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海の魔物の倒し方

浜辺で海を見つめるラグナ。


「海で魔物を討伐って言ってもなぁ……」


海で戦える手段を持っていない。


海の中でも呼吸の必要性が無いとはいえ、陸上にいるときのように素早く動く事なんて出来ない。


更に攻撃しようにも水中では剣を振るう事すら困難。


ガストーチソードは海中では使用できない。


水の魔法で攻撃しようにも水中に住む魔物に効果があるのかどうか……



しかも他の魔法を海中で使用しても威力は激減。


風魔法ならば多少はダメージを与えられるが、水が抵抗となり速度に難がある。


「うーん……どうしたものかなぁ……」


沖にいる魔物ならば魔石を持っているとはいえ……


討伐手段が全く思いつかない。


「ぼーっと海なんか見てて、どした~?」


海を見ながら悩んでいると、以前釣りをした時に話し掛けてくれたオジサンが再び話しかけてきた。


「いやぁ……」


流石に一度会話したとはいえ、見ず知らずの人に話すわけにはいかない。


「なんでぇ、話せねー事なんけ?」


オジサンの顔を見るとニカッとした笑顔で俺を見ていた。


「……漁師の人ってどうやって海の魔物と戦ってるんですか?」


「海の魔物かぁ……ありゃ一部の博打もんがやる仕事だぁ……魔物専用の竿と糸と針を用意して餌を引っ掛けたら食いつくまで船さ動かすんだ。こんとき気を付けねばいけねぇのが、食いつく魔物のサイズよ。あんまりにも大きい魔物が掛かっちまうとそのまま船ごと海の中に引き込まれて終わりだ。んだば、食いついた瞬間の引きの強さで判断して、やべぇって思ったらすぐに糸を切らないけねぇ。しかもよ……サイズが小さいって油断ばしてっと魔法をぶち込まれて船さ壊されちまう。奴らの攻撃を必死に耐えながら海面付近まで引っ張り上げて、ようやくこっちが攻撃出来んだ。そん時にはやく仕留めねぇと、血の匂いを嗅ぎつけた他の魔物がうようよと集まっちまう。なっ?博打だべ?」


ラグナはおじさんの話を聞いて、顔が引きつってしまう。


「博打っていうか……無謀ですよね……」


「んだ。命を捨ててるようなもんだぁ。確かに成功した時の成果はすんげぇけども、そう簡単に出来るもんじゃねぇ。莫大な金を掛けて船を強化して、攻撃と防御が出来る魔法師や魔道具を揃えて、魔物のパワーに負けない釣り具を用意してようやくスタートラインに着くことが出来んだ。馬鹿な事考えるんじゃねぇ~ど?」


と言いながらおじさんは歩いて去っていくのだった。


「さて……どうしたもんか……」


おじさんの話を聞いて、再び考え込むラグナ。


「このまま無理に海に潜っても命が危ないか……」


あんな話を聞いた後に強行するほどバカじゃない。


ラグナは現状を打破するためにとある人に会いに行くのだった。


「助けて~!アヤトえも~ん!!」


「俺は猫型ロボットじゃねぇよ!!急に来てなんだよ!!」


ラグナが現状を打破するために訪れたのは魔道具職人であるアヤトの家だった。


「海の魔物を倒すだ~?無理だろ。」


相談した結果の第一声がそれだった。


「そこを何とか……」


「何とかって言われてもよぉ……確かに水中を高速で移動するような魔道具はあの世界にも似たような物があったから作ろうと思えば作れるが……元々海で生活しているような奴らを相手にするには厳しい。それに海だと攻撃手段がねぇよ。スピアガンっていう水中銃を作っても威力が足りるかどうか……やっぱ、すぐには無理だ。思いつかねぇよ。」


いくらアヤトとはいえ、いきなり海の魔物を倒せる魔道具を作れと言われても無理なものは無理だった。


「うーん……アヤトさんでも厳しいですか……」


「あぁ、悪いな。陸と海じゃ違いが大きすぎるんだ。それに海で使える魔道具を作った経験がねぇ。1から実験になるからどれだけ時間と金が掛かるか……」


「こっちこそ急に訪ねてきてごめんなさい。もしも何か思いついたら教えてください。」


「おう。力になれるかわかんねぇけど、何か思いついたら連絡するわ。」


ラグナはアヤトの家を出るとリオの元へと向かうことにした。


『お帰り~。おろ?元気ないね~。』


「どうすれば海の魔物と戦えるのか考えていたんですけど……何も思いつかなくて……やっぱり海の中では攻撃手段が無いんですよ。」


『ん~??海の中での攻撃手段??』


「だって海に生息してる魔物と戦うには海中に入らなきゃ……」


『いちいち、海の中で戦う必要なんてないじゃん。』


「へっ??だって魔石がある魔物は沖にしか居ないって……」


『沖まで釣り針を飛ばして浅瀬まで引き上げればいいだけじゃん。ウチらが現役の時はそうやって釣り上げてたよ~。』


リオが提案したのは何とも力ずくのぶっ飛んだ内容だった。



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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