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再会は悲しみと共に

街道を爆走していたエチゴヤの馬車の集団だったのだが、シーカリオンへの入国待ちの列に捕まってしまい停止する事に。


そしてエイミーさんが馬車の中から降りてきたサイさんと何か会話している姿が見え、フィリスもいつの間にかそちらへと向かっていた。


そして俺に気が付いたエイミーさんはやや軽めにウィンクすると護衛に混じっていた懐かしい顔触れの方を指差し優しく微笑むと、


「それじゃあ行ってくるわねぇ~!」


と、ドッドッドッと激しい足音と共に走り去っていくのだった。


ラグナはエイミーさんを見送った後、ゆっくりとした足取りでかつてのクラスメートの元へと向かう。


「「ラグナ!!」」


そう俺の名を呼ぶみんなの目には涙が浮かんでいた。


「みんな……久し振り」


皆には俺が無事だって事を内緒にしていたから、少しバツが悪そうに挨拶をする。


「ほ、本当にラグナなの……?」


最後に目にした時よりも大人っぽくなったセシルが恐る恐る確かめてくる。


チラチラと足を見ているが……


「幽霊じゃないよ。ほら、足もちゃんとあるよ」


「本当に……本当にラグナなの?生きてたんだね……」



「うん。心配させてごめんね」


と、セシルに軽く頭を下げる。


セシルが涙を流しながら手を広げてラグナに近寄り、もう少しでハグをしながら無事で良かったと伝えようとした所で、


「ラグナくん!」


という声と共に横から少女がラグナに飛びついて来た。


ラグナはびっくりしながらも飛びついて来た少女を優しく受け止めると、


「ただいま、ミレーヌさん。それにみんなも」


と目の前で手を広げて固まっているセシルに苦笑いしながらも、あらためて皆にそう伝えたのだった。


「まさかお前が生きているとは思わなかったぞ」


「俺もあの時は終わったって思ったよ」


握り拳を前に突き出してきたウィリアムの拳にラグナはコツンと軽くぶつける。


「……無事で良かったよ」


ボソボソっとぶっきらぼうに呟いたシャールにも


「ありがとう」


と伝えると、フンっと照れくさそうに言いながらも拳を突き出してくる。


そしてお次はあの双子。


「ほんま幽霊ちゃうよな?」


「ね、姉さん!」


自分の姉の暴言に慌てるテオは相変わらずだった。


思わずクスッと笑ってしまう。


「2人とも相変わらず元気そうで良かったよ」


「あー……まぁ元気っちゃー元気やけどなぁ。空元気って感じやで」


と、どこか歯切れの悪い言葉を出すルー。


「どうしたの?そういえば、何で皆はエチゴヤと一緒に……?それにベティー、クララ、シーヴァの3人の姿も……」


久々の再開に浮かれてしまったけど、冷静に考えればおかしい点が幾つもある。


どうしてヒノハバラからエチゴヤと共に脱出してきたのか。


そもそも何で脱出する必要があったのか。


ウィリアムが代表して説明してくれた。


「俺達の両親は……既にヒノハバラの手によって殺されたと思う……実際に目にした訳じゃないから確定では無いがな……」


「えっ……何でそんなことに……?」


あまりにも予想だにしなかった現実にただ驚く事しか出来ないラグナなのだった。



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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