雪花冰
ペンギンちゃん船長がインドに到着した次の日。
港の近くにある海岸に、氷の船は止まっていた。
船のまわりには、インドの子どもたちがたくさん集まっている。
インドは暑い国なので、氷の船を見るのは初めてらしい。
オーストラリアの時のように、船のすぐ横には「かき氷屋さん」を出していた。
もちろん、子どもは「無料」だ。
ロボットペンギンたちが「かき氷」をつくり続けている。
船の一部だった氷を、「かき氷」をつくる機械にセット。
しゃり、しゃり、しゃり、しゃり。
どんどん氷がけずられていく。そして、あまいシロップをかけたら、「かき氷」の完成だ。
そして、その「かき氷屋さん」のとなりには、インド政府の「カレー屋さん」もあった。
かき氷とカレー、どっちを先に食べようか。それで悩んでいる子も少なくない。
この時、ペンギンちゃん船長は船の中にいた。
ペンギンの着ぐるみ姿だ。今日は救命胴衣をつけていないし、ヘルメットもかぶっていなかった。
「みんな、こっちだよ」
ペンギンちゃん船長のうしろには、インドのあちこちから来た一〇〇人の子どもたち。全員がわくわくしている。
しばらくして、ペンギンちゃん船長が足を止めた。
立ち入り禁止の部屋の前だ。
「この向こう側に、すてきなものがあります」
立ち入り禁止の部屋は二つある。大きい部屋と小さい部屋だ。今回は大きい部屋の方。
ペンギンちゃん船長がリモコンのボタンを押すと、大きい部屋のドアが開いていく。
その先にあったのは・・・・・・。
子どもたちから歓声が上がる。
「スケート場だ!」
そう。すべて氷でできた「スケート場」である。