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襲いかかる小さき人間

4月20日 第1巻 発売なので、よろしくお願いします!!




「さて……ここまで来たけど、どうしようかな」


ラグナはこの国を脱出して以来一度も近寄ることすら無かったエメラダの街に到着し、今後の動きについて悩んでいた。


国境都市イザスタまで進むべきか。


それともこのままこの街で待つべきか……


「国境都市イザスタにはヒノハバラからの間者が多いとは聞いたことがあるからなぁ……」


出来れば近寄りたくはないのだが。


「でも迎えに行くならばイザスタまで進むしかないんだよな……」


何でこんな事になったのだろう。


エチゴヤの一族が国外脱出する事を決めた何かがあったのだろうか?


しかし……


もしもエチゴヤがヒノハバラを脱出するなんて事実があの国に伝わったら、国民達がどう動くのか全く予想がつかない。


それにあの国がそう簡単にエチゴヤの一族の出国を認めるのだろうか?


わからないことだらけだが、今は動くしかない。


ラグナはエメラダの街で宿を探して一泊。


翌日の朝には初めて訪れるイザスタへと向かうのだった。


「グギャ!!グッギャ!!」


「はやく逃げて!」


「す、すまない!!」


急いで馬車を走らせてその場から立ち去る商人。


ラグナは街道に現れたホブゴブリンの群れと戦っていた。


「邪魔!!」


ラグナは無詠唱でファイアーボールを発動させると、今にも飛びかかろうとしていたホブゴブリンの顔面目掛けて放つ。


ホブゴブリンの顔半分に当たると激しく燃え盛る。


「ギャァァァ!!」


地面に転がり回り、火を消そうと足掻くホブゴブリン。


何匹かの仲間も慌てて砂を掛けて消そうとするが、全く消える気配はない。


しばらくゴロゴロと転げ回り痛みに叫び声をあげながら、やがて絶命した。


呆気なく絶命した仲間をぼう然と見るホブゴブリン達。


進化した自分達は強者だったはずなのに……


ゴブリン達は気が付けばここにいた。



気が付く前の記憶は無い。


「グギャ?」


頭の中にある命令は一つ。


『人間の命を奪い、喰らえ』


「う、うわぁぁぁぁ!!」


「何でこんな所に魔物が!?」


のんきに目の前に現れた生き物。


『それが人間だ。喰らえ。そして力を

得よ』



その瞬間、仲間達と共に襲い掛かり……


そして喰らう。


「グギャ?」


「グギャギャ?」


人間と呼ばれる生き物を喰らうと自身が強くなった気がする。


もっと喰らう。もっと力を。


そうしているうちにホブゴブリンへと進化していた。


ホブゴブリンとなってからは更に狩りが楽になった。


人間が沢山集まっている場所へと一度近寄ろうとしたのだが……


他の魔物があっという間に殺されたのを見て、近寄るのを止めた。


そこからは一人~三人程度で移動している人間ばかりを襲って力を得ていた。


もう少し力を得れば、更に上位の存在へとなれると思っていたのに。


まさか自分達よりも遥かに小さい人間にここまで呆気なく仲間が殺されるなんて……


「グギャ!!グギャギャ!!」


許さない。


絶対に殺す。


そう意気込んで小さき人間の方を振り向くと……


「エクスプロージョン!!」


ホブゴブリン達にとって死の宣告とも呼べる魔法が放たれた。


慌てて武器を投げ捨てて逃げようとするホブゴブリン達だったが……


爆炎魔法に抗う事など出来ず、激しい炎が襲い掛かる。


あっという間に身体は燃やし尽くされ、爆風によってホブゴブリン達の存在は跡形もなく消えたのだった。





今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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