絶対に揉めて巻き込まれる件。
現在検査入院中の為、更新が長引いてしまい本当にすみません。
父さんが村の狩人達と商人を救助の為に村を出発してから1日が経過した。
母さんは不安な顔もせずに妹に母乳をあげていた。
「落ち着いて座ってなさいよ。」
不安で落ちつかなくて部屋の中をふらふらしてしまった。
ついでに寝不足。
昨日は覚悟も出来ていないまま魔物と遭遇。
そしてあの娘が助けてくれなかったら俺は死んでいた。
父さんと訓練していたとは言え、いざ実践っとなった時に思うように身体が動いてくれなかった。
いろいろ考え込んでしまいなかなか寝付くことが出来なかった。
そうしたら母さんが妹を寝かしつけた後に俺の側に来て横になりながら話を聴いてくれた。
お陰でやっと寝付くことが出来た。
なんとか気を落ち着かせようと椅子に座っていた。
そろそろ昼ご飯の時間かな?と少し考えていたら外が騒がしくなっていることに気がついた。
「どうやら帰ってきたみたいね。母さんは動けないからラグナが見てきてくれるかしら?」
「うん。見てくるよ。」
俺は家を出た後に村の入り口に急ぐ。
村の入り口には父さんの姿は無かった。
きょろきょろしているとハルヒィさんの弟子で門番のヘルメスさんが俺の姿を見つけて手を振っていた。
「ヘルメスさん、お疲れ様です。父さん達を見ませんでしたか?」
「グイドさん達は村長の家に向かったぞ。仲間達も全員無事に帰ってきてる。」
「わかりました。ありがとうございます。」
全員無事に帰ってきていることに安堵しつつもヘルメスさんと別れて村長の家へ。
村長の家に到着したのでドアをノックする。
ドンドン。
すると中から声が聞こえた。
「ラグナのようじゃのぅ。ラグナや!父ならここにおるから入っておいで!」
村長様の声が中から聞こえたのでラグナは扉を開ける。
「おじゃましまーす。」
村長の部屋に入るとそのまま父さんのもとへ。
「村長様とハルヒィさんと父さん、お疲れ様。商人さんも無事だったみたいで良かったです。」
「ありがとう、君がラグナ君だね?君も災難だったね。ワイルドボアに襲われたんでしょ?でもその歳でワイルドボアを討伐するなんて凄いよ。」
父さんめ。口を滑らしたな。
「本当にたまたまですよ!あんな奇跡は二度と起きませんから。むしろ次に同じ目にあったら普通に死にますから!」
ただ初めての狩りに行っただけなのに。
気がついたら魔物の討伐だなんて無茶ぶり過ぎる。
そのあと父さん達から昨日の話を聞く。
どうやら魔物を森まで連れてきた男達は死んだらしい。
正直な所、あいつらのせいで死にかけた身としては自分の口から文句の一言でも浴びせてやりたかったくらい。
「とりあえずは今日と明日休んだ後、領主の町へと向かうとするかのぅ。」
「下手な言い掛かりをつけられる前に動いた方が良いでしょうね。」
その後領主の町へと向かうメンバーの選定が行われた。
領主の町へ向かうメンバー
村長 父さん ハルヒィさん 商人さん そして何故か俺。
「僕も町に行ってもいいのですか?迷惑じゃありませんか?」
話の内容的に確実に揉める案件じゃないか。
出来れば関わりたくないんだけど……
「今年9歳になった私の妹が居るんだけど、君には出来ればうちの妹と会って貰いたい。ラグナ君と同じで来年から学園に通う予定なんだ。」
妹さんかぁ……
こっちは辺境の村出身の一般人。商人の妹さんはあのエチゴヤの一族だよ?
話が合う合わない以前に立場が違い過ぎる。
「それに万が一発言が本当に真実か嘘かの鑑定魔法を使われた場合、ラグナのことを伏せておくことが出来ない。変に隠し通すと発言が嘘と判断されてしまう場合があるからな。だから本当なら連れて行きたくは無いんだが……」
発言に対する鑑定魔法なんてものがあるのか。
確かにそんな魔法があるのならば俺のことを変に隠そうとして万が一父さんたちの発言が嘘と判断されても面倒なことに……
仕方ない。ゴタゴタが起きることは覚悟して着いて行くしかないか。
「わかりました。僕も父さん達と一緒に領主の街まで着いて行こうと思います。」
この世界に転生して9年。
初めて村を出ることが決まったのであった。




