1/4
はじまり
目が覚めると、そこは白の世界だった。
「え」
ここ、どこ。
真っ白。何にもない。ど、どうしよう。とにかくここから出ないと。食料がないのは困る…よな。
「は?」
なんか、真っ赤なものが落ちてきた。なんだこれ。
うん。それはどっからどう見てもリンゴ、だった。なにこの展開。
とりあえず食料ゲットだ。手を伸ばし、リンゴを食べようとした次の瞬間、
「カーカー」
「へ?」
カラスに。リンゴが。持ってかれた。僕の初めてのリンゴが。
うん。仕方ない。
寝るか!
ぱちり。
目が覚めると、そこは見慣れた僕の部屋の天井だった。
今日は、なんか変な夢を見た気がするような、しないような。
その日は普通に学校へ行き、そして帰宅した。
11時。就寝。
目が覚めると、そこは白の世界だった。
「も」
も。
「もう、やだ…」