第三話 きゅんっ和風もえもえハンバーグ♡
はぁ…。
どうしたものか。
ノリでついて来てしまったのはいいものの、なんで和食屋なんだ?
しかも店員さん着物っぽいのの上にエプロン着てるぞ。
これを人は、和ロリという。
ここ、ほんとに和食屋なのか?
まぁいいか。
B助はメニューを見た。
「…。」
ぱたん。
「A太郎。僕は決めたから見ていいぞ」
「さんきゅー」
次第にA太郎は怪訝な表情に変わっていった。
「…。」
ぱたん。
「りんご…ちゃん?えーっと…これメニューだよ。」
「感謝するわA太郎」
そしてメニューを見て満足げにうなずくりんご。
「そこの店員さん」
どうやら決まったようである。
「ご注文承ります」
「この、『きゅんっ和風もえもえハンバーグ♡』を頼むわ。二人はどうするの?」
僕は。
絶句した。
………
え、僕も何か頼むの?
慌てて比較的まともそうなものを指さした。
「あ、えっと『緑は草原の緑色♡あまーい抹茶』で、はい」
「あっはい俺もそれで」
「だそうよ」
きらんと効果音が付きそうな完璧スマイルをするりんご。
僕がまさか和食屋でこんなことをいう羽目になるなんて…。
「ではご注文を確認します。『きゅんっ和風もえもえハンバーグ♡』がお一つ、『緑は草原の緑色♡あまーい抹茶』がお二つでよろしいですか?」
「はい♪」
はい…。
きゅんっ和(以下略)を食べ終えたりんごは、おもむろに話を切り出した。
「ねぇA太郎。あなた…」
なんだ?急に真剣そうな顔をするじゃないか。
「家庭科できる系男子かしら?」
「あっはいおっしゃる通りでございます」
急だなぁ。てかA太郎のキャラが不安定すぎて怖い。
「なら、ひょっとして……いえ、なんでもないわ。どうせ今回もダメなのよ。」
急だなぁ。なんなんだよこいつ。
「諦めないでください!りんごちゃん、いやりんご先輩!俺はあなたの力になりたいんだ!」
ほんと急だなぁ。
どうやら先ほどのハンバーグの下りでA太郎のりんご尊敬度が爆上がりしたらしい。
なるほどわからん。
「ひくわー何こいつ急にロリータ口説きだしたぞおまわりさんこいつです」
理不尽極まりない。なんなんだよこのロリータ。
だがまぁ。
「でー?結局お前はなにがしたいんだよりんご。流石にA太郎が可哀そうだ。」
「び、B助…俺のために…」
「実はね、わたし…」
「ごくり」
ごくり。
「りんごの帽子がほしいの!」
「え?」
「は?」
り ん ご の 帽 子 ?
いや何言ってんだこいつ。
「おーねーがーいー!作って作ってー!ねー作ってよー!」
そして、上目遣いでA太郎をみるりんご。
「A太郎、お願い、できる?」
「ずっきゅん」
そのとき、僕は初めて誰かがずっきゅんと口に出すのを見た。
「もちろんです俺やればできるという点においては定評のある男なんでええやらせてください」
即答しやがった。
こうして僕たちの、長いようで短い夢の旅が始まるわけだが…それはまた次の話。
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