エチゴヤ商会へ
本日、コロナワクチン2回目。
副作用でいろんな意味で死なぬようただただ祈るのみです。
時刻は午前9時。
時間ピッタリに迎えの馬車がやってきた。
「貴重な体験をさせていただき感謝する。とてもゆっくりと休むことが出来たので本当に助かりましたじゃ。」
皆で宿の支配人さんに感謝を伝える。
「こちらこそ、若様を救って頂き本当にありがとうございました。」
全員が綺麗に揃えてお辞儀をしている。
本当にサイさんって従業員の方々に愛されてるってことが伝わってくるよ。
そして馬車に乗りいよいよエチゴヤ商店へと出発。
5分位で到着。
エチゴヤ商店とエチゴヤの宿は近かったらしい。
馬車から降りるとエチゴヤ商店の店員らしき方々が綺麗に並んでいた。
これは……
「アオバ村の方々、エチゴヤ商店へようこそ。この度は本当にありがとうございました。」
宿と同じ様に息をピッタリ合わせて店員らしき人達が頭を下げている。
周りの通行人やお店の人達までもが大通りに出て来てこの光景をのぞいている。
「それではこちらへ。ブリット様とサイ様がお待ちです。」
お店の中の通路を歩き従業員専用の扉へ。
そして扉の先にある通路を歩き部屋の前へ。
コンコン。
「誰だ?」
「アオバ村の方々が到着しました。」
扉が開き部屋に入るとブリットさんとサイさんが書類に囲まれていた。
「おぉ、よくいらっしゃいました。」
ブリットさんが村長さんと握手している。
「こちらこそ、昨日は貴重な経験をさせて頂き感謝する。村にいては決して体験出来ぬことじゃった。」
「いえいえ。こちらこそ本当に助かりました。たまたま3日前にこちらの支店に用があったので来ていて本当に良かった。息子に話を改めて聞くと本当に血の気が下がる思いでした。アオバ村の方々が助けてくれなければうちの息子は確実に死んでいたでしょう。」
そして椅子に案内されて皆で座ると部屋の扉がノックされた。
扉を開くと現れたのは可愛らしいフリフリの洋服を着た女の子がカートに載せたお茶とお茶請けを運んで来ていた。
「アオバ村の皆様、ようこそいらっしゃいました。ブリットの娘のミレーヌです。兄を助けて頂き本当にありがとうございました。」
「アオバ村の皆様には本当に感謝します。そしてラグナ君、幼い君を巻き込んでしまい本当に申し訳無かった。」
サイさんはやっぱり気にしていたのか。
「全然大丈夫ですよ。サイさんにはいろいろ気を使って頂き助かりました。それに昨日の宿での料理、本当に美味しかったです!」
「喜んでくれたみたいで良かったよ。」
「それでこれは何かあったのですかな?」
本当に書類だらけ。
紙って貴重なんじゃなかったっけ?
「いやぁ、息子に話を聞けば聞くほど腹がたってしまってな。あの領主へと仕返しすることにしたのですよ。」
ブリットさん物凄い笑顔だ。
「とりあえず昨日の話し合いが終了した後に商業ギルドへ今回のことを全て伝えた上でギルド経由で既に王宮へも通報済み。あの領主がきちんと報告するなんて思っていませんのでな。」
そして笑顔のサイさん。
「今回の事件はエチゴヤ商会全体への攻撃なのでしょうか?と父が王宮に言ってしまったものだから向こうは大混乱。この国の宰相閣下から直ぐに連絡が来ましたよ。」
エチゴヤ商会ってやっぱり影響力は多大なのか。
「それで此度のことはどうなるので?」
「ナルタ辺境伯、いや元辺境伯か…は商業ギルド経由で王宮より連絡があったみたいで早朝に慌てて王都へと出発して行ったよ。」
「それはそれは……」
流石の村長さんも顔が引きつってる。
「この事態を重く見た王宮は辺境伯の爵位を剥奪。辺境伯領は一時的に王宮の預かりとなるらしい。」
爵位の剥奪ってそんな簡単に出来るものなのか?
貴族達の反発も凄いだろうに。
「ラグナ君、何か言いたそうだね?」
皆の視線が俺に……
「えっと……爵位の剥奪ってそんなに簡単に出来るんですか?他の貴族様が警戒して反発しそうですが。」
うん?
皆の顔が驚いてる?
「驚いた。君はその歳でそこまで頭が回るのかね。」
ん?
村長さん達も何故驚いた顔をしてるんだ?
「うちの村では恥ずかしながら教育という教育は全く行われてない。よくそこまで考えられたのぅ。」
「流石は俺の息子。」
「えっと……」
「君の疑問に答えよう。この国で圧倒的人気なのが初代勇者様だ。そして子孫の自分で言うのもあれだが2番目に人気なのが初代エチゴヤ商会の代表なのだよ。つまり2番目に人気のあるエチゴヤ商会の子孫に対して行った今回の暴挙。市民の皆はどう思うかな?」
市民の人気者、つまりアイドル的な感じか。
それが領主の息子に殺されかけた。
その時点で市民の反発があるだろうし、その後のあの対応も考えると……
「暴動ですか……?」
「そうだね、市民の反発は凄まじいことになると思うよ。他領の貴族も住民の反発を恐れて今回の件に関しては完全に傍観だろうね。下手に庇って巻き込まれたくないだろうし。」
「そうならないように今回王宮は重い処分をすることになった。じゃなきゃ爵位の剥奪なんて行われないよ。」
エチゴヤ商会の看板って凄まじいんだな。




