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竜と少女の物語by吟遊詩人
次は白竜と少女の物語だ。
ノルアナ様の思い人がこの少女だっていう説もある。
ある日、白竜様は赤子を拾った。
赤子は珍しい、雪のような白銀の髪に青空のような空色の目をしていた。
白竜様は赤子を可哀想に思い、赤子を拾い、育てた。
赤子が8歳になった時、当時、10歳だったノルアナ様と出会った。
二人は大層仲良くなった。
だが、お二人が出会ってから10年経った時、ある流行病が流行ったんだ。
その流行病は治療法も確立されず、たくさんの人が亡くなったと言われる。
ノルアナ様はその病に罹ってしまった。
その流行病が流行ったのは冬だった。
白竜は治療薬を作れたけど、一つ、材料がなかった。
竜月草。
吹雪の中でのみ咲くと言われている花だ。
そして、少女は吹雪のなか花を探しに行った。
帰ってくることはなかったそうだ。




