因果応報。
コロナワクチン2回目の威力により39℃突破しました。
しばらく更新不安定になります。
「それでこの領地は今後どうなるのでしょう?」
村長さんからしたら当然だよね。
俺達の村もナルタ辺境伯領の一部なんだし。
「一応まだ予定なのだが、私と縁がある辺境伯領のお隣の伯爵がこの領地に収まる予定なのだよ。」
伯爵から辺境伯って陞爵になるんだろうか?
しかもお隣の領主って。
「そして
伯爵領は元辺境伯家が引き継ぐだろうね。」
「つまりは領地替えですか。」
「今回仕出かしたことは確かに重大だが、だからと言って辺境伯だった人間達をいきなり平民になどは出来ない。なので苦肉の策で元辺境伯は伯爵となり隣の領地の領主になるだろうね。」
サイさんが悪い顔をしてる。
「それに今あの伯爵領は物凄い困っているのだよ。」
「困っている?」
「ぶっちゃけると辺境伯が伯爵に嫌がらせをしていてね、食料は満足に入ってこない。魔物の素材も関税によって吊り上げられてる。」
「つまりはいじめっ子といじめられっ子の逆転?」
「まぁ伯爵は元領地に住む領民のためにいじめることはしないだろうね。」
「それって危なくないですか?」
「危ないとは何故かな?」
「だって今伯爵領の住民の皆は辺境伯のせいで苦しんでいるんですよね?苦しめてきた元凶の人間が自分達の領主になるんですよ?」
それこそ暴動になるよ。
「難しい舵取りになるだろうね。流石に元辺境伯様も次は無いだろうから必死になると思うよ?」
つまり2連続でやらかしたら完全に処分ってことか。
「それにしてもラグナ君は本当に賢いな。本当に村で育ってる子供とは思えないよ。」
「「「確かに。」」」
何故そこで父さん達も同意するんだよ。
「そうだ。ラグナ君で思い出した。レシピの件を話し合おうじゃないか。」
レシピかぁ。あんなもので登録されるなんてね……
「その件に関してはおまかせしますよ。僕としては全く判らないことだらけなので。」
「本当にいいのかい?では我が商会でラグナ君が提案した料理のレシピを使用した売り上げの1割を君に。他店からは2割を君に支払う契約で行こうと思うがどうかな?」
罪悪感が半端ないな……
ただ単にパンに具材を挟んで一緒に食べれるだけなのに……
「本当におまかせしますよ。よくわからないですもん。」
「そうか、それでこの料理の名前はどうするんだい?」
本来ならサンドイッチなんだろうけどこれって確かサンドウィッチ伯爵って人の名前から取って付けられた名前だと言われているって見た気がする。
だからと言ってサンドパンってしたいけどサンドって別に挟むって意味じゃ無かったんだよな。
海外でホットサンドが食べたいからって英語で普通にホットサンドって頼んでも向こうからしたら熱い砂をくれ?ここは砂場じゃねーよ!ってなるって読んで爆笑したよ。
それにサンドイッチとかサンドパンだともしも転移者とか転生者がこの世界に居た場合、俺が転生者とバレる可能性があるし。
出来れば隠しておきたい。
「名前なんて思いつきませんね……」
サイさんとブリットさんも考えてくれている。
「普段だと開発者の名前をいれるんだがな。」
「ラグナパンって登録するのが一番簡単だけどどうだろう?名前も売れるよ?」
流石にそれは恥ずかしい。
「出来れば自分の名前のままってのは恥ずかしいので遠慮したいです。」
「それならばこれなんてどうでしょう?グーナパン。」
突然お茶を運んで来てくれたミレーヌさんが話に加わってきた。
「グーナパンか。一応ラグナ君の名前の一部も入っているしな。どうだろう?私もいいと思うよ?」
グーナパンかぁ。
確かにこれならバレないだろうけど気恥ずかしい部分はあるな。
まぁ仕方ない。
「グーナパンで登録お願いします。」
「おぉ、それならば良かった。ではサイはミレーヌとラグナ君を連れて商業ギルドで登録してきて貰えるか?」
「わかりました。それじゃあ行こうかラグナ君。」
「えっ、あっ、はい。」
ちょっと不自然に感じるけど父さん達と別れて商業ギルドに向かうことになった。
今度は裏口から出て馬車に乗り商業ギルドへ。
なんで一々馬車で移動するんだろう。
「なんで馬車で一々移動するんだろうって顔に出てるよ。」
あらま。
「すみません。でも気になっちゃって。」
「まぁこれは単純に僕達の身を守る為でも有り皆を守る為でも有るかな。」
「それはいったい……」
「父さんも含めてだけどエチゴヤ一族は見習いを卒業したらあまり表に出てこないようにしてるんだ。それは何故か分かるかな?」
「顔が広まると犯罪に巻き込まれるからですか?」
「正解。初代エチゴヤ商会の孫にあたる人でね、一応3代目の商会長になる予定だった人が店内で殺される事件があったんだ。」
暗殺かな。
「しかも殺された原因が他の商会からの妬みでね。」
「妬みですか……」
「勇者様のお陰で稼げただけだろうってね。」
「その後はどうなったんですか?」
「当時はまだ勇者様も初代エチゴヤ商会長もご存命でね、激しく怒り犯行を行った商会の人間を捕らえるようにすぐに人を回したんだ。」
「直ぐに捕まったと?」
「いや、捕まえることが出来なかったんだ。」
捕まえることが出来なかった?
「それはどうしてでしょう?」
「それはね。既にこの世から居なくなってたのさ。」
「えっ?」
「3代目になる予定だった人を殺した犯人がね、店内で買い物をしていた市民達に捕まったのさ。そしてそのまま店先まで引っ張り出されて市民達が集まる中で尋問されてどこの商会がやったことか判明。怒り狂った市民達はその商会を襲撃。そして商会の家族がまだ建物にいることが判明したので一般市民が退去したあとにそのまま建物ごと魔法で破壊しつくしてしまった事件があったんだ。」
「過激すぎる……」
「当時はまだ魔王と戦争していた時の経験者が大量に居てね。魔法を使える人間が今よりもずっと多かったんだ。」
完全なる私刑ってやつか。




