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初心者キャンパーの異世界転生 スキル[キャンプ]でなんとか生きていきます。  作者: 奈輝
目覚めの産声はこっそりと。

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備長炭の活躍と村長さんと朝ご飯と。

喘息発作が悪化してしまい入院となってしまいました。

そのため更新が遅れました、ごめんなさい泣

予定では今日退院できるといいなぁとお祈り中です。

完全復活までしばらく更新は不定期になります。





村長とハルヒィさんは家の入り口で雑談をしながら我が家の無事を確認した後、他の家へと巡回に戻った。


「玄関からは乾燥中の薪で見えないだろうと思ってたけど、一瞬爺さんの目線が暖炉に向いたな。もしかしたらバレたかもしれん……」


あっ。早速隠すのを忘れてた。


「どうせ村長さんには話をするんでしょ?」


「まぁ確かにそうか。最悪ハルヒィにバレてもあいつは黙っててくれるだろうよ。如何せん実体験があるからな。」


「それにしてもハルヒィさんってユニークスキル?持ちだったんだね。」


「まぁあいつはあいつで苦労してきたみたいだけどな。だけどなラグナ。お前のスキルも十分危ないからな?」


「そうねぇ……ラグナのスキルはお金を稼ぐのにぴったりなスキルだものね。本当に気をつけないと、ハルヒィみたいに捕まっちゃうわよ?」


「本当に気をつけるよ。ハルヒィさんみたいに逃げれるスキルなんて持ってないから。」


本当に気をつけなければ1人工場の出来上がりになっちゃう。


実践向きのスキルは持ってないから捕まったら終わりだよ。


でもその前に5歳児でスキル3つ目とかペースがおかしいよね?


もしかすると創造神様が転生する間際に言っていたスキルのおまけってことなんだろうか?


とりあえずスキルが無いよりかはあった方がいろいろ便利になってきたから感謝だよ。


いつか町の教会でお祈りでもすれば会えたりするんだろうか?


この村には簡易的な物しかないし。


その後は母さんの作ったお昼ご飯を食べてまったりと薪を乾かす作業を再始動。


そしてある程度薪の乾燥が終わる頃にはすでに外は夕方。


目の前には未だにギリギリ着火している備長炭。


そろそろ着火してから半日。


想像よりも長く着火し続けていたけどそろそろ限界らしい。


流石に完全に形は崩壊した。


あとは消え行くのみ。


「この炭のお陰で助かったな……異常なほど火持ちが良かったのが気になるところだが。」


そう苦笑いしながらグイドは乾いた薪を暖炉に放り込んでいた。


しばらくするとまだ熱を持っていた備長炭の熱で薪に火がついた。


「今日はどうする?寝室で寝るには寒すぎると思うわ。」


確かに今日は暖房が無いと厳しい。


ダイニングと寝室では温度の違いが凄まじかった。


寝室の窓は寒さで凍っていた。


一応父さん達の部屋と俺の部屋のドアをあけてダイニングの暖かい空気を届けようとしたけど各部屋の窓からの冷気が凄くて直ぐに断念した。


「ねぇ父さん。薪だと寝てるときに火を絶やさないようにしなきゃいけないよね?今晩だけでもこの炭を使わない?」


「うーん……火事が怖いから今日は父さんと母さんで交代で火の番するわ。流石に目を離すのはちょっとな。」


よく考えたらそうだよな。


キャンプの時は焚き火つけっぱなしのまま寝るなって父さん(前世)に口酸っぱく言われたっけ。


エアコンとは違うんだった。


「それにしても夜も寝ずに火の番ってのも懐かしいな。」


「そうねぇ。あっちこっちへと旅をしていた時以来かしら。」


暖炉の火を見ながら肩を寄せ合う両親。


何だろう。この甘ったるい空気は……


これはあれだな。空気を読むべきか。


「母さん、身体がぽかぽかして眠くなってきたから僕は寝るよ。」


「そう?それじゃあ毛布こっちに持ってくるわね。」


「これだけ暖かかったらお部屋で寝れると思うから大丈夫だよ!おやすみなさい。」


ラグナは部屋のベッドで横になり後悔する。


一応ダイニングの暖かい空気は部屋に入ってくるものの……


「さ、寒い……」


凍える身体を少しでも暖めようと丸くなる。


寒さと格闘していると人の気配が近付いてきた。


「もう、こんなに寒いのに無理しちゃって。」


母さんが自分の部屋の毛布を持ってきて掛けてくれた。


そしてそっと頬にキスをして立ち去っていった。


そのお陰でいろいろと暖かくなり安心した俺はいつの間にか眠りについた。


次の日の朝。


朝ご飯を母さんと準備していると家の扉からノック音。


父さんが扉をあけると村長さんが再び我が家にやってきていた。


「じいさん今日も朝からどうしたんだ?」


「どうしたじゃと?なんか言わなきゃいけないことかあるんじゃないか?」


あぁ、やっぱりバレてたか。


「あら村長さん、おはようございます。朝ご飯は食べましたか?」


「おはよう。まだ食べてはおらんが…これから食事じゃったか、すまんの。」


「大丈夫ですよ。ついでに食べていってくださいよ。美味しいですから。」


母さんは村長さんを部屋の中に招くと再び朝食の準備へ。


お皿によそったスープと保存用にと暖炉で多めに焼いたパンを俺が運び込んで準備は完了。


そう言えば転生後に驚いたこと。


異世界と言えば食事前のお祈りがあるものだとアニメやマンガで読んだことがあったので何かしらある思っていたらまさかの展開だった。


「今日の食事にも感謝を。『いただきます。』」


そう。


この国の食事前のお祈りは『いただきます。』


勇者が広めたらしい。


日本人確定だろうな。


食後は『ごちそうさま。』だしね。


あとはお箸とスプーンとフォークとレンゲがある。


お箸とレンゲも勇者が発案。


さて。


今日の朝ご飯は俺お手製のパンとジャーキーと干し野菜のスープ。


村長さんがまずはスープを一口。


そして目を見開く。


「この味はいったい……とても美味い。それに香りも。」


そのリアクションを見てニタニタする父さん。


「まさか!!この味はラグナが出した香辛料だとでも言うのか?!」


村長さんにこのスキルを紹介した時は香りを嗅ぐだけで味見とかはしてなかったからね。


そりゃ驚くでしょうよ。


俺まで見ていてニタニタしてきてしまっていた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 「どうしたじゃと?なんか言わなきゃいけないことかあるんじゃないか?」 人のスキルを知って当然と考えているけど、おかしくないのかな?
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