足りないと判断しました。今日はこの『回転式・双頭戟』で貴方を料理します」
我的愛馬は、市場で安く買った駄馬だが、私の調整により赤兎馬並みの機動力を発揮する。
「ほう、変わった武器だ。だが、俺の方天画戟に勝てるかな?」
「いざッ!!」
「いらっしゃいませッ!!」
激突。轟音。土煙。私と呂布の一騎打ちが始まった。周囲の兵士たちは、ただ呆然とそれを見ている。人間業を超えた戦い。地面が割れ、空気が震える。
「ハハハハ!いいぞ!重い!その細腕のどこにそんな力が!」
彼は戟を振り回し、私に連撃を浴びせる。一撃一撃が、城壁をも砕く威力だ。
「ふふふ!貴方もなかなかです!筋肉の質が良いですね!霜降り肉のようです!気に入りました!貴方を私の夫コレクションNo.3に認定します!」
受け流し、反撃する。回転する刃が、呂布の鎧を掠める。火花が散る。
「は?夫?」
「ええ!曹操、袁紹に続く、第三の夫です!貴方には『警備部長』のポストを用意します!給料は完全歩合制!敵を倒した数だけ支払います!どうですか!?」
「面白い!俺を金で買う気か!」
「金と、愛と、そして『戦う場所』を提供します!私と結婚すれば、毎日が戦場ですよ!退屈させません!」
「毎日が戦場……だと?悪くない……。俺は求めていたのかもしれん。俺と対等に渡り合える女を……」
呂布の目が輝く。彼の琴線に触れたようだ。彼の攻撃の手が緩む。恋の予感?いや、獲物としての興味か。どちらでもいい。落ちれば私の勝ちだ。
「さあ、どうします?丁原につくか、私につくか。どちらが貴方の人生にとって有益か、計算しなさい!」
全力の回転攻撃。
ガガガガガッ!!
彼は後退する。力負けしたのではない。心揺らいだのだ。
「……考えておこう。今日はここまでだ。人妻。次は寝室で会おう」
彼はそう言い残し、撤退していく。丁原が「おい!どこへ行く呂布!戦え!」と叫んでいるが、無視されている。勝負あり。物理的には引き分けだが、心理的には私の勝利だ。買収工作(TOB)の第一段階、成功。息が上がっている。さすがに疲れた。だが、心地よい疲労感だ。
「ふぅ……。強敵でしたね」
「あ、あの呂布を退けた……? しかも口説きながら……? 化け物じゃ……。あの女は化け物じゃ……」
董卓の中で、私への恐怖が決定的なものとなった。これで彼も、私の言いなりになるだろう。
「さあ、帰りますよ、孟徳、本初。夕食の準備があります。今日のメニューはステーキです。呂布を見ていたら、肉が食べたくなりました」
私は夫たちに声をかける。
「……お前の神経、どうなってるんだ?」
彼らの顔には、「新しいライバル(夫候補)が増えるのか……」という絶望感が漂っていた。最強の求婚。それは戦場で行われ、火花と共に成立しつつあった。私の夫コレクション、順調に拡大中である。
◆
夜。董卓軍の本陣。かがり火が焚かれ、肉の焼ける匂いが漂っている。私は天幕に戻る。鎧はボロボロだ。あちこち凹んでいるし、装飾も剥がれ落ちている。修理費だけで金貨五十枚はかかるだろう。請求先は呂布(予定)だ。
「い、いや~!! 李司殿! まさに戦女神とは貴女のことですな! あの呂布に引けを取らないどころか、押していましたぞ! 儂は見ていて、寿命が縮む思いでしたわ!」
董卓が揉み手をしながら迎えてくる。その顔は、恐怖と敬畏で引きつっている。(ヒィィ……こんな化け物が曹操の妻なのか……敬語を使わざるを得ん……逆らったら首をねじ切られる……)
「予想外の強さでした。計算上の勝率は五分五分。まさに漢の飛将軍・李広の再来。世辞ではありませんね」
正直、甘く見ていた。呂布の武力は、数値化できない「野生の勘」のようなもので補正されている。私の論理的予測を、時折、直感で超えてくるのだ。
「お前……無茶苦茶だ。死ぬのではないかと心配で、寿命が縮んだぞ。あんな怪物と正面から殴り合うなんて……。あまり無理するなよ。……俺たち『夫』が心配するだろ」
彼は私の顔についた煤や血を拭いてくれる。優しい夫だ。加点対象。孟徳の声は震えている。本気で心配しているようだ。本初も後ろで、青ざめた顔で頷いている。「心臓に悪い……」と呟いている。
「あら、優しいですね孟徳。ですが、このまま明日も戦えば、私がやられる可能性は五〇分。硬貨投げ(コイントス)と同じ確率です。『夫3号』の獲得に失敗し、逆に私が呂布のものになるリスクがあります。それは癪ですね。私の人生計画に、『筋肉ダルマの戦利品になる』という項目はありませんから」
資産価値の維持管理をしてくれるパートナーは貴重だ。私は眉をひそめる。
「李司殿、ご安心を。武力で落ちぬなら、知略を用いましょう。呂布は欲深な男と聞きます。彼と同郷の私が、彼の性格を熟知しております。奴は勇猛ですが、目先の利益に弱い。金銀財宝と……あの名馬『赤兎馬』を持って説得に参れば、必ずや落ちるでしょう」
そこへ、一人の男が進み出る。李粛。董卓の配下の武将だ。細面の、いかにも策士といった顔立ちの男。彼は自信ありげに微笑む。
「ほう? 金で買えるか? あの怪物が?」
「買えますとも。丁原はケチですからな。呂布は待遇に不満を持っているはず。そこへ、董卓様の財力を見せつければ、一撃です」
なるほど。買収工作か。私の得意分野だ。だが、相手はあの呂布だ。普通の金銭感覚が通じるだろうか?
「おお! それだ! それなら儂の得意分野じゃ! 赤兎馬は惜しいが……儂が乗ると馬が可哀想なことになるしな。呂布が手に入るなら安いもの! 金も蔵から好きなだけ持っていけ! 行ってこい李粛!」
董卓が膝を叩く。董卓は即決する。自分の命と権力がかかっているから、投資判断が早い。その点だけは評価できる。
「御意。必ずや吉報を持ち帰ります」
李粛が恭しく一礼する。私は彼を見送る。計算上は、成功率は高い。呂布が金に靡けば、明日の戦いはなし。私は無傷で「夫3号(予定)」を手に入れられる。費用対効果は最高だ。だが……。何かが引っかかる。あの戦場で見た、呂布の目。あの獣のような目は、本当に金で満たされるのだろうか?
◆
薄暗い天幕の中。中央には、山のような金銀財宝が積まれている。黄金の延べ棒。真珠の首飾り。最高級の絹織物。その総額、金貨一万枚相当。目がくらむような輝きだ。そして、その横には一頭の馬。赤兎馬。汗血馬の血を引く、伝説の名馬。火のような赤い毛並み。完璧な筋肉。馬好きなら魂を売っても欲しがる逸品だ。
李粛は、その財宝の前に立ち、呂布に語りかける。言葉巧みに。
「どうだ奉先。この黄金、そして稀代の名馬・赤兎。これらはすべて、董卓様から貴殿への贈り物だ。丁原ごときに見切りをつけ、我らに味方せぬか? 丁原は貴殿をただの番犬としてしか扱っていない。だが董卓様は違う。貴殿の武勇を高く評価し、富も名声も思いのままにしてくれるぞ」
呂布は、寝台に腰掛け、酒を飲んでいる。彼はチラリと財宝を見る。赤兎馬を見る。無言だ。彼の表情は読めない。李粛はニヤリとする。落ちた、と思っただろう。誰だって、これだけの富を見せられれば心が動く。それが人間の性だ。
「悪い話ではあるまい? 董卓様につけば、貴殿は天下の英雄として……」
「……断る。持って帰れ、李粛。邪魔だ」
酒を一気に煽り、杯を置く。呂布が手を振る。ゴミを追い払うような仕草だ。
「……は? な、何!? この財宝を断るだと!? 正気か!? あの赤兎馬だぞ!? 一日千里を駆ける、武人の夢だぞ!? これ以上の馬は天下に存在しない! それを拒否するとは……貴殿、頭がおかしくなったのか!?」
「馬も金も、どうでもいい。俺の心にあるのは、あの女・李司との決着のみ!!」
彼の目は、黄金よりも怪しく、炎よりも熱く輝いている。彼は虚空を掴む。まるで、私の首を掴むように。
「あんなに頑丈で、あんなに鋭い女は初めてだ……。俺の全力の一撃を受け止め、あまつさえ俺を『夫』になれと挑発した……。俺の魂が、叫んでいるのだ! あの女を屈服させろと! あの高慢な顔を、俺の下で泣かせろと! 金など、あの女を征服する喜びに比べれば、石ころに等しい!!」
呂布が叫ぶ。その声には、純粋な狂気が宿っている。彼は金欲の化け物ではない。闘争と征服欲の化け物だったのだ。
「そ、そんな……。で、では、董卓様にはどう伝えれば……。このままでは、交渉決裂……」
「李司に伝えよ。『小細工は無用。また明日、戦場で会おう』とな。俺が勝って、あいつを俺の女にする。……楽しみだ。あの細い首を、どう愛でてやろうか……ククク……」
李粛からの報告を聞いた私は、頭を抱えた。
「演算ミス(エラー)……。光栄ですが……迷惑ですね」
想定外だ。呂布という男、金欲よりも「闘争本能(と私への執着)」が上回ってしまったのである。彼にとって、私は金貨一万枚や赤兎馬以上の「価値ある獲物」と認定されてしまったようだ。私はため息をつく。買収工作失敗。平和的解決(M&A)は不可能となった。
「どうした、李司? 顔色が悪いぞ」
孟徳が心配そうに覗き込む。
「明日の予定が変更になりました。明日の戦場で、私は再び『死の求婚』に挑まねばなりません。今度は、金ではなく、暴力という名の愛を込めて」
刀身に私の顔が映る。その顔は、困惑しながらも、少しだけ笑っていた。強敵との再戦。それは、計算高い私の中に眠る、わずかな「武人としての血」を騒がせるからかもしれない。
「上等です、奉先。貴方がその気なら、骨の髄まで愛して(叩きのめして)あげましょう」
洛陽の夜が明ける。最強の夫婦喧嘩(予定)の幕開けである。
今回は、董卓の廃立と呂布との邂逅を描きました。
呂布が金で動かなかったことを、
どう感じましたか?
・呂布らしいと思った
・予想外だった
・李司が初めて計算を外した瞬間だと思った
ぜひ教えてください。
そして、
次の「死の求婚」は、
どちらが勝つと思いますか。
金か。
暴力か。
それとも、愛か。




