第十六話:連環の計(不発)と、爆誕! 筋肉貂蝉~(中編)
歴史にはこう記されている。
貂蝉は天下の英雄たちを惑わせた、と。
しかしこの世界では違う。
呂布は筋肉しか見ない。
曹操は側室を在庫管理する。
董卓はコンプライアンスを守る。
そしてすべての原因は――李司である。
呂布への不発から数日後。
王允の執念は、まだ終わっていなかった。
いや、むしろ後戻りできなくなっていた。
彼は気を取り直し、今度はターゲットを変えて、再び自らの屋敷に宴席を設けたのである。
今回のターゲットは、李司の夫コレクション・ナンバーワンであり、天下随一の知恵者にして生粋の女好きとして名高い、曹操だ。
「筋肉バカの呂布で失敗したのなら、次は知略と色好みを兼ね備えた曹操を攻める。この男なら、絶対に娘の魅力に気づくはずだ」
広間には、前回よりもさらに豪勢な酒と肴が並べられ、上座で曹操が気持ちよさそうに高級な酒を傾けている。
そして彼の目の前では、前回の怒りを無理やり心の奥底に封じ込め、最高に魅惑的な笑みを貼り付けた貂蝉が、今度は見事な舞を披露している。
薄い絹の衣を翻し、滑らかに手足を動かし、時折チラリと白い肌を覗かせるその舞は、確かに見る者の目を奪う芸術品だ。男の欲望のど真ん中を撃ち抜く、完璧な色仕掛けである。
「いかがですかな?曹操将軍。我が娘の舞は」
「うむ……」
その視線は、奉先の時のようなどこに筋肉がついているかを探る純粋な査定ではなく、完全に「女としての価値」を品定めする、玄人の男の目だ。
「実に……実に美しい娘だ」
(よし!食いついた!やはり曹操は噂に違わぬ女好き!これは絶対にいける!)
「ただ美しいだけではない。内側から滲み出るような色気もある。指先の動きから足運び、そして視線の流し方まで、所作が極めて洗練されている。これは相当な教育と訓練を積まなければ身につかない芸だ。男を喜ばせるツボを、非常によく心得ているようだ」
貂蝉も、自分の魅力がようやく正当に評価されたことで、少し誇らしげに微笑み、さらに色っぽい流し目を曹操に送っている。
「いかがですかな?将軍」
「もし将軍がお気に召したのなら、この娘を、将軍の側室にお迎えいただけないでしょうか。娘も、将軍のような天下の英雄にお仕えしたいと、日夜申しておりまして……」
普通なら、いや普通でなくとも、女好きの男が断るはずのない最強のオファーだ。
「うむ、悪くない」
(勝った……!勝ったぞ!これで曹操は我らの手中だ!李司の支配体制に、ついに亀裂が入るぞ!)
「これほどの上玉なら、俺のコレクションに加える価値は十分にある。我が一八番目の側室としてもらい受けたい。王允殿、感謝するぞ」
「……は?」
優雅に舞を踊っていた貂蝉の動きも、ピタッと不自然に停止し、そのまま石像のように固まっている。
(じゅう……はち?今、この男、一八番目と言ったか……?聞き間違いか?いや、確かに一八と言ったぞ……)
王允の脳内処理が完全に停止し、エラーメッセージを吐き出している。
「ああ、今は俺の屋敷にはすでに一七人の側室がいるからな。先日、卞氏のところに新しい男の子が生まれたばかりで、屋敷の部屋割りが少し手狭になってきているんだ。生活費のやり繰りも李司に厳しく管理されていて大変なんだが……まあ、なんとか一部屋くらいはやり繰りして空けられるだろう。お前は次に入るから、一八番目だな」
彼は女好きであると同時に、極めてシステマチックに女性を管理しているのだ。
「順番待ちになってしまって申し訳ないが、まあ、週に一回……いや、月に三回くらいは顔を出せるか……?俺も李司から割り当てられた行政の仕事が山積みで、スケジュール調整が難航しそうだが、この美貌なら俺も睡眠時間を削って頑張って時間を作ろう」
「…………ピキッ!!」
広間に、数日前に聞いたのと同じ、あの嫌な音が響いた。
貂蝉が持っていた舞の小道具である高級な扇を、怒りのあまり素手でギリィィッとへし折っている音だ。
絶世の美女である自分が、「一八番目」の「順番待ち」で、月に数回しか相手にされない。
そんな屈辱的なポジション(ただの在庫の一つ)を提示されたのだ。彼女の自尊心は、前回以上に木っ端微塵に粉砕されている。
「い、いやはや!失礼いたしました、将軍!」
「将軍のような天下の英雄の『一八番目』になれるだけでも、娘にとっては恐れ多いことでございますが……できれば、その、これほどの美貌に免じて、せめて正室、あるいは次席くらいには優遇していただけないかと……」
王允が、冷や汗を拭いながら必死に待遇改善の交渉を試みる。
「え?王允殿。先ほどご自分で『側室に』と仰ったでしょう?」
「いや、俺も男ですからな、この美しい娘を愛人として……一度味見してみたくはありますよ。男の純粋な好奇心と性欲としてね。それは否定しない。しかし」
曹操の顔から急に表情が完全に消え去り、極めて真剣で、そして深い恐怖に怯えるような顔つきに変わる。
「俺の正室は李司です。あの座は、この世の誰にも渡せません。絶対に、だ」
「いや、渡す渡さないの問題ではない。あの女の座を脅かそうとする行為そのものが、俺の命、ひいては曹家一族全員の命に関わる重大なコンプライアンス違反(死罪)になるのです。ナンバーツーの座も、すでに他の古参の妻たちが血みどろの派閥争いを繰り広げていて空きがありません。一八番目で我慢してください。それ以上を望むなら、文字通り俺の首が物理的に飛びます。俺はまだ死にたくない」
彼にとって、女遊びはあくまで「余暇」であり、本業(命と財産の管理、そして最強の遺伝子の確保)を握っているのは李司なのだ。
その絶対的な優先順位とリスク管理の壁を崩すことなど、彼には絶対にできないのである。
「……無礼者ォォォッ!!」
ついに、貂蝉の堪忍袋の緒が完全に、修復不可能なレベルでブチ切れた。
彼女はへし折った扇を床に叩きつけ、鬼女のような形相で曹操を睨みつける。
「誰が『一八番目の味見』ですか!私を安売りしないでください!!この洛陽一の美女である貂蝉を、その辺の安酒屋のつまみか何かと勘違いしているのですか!!」
先ほどまでの上品な舞姫の面影など微塵もない。ただのプライドを傷つけられて暴走する怒れる女だ。
「おわっ!!」
「なんだ急に!ヒステリーか!?さっきまでの優雅な態度はどこへ行った!」
彼は女慣れしすぎているがゆえに、自分からガツガツと来る女や、面倒くさいプライドを振りかざす女の扱いは非常に疲れると感じてしまうタイプなのだ。
「私をなんだと思っているのです!あの李司という年増女の足元にも及ばないというのですか!私の方が若くて、美しくて、女としての魅力に溢れているはずですわ!!一八番目なんて絶対に認めません!!」
「いや、顔や若さの問題じゃないんだよ。あいつ(李司)は美しさのベクトルが全く違う。あいつは美貌という名の武器を使って、俺たちの財布と命と行動のすべてを完全にハ支配している究極のテロリストみたいなもんだ。お前のような綺麗なだけの観賞用の花と比べるような真似はよしてくれ。俺が物理的に死ぬんだよ」
曹操の例えが独特すぎて貂蝉には全く伝わっていないが、要するに「お前じゃ李司の代わりには全くならない」という残酷な事実宣告である。
「き、今日はいささか娘も酔いが回ったようです!悪酔いして取り乱してしまいました!ここまでにしましょう!将軍、本日は誠に申し訳ございませんでした!」
(曹操め……!生粋の女好きだと聞いていたのに、女慣れしすぎて逆にハードルが異常に上がっておる!ただの美女では『その他大勢』の在庫扱いか!おまけに李司殿の恐怖支配が完璧すぎて、ハニートラップが入り込む隙間が1ミリも存在せんではないか!)
「……ふむ。酒は美味かったし、舞も楽しめたが、なんだか面倒なことになったな。やはり俺には、李司の用意してくれる予算の範囲内で、安全に遊ぶくらいが性に合っているらしい。ヒステリー女の相手をするのは御免だ。帰って、李司から頼まれている行政の稟議書の続きでも書くか」
曹操は早々に席を立ち、逃げるように王允の屋敷を後にした。
またしても、王允の連環の計(美女作戦)は、李司の張った強固なファイアウォール(夫の徹底的な調教)によって、完全に不発に終わったのである。
ターゲットたちの価値観は、李司によって完全にバグらされているのだ。
残るターゲットは、本丸である董卓のみ。
しかし、この絶望的な状況で、果たして王允と貂蝉に勝機はあるのか。
洛陽の夜は、彼らの絶望を嘲笑うかのように、静かに更けていくのであった。
◆
(今日こそ……今日こそ絶対に失敗は許されない!)
王允は心の中で、血を吐くような叫びを上げている。
天下無双の武人である奉先(呂布)へのハニートラップは、彼の「芸術を筋トレと勘違いする」という謎の筋肉脳によって見事に不発に終わった。
天下の女好きとして名高い曹操へのアプローチも、「一八番目の在庫扱い」という屈辱的な条件と、彼の正妻に対する異常なまでの恐怖(コンプライアンス遵守)の前に、無惨に砕け散った。
残る希望は、ただ一つ。
大本命であり、かつては後宮の女官たちに手を出し、酒池肉林の限りを尽くしたという輝かしい(?)経歴を持つ暴君、董卓を直接篭絡することだ。
(この男なら!この色ボケ親父なら、絶対に貂蝉の美貌に飛びついてくるはずだ!李司の監視の目が届かないこの宴席で、一気に既成事実を作ってやる!)
「さあ、相国様。粗茶ではございますが、我が家の料理長が丹精込めて作った宴の品々、どうか存分にお召し上がりくだされ。そして、もう一杯いかがですか?」
王允の合図とともに、彼の隣に控えていた絶世の美女、貂蝉がスッと前に進み出る。
彼女は、過去二回の屈辱的な失敗を心の奥底の鋼鉄の箱に厳重に封じ込め、今夜こそはという並々ならぬ気合を入れて、完璧なメイクと、完璧な角度の笑顔を作り上げている。
透き通るような肌、ほんのりと赤く染まった頬、潤んだ瞳。
男の庇護欲と独占欲を限界まで刺激する、まさに傾国の美女の完成形だ。
「相国様……。未熟な手つきで恐縮ですが、私がお酌をさせていただきますわ……」
その際、彼女は極めて自然な動作を装いながら、自分の豊満な胸元を、董卓の腕にフワリと押し当てる。
普通の男なら、いや、かつての董卓なら、この瞬間に鼻の下をだらしなく伸ばし、「おお、これは良い娘だ!」と即座に抱き寄せていたに違いない。
「いかがですかな?相国。我が養女、貂蝉にございます。相国のお口に合う酒が注げていると良いのですが……」
「ふむ……」
腕に押し当てられている彼女の胸の感触には一切反応することなく、極めて真面目な、そして鋭い眼光で貂蝉の全身を上から下までじっくりと観察する。
「美しいのう」
(よし!!かかった!!まずは美貌を認めたぞ!!)
貂蝉も、「やはり私の魅力は絶対ですわ!」と心の中でガッツポーズを決め、さらに色っぽい流し目を董卓に送る。
「ただ美しいだけではない。実に見事な健康状態だ」
「肌のツヤと張りが素晴らしい。これは日頃から良質なタンパク質とビタミンをバランス良く摂取している証拠だ。髪の毛の先まで潤いが行き届いておる。そして何より、その背筋の伸びと、お酌をする時の体幹の安定感。骨盤の歪みも全く見られない。基礎代謝も高そうだし、内臓疾患の心配も皆無と見える。実に健全で、健康的な娘だ」
彼は、李司から徹底的に叩き込まれた「健康こそが最大の資産」という教えを、無意識のうちに女性の評価基準に適用しているのだ。
「……え?」
(健康状態……?骨盤の歪み……?今、この男、何の話をしているのだ……?)
王允の脳内が、予想外のコメントにパニックを起こしかけている。
だが、彼はここで引き下がるわけにはいかない。相手がどういう観点であれ、貂蝉を「素晴らしい」と評価したことは事実なのだから。
「は、ははは!恐れ入ります!お見立ての通り、娘は日頃から健康には人一倍気を使っておりましてな!病気一つしたことがない、極めて丈夫な娘にございますぞ!」
(これだ!!健康で丈夫な娘!権力者にとって、丈夫な跡継ぎを産める女は一番の魅力のはずだ!これで決まりだ!)
「いかがですかな?相国。もし相国がお気に召したのなら、この娘を、相国の側室にお迎えいただけないでしょうか。娘も、相国のような天下を統べる素晴らしい英雄に、一生お仕えしたいと日夜申しておりまして……。ねえ、貂蝉?」
貂蝉も、完璧なタイミングでウルウルとした瞳を作り、董卓を見上げる。
「はい……。私のような未熟な娘でも、相国様のお側で、その健康を支えるお力になれるのなら、これ以上の喜びはございませんわ……」
健気で、献身的で、そして健康的な美女の懇願。
しかし。
「いや」
「王允殿。そのお申し出は大変ありがたいが……いけませんな。それは断固としてお断りする」
「……は?」
完全に予想外の、一ミリの迷いもない即答での拒絶である。
「な、なぜでございますか!?相国!娘の美貌や健康状態がお気に召しませぬか!?これほど丈夫で美しい娘は、洛陽を探してもそうそうおりませぬぞ!?」
「いや、美しいし、健康状態も完璧だと思うぞ。だがな、王允殿」
「儂のような、国のトップに立つ宰相級の人物が、王允殿のような朝廷の高官と、徒に縁戚関係を結ぶのは、政治的に極めて危険な行為なのだ」
「……」
「そうだ。それはやがて『外戚の禍』の、ひいては朝廷の腐敗を招く最大の原因になりますぞ」
「なっ……!」
董卓の口から、まさかの「外戚の禍」という、極めて高度で真っ当な政治的リスクの懸念が飛び出した。
「王允殿も、日頃から朝廷の会議の場で、盛んに警告されているではありませんか。『公私混同は国の乱れである』『権力の不当な集中は、いずれ漢王朝を滅ぼす』とな。儂はな、お主のあの言葉に、深く、深く感銘を受けておるのだ」
「ゆえに、儂自身が率先して公私をきっちりと分け、身内贔屓の温床となるような安易な側室の迎え入れは、固く戒めているのだ。法令遵守と統治の徹底こそが、国を豊かにする第一歩であるからな。李司殿も、毎日のように『これ以上無駄に女を囲うと経費がかさむし、親戚を朝廷に入れると利益相反が起きて私の取り分が減るから絶対にやめなさい』と、厳しく指導してくれておるのだ」
李司の徹底した「利益至上主義とリスク管理の洗脳」によって、完全にクリーンで真面目なコンプライアンスの鬼へと生まれ変わっていたのだ。
「そ、それは……その……」
彼がここで「いや、そんな建前はどうでもいいから娘を抱いてくれ!」などと言えば、自分の政治家としてのプライドと発言の整合性が完全に崩壊してしまう。
「おっしゃる……おっしゃる通りでございます……」
「私の……全くもって浅慮でございました。相国のそのご立派な見識、そして私情を挟まない公明正大な政治姿勢……心より感服いたしました……」
(くそっ!!くそおおおおおっ!!李司め!!あの悪魔のような女、董卓に一体どんな高度な政治教育(洗脳)を施したんだ!!正論すぎて、政治家として全く反論の余地がないではないか!!まさか、ハニートラップが『コンプライアンス違反』という壁に阻まれて失敗する日が来るとは!!)
「うむ、分かってもらえれば良いのだ。儂もお主のような忠臣を失いたくないからな」
董卓は満足げに頷き、そして、まるで親戚の世話焼きおじさんのような優しい顔をして、隣で固まっている貂蝉に語りかける。
「それに、年齢的にも……娘御は今年で一八か。そろそろ適齢期だな。いつまでも父親の屋敷で琴を弾いている場合ではないだろう。将来のライフプランをしっかりと考えねばならん時期だ」
(何の話ですの……?説教の次は、お見合いの斡旋ですか……?)
「いかがかな?王允殿。儂が一つ、この娘に極めて優良な縁談を世話してやろう」
「うちの奉先(呂布)の配下に、張遼という極めて優秀な若者がおるのだ。年も二六で、お主の娘とも釣り合いが取れる。精悍な顔つきのイケメン武将だぞ。性格も真面目で、無駄遣いもせず、将来は間違いなく奉先の後継者として我が軍の中核を担う器だ。李司殿も『あいつは将来有望な優良銘柄だ。投資する価値がある』と太鼓判を押しておる。給料も安定しているし、福利厚生もしっかりしているぞ」
絶世の美女を、自分の側室として囲い込むのではなく、部下への最高のご褒美として活用しようというのだ。
李司の教えである「優秀な人材への適切なインセンティブの付与」を、彼なりに真面目に実践しているのである。
「どうだ?儂が直々に仲人を務めてやろうか?相国の肝煎りの縁談となれば、誰文句は言うまい!ガハハハ!」
「…………ピキッ!!!」
広間に、本日もまた、何かが激しく砕け散る嫌な音が響いた。
貂蝉の顔に貼り付けられていた「健気な美女の満面の笑み」が、ピクピクと痙攣を引き起こし、完全に能面のような恐ろしい無表情へと変わっていく。
(私が……この洛陽一の美女であり、天下の権力者を虜にするはずだったこの貂蝉が……相国でもなく、大将軍でもなく、ただの『部下の武将』にボーナスとして下げ渡されるような女だというのですか!?私への評価は、そこまで地に落ちているというのですか!!)
貂蝉の巨大なプライドは、もはや粉々どころか、原子レベルにまで分解されて完全に消滅している。
彼女の全身から、先ほどまでの甘い色気とは全く異なる、どす黒い怨念と殺意のようなオーラが立ち上っている。
「ま、まことに光栄なお言葉ながら……」
「娘はまだ若く、世間知らずの未熟者ゆえ……急な縁談には戸惑うかと存じます。まずは、父親である私と娘とで、よく話し合ってみてもよろしいでしょうか?相国のお手を煩わせるには及びませぬゆえ……」
「うむ、確かにな。娘の意思は大事にしなければならぬ。強引な政略結婚は、後々家族間に禍根を残し、モチベーションの低下を招くからな。これも李司殿の教えだ。よく話し合って決めるがよい」
「王允殿も、儂のような血生臭くてむさ苦しいオッサンに、無理やり大切な娘を嫁がせるのは本意ではあるまい。親なら、もっと相応しい若くて将来有望な男を見つけてやるべきだぞ!ガハハハ!」
完全にまともな、そして思いやりに溢れた「良い人」のセリフである。
「はっ……!相国の寛大なお言葉、肝に銘じます……!」
(畜生ォォォッ!!董卓が、あの非道が、めちゃくちゃまともで常識的な『良い人』になってる!!李司の健康管理とコンプライアンス指導のせいで、付け入る隙が完全に、文字通り一ミリも存在せんではないか!!私の人生を賭けた『連環の計』が、完全に、完全に破綻だァァァッ!!)
こうして、王允の仕掛けたハニートラップの最終決戦は、董卓の「コンプライアンス遵守」という名の絶対防御の前に、見事なまでに玉砕したのである。
皆さんは
・呂布編
・曹操編
・董卓編
どれが一番好きでしたか?
また
この世界の董卓は
「三国志で一番まともな政治家」
になってしまっていますが、どう思われましたか?
感想などいただけるととても嬉しいです。




