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白くま
インドにスケート場を届けた一か月後。
ペンギンちゃん船長とロボットペンギンたちは、大きな飛行機に乗って、空の旅を楽しんでいた。
窓側の席で、アルバムを見るペンギンちゃん船長。
アルバムの中の写真はどれも、インドで撮ったものばかりだ。子どもたちがスケート場で笑っている写真や、ロボットペンギンたちがインドのダンスを練習している写真。あと、インドの観光地の写真もある。
ゆっくりとアルバムをめくりながら、ペンギンちゃん船長は笑っていた。
(インドに到着できて本当に良かった。楽しい思い出がたくさんできたし)
南極への「おみやげ」は、からいカレーと、おいしい紅茶だ。
(またインドに行きたいな)
そう思いながら、アルバムを閉じる。
そして、今度は手帳を開いた。次の予定を確認するのだ。
南極にもどったら、新しい船が完成しているだろう。
(次の行き先は・・・・・・日本か)
ペンギンちゃん船長が手帳を閉じると、飛行機が高度を下げ始める。
窓の外を見ると、南極の空港が近づいてきていた。
ご乗船、まことにありがとうございました。