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シーカリオンへと到着するエチゴヤと困惑の商人達

「さぁ、お話は一旦終わりよ〜。急いで出発するわぁ~」


いつのまにか エイミーさんがこちらへと帰ってきていた。


「でもみんな並んでますけど……」


「それについては 大丈夫よぉ。 シーカリオンとは話をつけてきたから。すぐに 案内の者を送るって言ってたんだけど ……遅いから私だけ先に走って来ちゃった♡」


えへっと舌をペロッと出してバチコンとウインクしてくる エイミーさん。


ラグナは苦笑いしながらも、元気そうなエイミー姿にホッとするのだった。


しばらくしてシーカリオンから馬に跨がった兵士達がエチゴヤの馬車へと合流する。


兵士達や馬は汗だくで、明らかに疲れきっていた。


その様子を驚いた表情で見る元クラスメート達。


『『この人……馬に乗った兵士達を走って置いてきたのかよ!?』』


エイミーは汗一つかいていないのに、汗だくの兵士達をみるとついそんな言葉が出そうになり……


グッと堪えた。


そんな疲れきった兵士達とは違いエイミーは気楽そうな笑顔を振りまきながら兵士たちに話しかけていた。


そして兵士や馬が少し休み、水分補給なども済ませた後にエチゴヤの馬車はシーカリオンへと向けて出発。


入国待ちをしている人々の横を兵士達の案内に連れられてエチゴヤの馬車が通り過ぎる。


「俺達はずっと待っているってのに、貴族様は優遇ってか?」


そう愚痴を零す商人。


どこの貴族だと馬車を確認しようと、目の前を通り過ぎる馬車の紋章を見て思考が停止する。


「お、おい、あの馬車ってよ……もしかして……」


自分の見間違いかと思い、もう一度確認するが結果は同じ。


「あの紋章は……」


「まじかよ!でもよ、シーカリオンに向けて何でだ……?」


「シーカリオンにこのタイミングでなんでエチゴヤの一族が乗る馬車が向かってるんだ……?」


一向に進む気配の無い列にイライラしていた商人達だったのだが……


自分達の横を通り過ぎた馬車の車列を見て唖然とする。


貴族であれば愚痴の一つも出ただろう。


しかし、今通り過ぎたのはあの『エチゴヤ』。


商人であれば誰もが憧れる、伝説の商会。


エチゴヤの荷馬車であればよく目にするが、一族が乗っている馬車を目にすることなど、そうある事では無い。


ガヤガヤと騒ぐ商人達をしり目に馬車の車列は順調に進むと、シーカリオンの国境門へと到着した。


国境門では特に商人達が殺気立っており、罵声が飛び交っている状況。


「いつになったら入国審査が始まるんだ!」


「このまま外にいて、魔物にでも襲われたらどうするんだ!」


「俺達をこんな所で野垂れ死にさせるつもりなのか!」



入国を待つ商人達から不満の声が上がり、もはや暴動へのカウントダウンが始まっている状況下の中、貴族など一部の人間のみが優遇で入国出来る専用の門へと馬車の車列が到着した。


殺気立つ商人達。


一部では暴れだしそうな輩もいる。


自分達はずっと待っているのにも関わらず、優遇される奴がいるなんてと。


これだけ人がいれば罵声の一つ飛ばしてもバレないだろうと、車列に向けて声をあげようとした瞬間。


先ほどまで罵声が飛び交っていたはずの国境門が静寂に包まれる。


目を見開く住人や商人達。


膝を付き、馬車の車列へと祈りを捧げる人々すら現れたのだった。





今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

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