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輸送隊だったものの引き渡しとハプニング

GWまでは激務なのでゆるして(T_T)




しょんぼりとしているリオを不思議そうな顔で見つめるミオン。


「何かありました?」


「……なんでもない。」


「兵士達に警戒されて剣を向けられたから凹んでるんですよ。まったく……久々に街を歩けるからって浮かれすぎです。」


「うぐっ……返す言葉もないよ……ごめん。」


ラグナに真実を暴露されたリオは何も言えなくなっていた。


「本来ならば兵士達を咎めるべきなのでしょうけど……リオ様が生きている事は秘匿されていますから仕方ない部分もありますので……申し訳ありませんでした。」


そう言うとミオンはリオに頭を下げたのだった。


「いやいやいや!ミオンちゃんが謝る事じゃないよ!悪いのは全部私なんだし!」


慌てて両手をブンブンと振りながら否定するリオ。


「そうですよ、悪いのは全部リオさんなんですから。ミオン様は気にしなくてもいいんですよ。」


「えー……なんかミオンちゃんにだけ優しくない?」


ラグナの言葉にリオは不満げに頬を膨らませる。


2人のやり取りに、にっこりと笑うミオンは


「それじゃあ、本来の目的である用事を済ませてしまいましょうか。」


と表情を引き締めるのだった。


「それじゃあ……出します。」


「お願いします。」


ラグナは最初に発見した商隊のものと思われる馬車の残骸と……


遺体と思われる何かを収納から次々と取り出していく……


「うっ……これは……」


いくらミオンが覚悟していたとはいえ……


女王である者がこんなにも悲惨な遺体を目にする事など今までなかったのだ。


「酷い……うっ……」


あまりにも酷すぎる光景にミオンは思わず口元を押さえてしまう。


「……こいつは酷い。」


リオもこの光景を厳しい目つきで睨みつける。


涙目になりながらも必死に耐えるミオンを支えながら、いったん倉庫の裏口から退出するラグナ。


すると裏口にはメイドが控えていた。


「大丈夫ですか?」


「……えぇ。それよりも例の手配をお願い。」


「わかりました。」


メイドはそれだけ聞くと一礼して去っていった。


「それじゃあ……隣の倉庫に向かいましょう。」


ミオンはラグナに支えられながら、すぐ隣の倉庫へ。



そして同じ様な悲惨な光景を再び目にする事になったミオンとリオ。


「……やって良いことと悪いことくらいあると思うんだけどね。」


リオは悔しさのあまり拳を強く握りしめている。


「……本当に。どうしてここまで非道な事が出来るのか理解に苦しみます。」


「……ですね。」


魔法か何かでスパッと切り刻まれた形跡もあれば、無理やり引きちぎられたような跡まで……


流石に2連続で悲惨な状況を目にすることになったミオンは……


耐えることが出来ずに、嘔吐してしまい、いつの間にか背後へと控えていたメイドに支えられながら倉庫を後にする。


「後はこちらにお任せ下さい。」


メイドはリオとラグナにそう伝えるとミオンを馬車へと案内していった。


「……僕達も戻りますか。」


「そうだね……」


「はい……」


すっかり元気が無くなってしまってしまった2人は、とりあえず街中をぶらりと歩きながら戻ろうとするが……


「あ……り……?」


「リオさん!?」


リオの身体が急に力を失ったようにガクッと倒れ込んでしまった。



ラグナは瞬時に周囲に人がいないか確認する。


「はぁ……人通りがあまりない所で良かった……」


今いる場所は倉庫と倉庫の間の狭い通路。


もう少し歩くと倉庫街の大通りに出る場所だった。


ラグナはリオ型ゴーレムに手を伸ばすとすぐに収納。


そして何事も無かったかのような雰囲気でリオの本体がいる場所へと向かうのだった。


『ごめん、ごめん。急にゴーレムとの接続が切れちゃったよ~。』


「街中じゃなくて本当に良かったですよ……人が多い所で倒れたら大事ですからね?」


『今回は結構自信あったんだけどなぁ。まさか途中で接続が切れるなんて……悪いんだけど、私の所までゴーレムボディ持ってきて~。あっ……私のボディが魅力的だからってイタズラしちゃ駄目だぞ?』


「するか!!バカ!!」


ラグナは、顔を真っ赤にしながらリオの下へと向かうのだった。



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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