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兵士達に襲い掛かるウルフピーの恐怖

第1巻発売中~ 第2巻も予約受付中なのでよろしくお願いします!




すぅーっと消えていくウィンドスクリーン。


住人達目の前には、杖を構えたまま唖然としている魔法師達の姿が見えた。


「はやく逃げて!!」


ラグナがそう叫ぶと、住人達は我先にとその場から逃げ出していく。


「逃がすな!はやくヤらんか!」


魔法師達の後方にジャラジャラと宝石を身に纏った男が叫んでいるのが見える。



「アイツは……」


奥で叫ぶ青年にはどこか見覚えがある。


「何をしている!逃げてしまうではないか!早く仕留めるのだ!!」


そう偉そうに唾を飛ばしながら叫ぶ男の正体は


「ヨハム公爵の身内か……?」


住人から税として多額の金を巻き上げて好き放題に暮らしていたヨハム公爵。


ラグナがサリオラから受け取った宝石を守護の女神の神殿から横流しさせて手に入れた人物でもある。


叫びちらしているその人物はどこかヨハム公爵の面影を感じる。


「家畜どもが、我に楯突くとは……反抗する家畜など必要無い!はやく殺せ!」


魔法師達にそう命令する青年。


魔法師達は命令に従い、躊躇なく逃げ惑う人物達に向けて杖を構えた所で……


「ウィンドスクリーン!!からの……」


ラグナが続いてとあるブツを召喚しようとした所で、思い出す。


『フェンリルの尿ってあんまり匂いがしなかった!』


すると、頭の中にあの声が。


『ウルフピーを召喚しますか?』


オオカミの尿であるウルフピー。


キャンプをやる人でもごく一部の人でしか使わないであろう品。


オオカミの尿の匂いで害獣避けとして使われているそれを……


ズドーーーン!!


巨大な金属のような板の集まりが魔法師だけでなく兵士達や後ろで控えていた青年を含めてグルッと囲むように現れ地面に突き刺さる。


「さっきからなんじゃこれは!はやく壊さんか!」


そう檄を飛ばす青年。


ウィンドスクリーンに向かって剣を振り下ろす兵士達。


ガキーーン!!


耳が痛くなるほど甲高い金属音が響くだけでビクともしない。


ラグナはウィンドスクリーンの上部へとジャンプし、中を確認。


まるで雨のようにウルフピーを撒き散らす。


「ん?なんで晴れているのに雨が?」


剣を構えていた兵士がふと上を見上げる。


手についた水を振り払おうとした所で、鼻に異変を感じる。



「うげぇぇぇ!!」


直後、周囲一帯を激臭が襲い掛かる。


その匂いに耐えきれなくなった兵士の何人かはその場で嘔吐してしまう。


ダンダンダン!!


ウィンドスクリーンを激しく叩く音が響く。


目や鼻や口から液体を垂れ流しながら兵士達は助けを求めるように叫び続けていた。


「今の内に逃げて!!」


ラグナはウィンドスクリーンから飛び降りると、まだ遠巻きにこちらの様子を窺っていた住民達やエチゴヤの護衛達にそう呼びかけた。


エチゴヤの馬車は国境門の向こう側へと移動を開始。


護衛達もそれぞれ近くにいた住人達に避難を呼びかけると、後方から新たに来たエチゴヤの馬車を護衛しながらヒノハバラから脱出する。


ラグナはウィンドスクリーンを展開しながらも後方から来た馬車を見守っていると、ゾクゾクとした視線を感じた。


そちらの方を見るとバチコンという音が流れそうなほど力強いウィンクをしているオネエサマが手を振りながら馬車を護衛していた。


苦笑いしながら手を振り返しているラグナ。


エイミーの他にも馬車の護衛をしている人物が数名いたのだが……


ラグナが手を振る姿を見て固まるのだった。



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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